名古屋市営バスで11月3日朝、23歳の運転士が次の運行までの待機中に車内で寝過ごし、バスの出発が予定より41分遅れる事案が発生した。
運転士は前の運行を終えた後、バスの最後部座席で寝ていた。発車時刻を正確に確認しておらず、時間を誤って認識していたという。
名古屋市交通局によると、運転士の寝過ごしによる市バスの発車遅延は、2026年4月以降で今回が4度目。過去にも同様の問題が相次ぎ、交通局は再発防止に向けた指導を表明していた。
午前7時半すぎに前の運行を終了 最後部座席で寝過ごす
市交通局によると、今回の事案を起こしたのは、名古屋市守山区の大森営業所に所属する23歳の運転士。
11月3日午前7時半すぎに前の運行を終え、次の運行までの待機時間中にバス車内の最後部座席で寝ていたところ、発車予定時刻を過ぎたという。
運転士は、ダイヤを確認しておらず、発車時間を誤って認識していたと説明している。
その結果、バスは予定より41分遅れて出発した。
ただし、遅延した便の系統名、出発予定時刻、具体的な待機場所については、11月3日夕方までに確認できた報道では明らかになっていない。
また、営業所側が遅延をいつ把握したのか、利用者から問い合わせが寄せられていたのかについても不明だ。
5月に2件、8月にも発生 寝過ごしによる遅延は4度目
名古屋市営バスでは、今年5月から運転士の寝過ごしによる発車遅延が繰り返されている。
5月8日には、鳴尾営業所の47歳の運転士が、午後6時15分に鳴尾車庫を出発する予定だった名港11系統のバスで寝過ごし、出発が61分遅れた。
運転士は運行前の待機中に車内で寝てしまい、自ら目を覚まして発車時刻を過ぎていたことに気付いたという。
5月31日には、浄心営業所の34歳の運転士が、名古屋駅を午後5時30分に出発する予定だった幹名駅1系統で寝過ごし、39分の発車遅延が発生した。
この運転士も、次の運行前にバス車内で寝ていた。市の発表では、所属営業所の運行管理業務は民間事業者に委託されていた。
さらに8月9日には、猪高営業所の30歳の運転士が、金山を午前11時20分に出発する予定だった金山12系統で寝過ごし、発車が47分遅れた。
この事案でも、運転士は待機中のバス車内で寝ており、自分で目を覚ましたときには発車時刻を過ぎていた。
いずれも、名古屋市交通局が公式に公表した事案だ。
過去3件とも「自己管理の徹底」 再発防止策の実効性は
市交通局は5月8日、5月31日、8月9日の各事案で、利用者に迷惑をかけたことを謝罪し、運転士への指導を徹底する方針を示していた。
再発防止策として掲げていたのは、点呼などの機会を通じて、待機時間中の自己管理を徹底し、定時運行を確保するという内容だった。
しかし、その後も同様の発車遅延が発生し、11月3日で4件目となった。
今回の運転士は、過去の事案とは異なり、ダイヤを確認せず、発車時刻を誤って認識していたと説明している。
寝過ごしを防ぐための注意喚起だけでなく、運転士が次の発車時刻を確実に把握できる仕組みや、予定時刻になっても発車しない場合に営業所が把握する体制についても検証が必要だ。
ただし、今回の事案について、出発前の確認手順が守られていなかったのか、営業所側の運行管理に不備があったのかは、現段階では確認できていない。
大森営業所は管理委託の対象 受託事業者の対応も焦点
今回の事案が発生した大森営業所は、市交通局が民間バス事業者に運行管理などを委託する営業所の一つだ。
市交通局が2026年6月に公表した資料によると、同営業所では2007年4月から管理委託を実施している。
この制度では、市交通局が運行計画を定め、受託事業者が車両の運転や運行管理、整備管理などを担う。
経営は市交通局の名義で行われるため、公共交通としての責任がなくなるわけではない。
今回の23歳の運転士の具体的な雇用関係については、取得できた事故報道だけでは確認できていない。
今後は、発車時刻の確認や遅延発生時の対応について、受託事業者と市交通局がそれぞれどのような管理を行っていたのかも確認する必要がある。
乗客への影響は不明 勤務実態との関係も確認が必要
41分の発車遅延は、市バスを利用して通勤や通学、買い物などに向かう人の移動に影響する可能性がある。
ただし、今回の便を待っていた利用者の人数や、後続便への影響については明らかになっていない。
また、運転士の前日の勤務状況、休息時間、睡眠時間なども確認できていない。
寝過ごしを繰り返す背景に過重労働や勤務体制の問題が存在するかどうかについては、十分な資料がない段階で判断することはできない。
市交通局には、今回の事案の経緯を明らかにするとともに、過去の再発防止策がどこまで実施され、どのような効果があったのかを検証することが求められる。
編集部まとめ
名古屋市営バスで11月3日、23歳の運転士が車内の最後部座席で寝過ごし、バスの出発が41分遅れた。
同様の事案は2026年4月以降で4度目となる。
過去3件では市交通局が待機時間中の自己管理を徹底する方針を示していたが、再び発車遅延が起きた。
今回の問題を運転士個人の不注意だけで終わらせず、発車時刻の確認方法や営業所の運行管理、受託事業者との役割分担を含めて見直せるかが今後の焦点となる。
特記事項
本記事は2026年11月3日に公表された市交通局の説明に関する報道と、同年5月8日、5月31日、8月9日の市公式発表、大森営業所の管理委託に関する公式資料を照合して作成した。
11月3日の発車遅延に関する市交通局の発表原文は確認できていない。今回の便の系統、発車予定時刻、利用者への具体的な影響、遅延発覚の経緯、運転士への処分については未確認である。
大森営業所が管理委託の対象であることは公式資料で確認しているが、当該運転士の雇用関係や個別の指導状況は確認できていない。
週刊TAKAPI編集部/一条
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