九州大学(福岡市)は11月2日、学生に対してセクシュアルハラスメントとアカデミックハラスメントに該当する発言をしたとして、40代の男性准教授を同日付で諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。
被害を受けた学生からの相談をきっかけに大学が調査し、今年8月にハラスメント行為を認定。その後、懲戒審査委員会と役員会で審議し、教育環境を悪化させた責任は重大であると判断した。
大学は、学生の特定を避けるため、准教授の所属や具体的な発言内容、行為があった時期などを明らかにしていない。
学生1人が被害を相談、8月にハラスメント認定
九州大学の説明によると、男性准教授は学生1人に対し、セクシュアルハラスメントとアカデミックハラスメントに該当する発言をした。
学生が大学側に相談したことから調査が行われ、2026年8月に両方のハラスメントに該当すると認定された。
認定後、大学は懲戒審査委員会と役員会で処分を審議。教育環境を悪化させた責任を重く捉え、大学の組織秩序の観点から看過できないと判断し、11月2日付で諭旨解雇処分とした。
一方、問題となった発言の内容や回数、発言があった時期などは公表されていない。男性准教授の所属部局も明らかにされておらず、学生との具体的な関係や当時の状況についても確認できない。
大学は被害学生のプライバシーを保護する必要があるとして、詳細の公表を控えている。
諭旨解雇とは何か 大学規程で定める懲戒処分
今回の処分は、大学の教職員に対する懲戒処分の一つである。
九州大学の教員向け公式ハンドブックでは、懲戒処分を懲戒解雇、諭旨解雇、出勤停止、減給、戒告に区分している。
諭旨解雇は、本人に退職願の提出を勧告し、これに応じない場合は懲戒解雇とする処分だ。出勤停止や戒告とは異なり、雇用関係の終了を伴う厳しい措置である。
ただし、11月2日付で諭旨解雇処分となったことと、本人が実際に退職願を提出し、退職手続きを終えたことは区別する必要がある。
今回の公表情報からは、退職願の提出状況や、その後の手続きについては確認できない。
セクハラとアカハラ、大学は両方を認定
九州大学は、セクシュアルハラスメントについて、相手の意に反する性的な言動によって就労や修学の環境が害されることと説明している。
アカデミックハラスメントは、教育・研究に関わる優越的な関係を背景とし、必要かつ相当な範囲を超える言動によって修学や就労の環境が害される問題だ。
大学では、学生の成績や研究指導、進路などに関して教員が一定の権限を持つことがある。こうした関係の中では、教員の言動が学生の修学環境に及ぼす影響を慎重に考える必要がある。
ただし、今回の准教授が成績評価や研究指導上の権限を利用したかどうかは公表されていない。
大学が認定したのは、学生への発言がセクシュアルハラスメントとアカデミックハラスメントの双方に該当するという事実であり、それ以上の具体的な行為を推測することはできない。
学生の保護と大学の説明責任
今回の処分では、被害学生からの相談を受けて調査が行われ、ハラスメントの認定と懲戒処分に至ったことが明らかになっている。
九州大学は、ハラスメント委員会やハラスメント対策推進室を設置し、学生や教職員を対象とした相談・対応体制を整えている。
大学が公表する基本方針では、ハラスメントが発生した場合、被害者の救済を第一に考え、迅速かつ適切に対応することを掲げている。
今回の事案については、学生への具体的な支援内容や、相談を受けてから調査を終えるまでの期間などは明らかになっていない。
被害学生の特定につながる情報を公表しないことには合理的な理由がある。一方で、学生の保護と再発防止のために大学がどのような対応を取ったのか、その説明のあり方は今後の検証課題となる。
大学は今回の事態を厳粛に受け止め、教職員の倫理意識の向上と学内秩序の維持に努める考えを示している。
ただし、今回の処分を受けて新たに実施する研修や相談体制の見直しなど、具体的な再発防止策が決定されたかどうかは確認できていない。
編集部まとめ
九州大学は11月2日、学生に対するセクシュアルハラスメントとアカデミックハラスメントに該当する発言を認定し、40代の男性准教授を諭旨解雇処分とした。
学生からの相談を受け、8月にハラスメント行為を認定。その後、懲戒審査委員会と役員会で審議し、教育環境を悪化させた責任を重大と判断した。
大学が厳しい処分に踏み切った一方、被害学生のプライバシー保護のため、問題となった発言の内容などは公表されていない。
今後問われるのは、処分の実施だけでなく、被害を受けた学生の修学環境を守り、同様の問題を防ぐための対応をどのように進めるかという点である。
特記事項
本記事は、2026年11月2日の九州大学による懲戒処分発表について確認できた報道内容、および九州大学が公開する懲戒処分制度、ハラスメント防止・対策に関する公式資料を基に構成した。
今回の処分に関する大学の公式発表原文は確認できていない。男性准教授の所属、発言内容、行為の時期、学生への個別支援、退職手続きの完了状況については確認できた範囲を超える記述を行っていない。
週刊TAKAPI編集部/松本
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