【広島】県警巡査長を加重収賄などで起訴 署内端末から個人情報漏えいか、知人に現金10万円要求の疑い

広島県警の巡査長が個人情報を知人に漏らし、現金約10万円を要求したとして加重収賄などの罪で起訴された事件を伝える週刊TAKAPIの報道画像

広島地方検察庁は2026年10月28日、職務上知り得た個人情報を知人に漏らし、見返りとして現金を要求したとして、広島県警高速道路交通警察隊の巡査長、渡邉優人被告(28)を加重収賄と地方公務員法違反の罪で起訴した。11月2日、起訴内容が報じられた。

渡邉被告は、以前勤務していた警察署のオンライン端末から個人情報を取得し、知人に漏らしたとされる。現金の要求は2025年7月まで続いたとされ、情報提供を求めた知人の男には罰金30万円の略式命令が出されている。

海田署勤務中に個人情報を照会 知人に漏らした罪に問われる

起訴状などによると、渡邉被告は2023年、当時勤務していた広島県警海田警察署で業務用のオンライン端末を使用し、特定の個人の住所情報などを取得して知人の男に漏らしたとされる。

2026年10月8日の逮捕時に明らかになった内容では、情報漏えいがあったとされるのは2023年12月29日ごろ。当時、渡邉被告は海田署交通課に所属し、勤務時間中に署内のシステムへアクセスしていたという。

漏えいしたとされる情報には、対象者1人の氏名や住所などが含まれていた。

情報の提供を依頼した知人の男は、別の知人が抱えていた金銭トラブルを解決する目的で、渡邉被告に個人情報の照会を求めたとされる。

警察官が職務上利用できる情報を、私的な依頼のために取得して外部に伝えたとされる点が、今回の事件の中心となっている。

2024年10月から繰り返し金銭要求か

渡邉被告は個人情報を提供した見返りとして、知人に現金約10万円を要求した罪にも問われている。

逮捕時の発表に基づく報道では、金銭の要求は2024年10月から2025年7月までの間に複数回行われたとされる。11月2日の報道では、8回にわたって要求したと伝えられている。

ただし、要求された現金が実際に支払われたかどうかについては確認されていない。

刑法第197条は、公務員が職務に関して賄賂を受け取る行為に加え、その要求や約束も処罰の対象としている。さらに第197条の3では、職務上の不正行為などを伴う収賄について加重収賄罪を定めている。

今回の起訴では、個人情報を漏らしたとされる行為と金銭要求が問題となっているが、罪の成立については今後の裁判で審理されることになる。

知人の男は略式起訴、罰金30万円の略式命令

一方、渡邉被告に個人情報を漏らすようそそのかしたとして、知人の男も刑事手続きの対象となった。

男は地方公務員法違反の教唆をめぐって略式起訴され、10月28日に裁判所から罰金30万円の略式命令を受けた。

事件は2025年11月、男が関係する別の事件を警察が捜査する過程で発覚したとされる。

捜査関係者によると、男のスマートフォンを解析した際、渡邉被告が金銭を要求するやり取りが残されていたという。

また、10月8日の逮捕時には、県警が2026年夏ごろ、個人情報を漏らされた対象者に事情を説明して謝罪したことも報じられている。

今回の刑事手続きでは、情報提供を依頼した知人の男に略式命令が出された一方、渡邉被告については正式な公判で審理されることになる。

県警は謝罪 情報照会の管理体制も問われる

広島県警は10月8日の逮捕を受け、警察職員が逮捕されたことについて遺憾の意を示し、県民に謝罪した。事実関係を調査し、厳正に対処する方針も明らかにしている。

ただし、渡邉被告に対する懲戒処分の有無や内容については、11月2日までの報道で確認できていない。

警察の内部システムには、捜査や交通業務などで必要となる個人情報が保管されている。業務上のアクセス権限が与えられていても、その情報を私的な目的で利用してよいわけではない。

今回の事件では、情報が漏れたとされる2023年12月から、別事件の捜査で発覚した2025年11月までに時間が経過している。

この間、県警内部で不適切な情報照会を把握する機会があったのか、照会履歴がどのように管理されていたのかは明らかになっていない。

もっとも、今回の事件だけをもって県警の情報管理体制全体に不備があったと断定することはできない。

情報照会の正当性を確認する仕組みがどのように運用されていたのか、県警が今後どのような調査結果や再発防止策を示すのかが焦点となる。

編集部まとめ

広島県警の巡査長が、職務上知り得た個人情報を知人に漏らし、見返りに現金約10万円を要求したとして加重収賄などの罪で起訴された。

情報提供を求めた知人の男には、罰金30万円の略式命令が出されている。

今回の事件で問われるのは、警察官個人の刑事責任だけではない。警察が保有する個人情報について、私的な照会や外部への漏えいを防ぐための仕組みが適切に運用されていたかどうかも重要な問題となる。

今後の公判による事実関係の解明とともに、県警による内部調査や再発防止に向けた説明が求められる。

特記事項

本記事は2026年11月2日に公表された起訴内容に関する報道、10月8日・9日の逮捕および事件発覚に関する報道、刑法の関係条文を照合して作成した。

起訴状原本、広島地方検察庁の当該事件に関する発表文、県警の内部調査資料は確認できていない。金銭の受領、具体的な照会記録、懲戒処分の有無についても未確認である。

渡邉被告について有罪判決が確定したものではない。

Q起訴された警察官は誰ですか?
A広島県警高速道路交通警察隊の巡査長、渡邉優人被告(28)です。
Q何の罪で起訴されたのですか?
A加重収賄と地方公務員法違反の罪です。職務上知り得た個人情報を知人に漏らし、見返りに現金を要求したとされています。
Q個人情報はいつ漏れたとされていますか?
A2023年12月29日ごろ、海田警察署に勤務していた際とされています。
Q現金10万円は実際に受け取ったのですか?
A現金を要求したとされていますが、実際に支払いがあったかどうかは確認できていません。
Q情報提供を求めた知人はどうなりましたか?
A地方公務員法違反の教唆をめぐって略式起訴され、2026年10月28日に罰金30万円の略式命令を受けました。

週刊TAKAPI編集部/成田

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