実在する女子陸上選手らの写真を生成AIで性的な画像に加工し、SNSに投稿したとして、警視庁は兵庫県姫路市の会社員、井元健太容疑者(32)を逮捕した。井元容疑者は月額約3000円の生成AIサービスを利用し、約300枚の画像を加工、このうち100~200枚を投稿したとみられる。スマートフォンからは、女子陸上選手を含む性的な画像や動画など約3800点が確認されたという。
警視庁の発表によると、井元容疑者は2025年2月ごろ、20代女性3人が高校時代に陸上競技のユニフォーム姿で写った写真を、生成AIで裸の画像などに加工した上でSNSに投稿し、女性らの名誉を毀損した疑いが持たれている。
さらに、鹿児島県在住の17歳の男子高校生から依頼を受け、現在40代の女性が中学1年生当時、体育祭で体操着を着て写った写真を性的な画像に加工し、SNSに投稿した疑いもある。警視庁は、児童ポルノ禁止法違反の容疑でも捜査している。
井元容疑者は、加工画像を不特定多数が閲覧できる状態で投稿していたとされる。捜査関係者によると、調べに対し容疑を認め、「AIで加工すると喜ばれるのがうれしかった」「女の子の裸を見たかった」などと供述しているという。
また、「陸上部のユニフォームが加工しやすかったから選んだ」「約300枚を加工し、100~200枚を投稿した」「加工した画像の半分ほどは男子高校生からの依頼だった」といった趣旨の説明もしているとされる。
依頼した男子高校生は、中高生を含む女子陸上選手の写真が多数違法に投稿されていたSNSなどから画像を入手し、井元容疑者に加工を依頼していたとみられる。警視庁は男子高校生についても、児童ポルノ禁止法違反などの疑いで書類送検する方針。
警察庁によると、2024年に把握された18歳未満の性的ディープフェイク被害は114件に上り、被害者の多くは中高生だった。生成AIを悪用し、実在する人物の画像を無断で性的に加工・拡散する被害が広がっている。
警視庁は引き続き、関連事案の捜査を進めている。
編集部まとめ
実在する人物の写真を、本人の同意なく生成AIで性的な画像に加工する行為は、被害者の尊厳や名誉を著しく傷つける。加工された画像が偽造されたものであっても、SNSへの投稿や拡散によって深刻な被害が広がるおそれがある。
こうした行為は、内容や投稿の方法によって名誉毀損、わいせつ物頒布等、児童ポルノ禁止法違反などに問われる可能性がある。画像を作成した側だけでなく、加工を依頼した人物や、違法性を認識しながら投稿・拡散した人物も責任を問われる場合がある。
女性アスリートを標的にした盗撮や性的な画像加工は、競技会場に限らずSNS上でも問題化している。生成AIの利用が広がる中、安易な依頼や共有が重大な権利侵害や犯罪につながることを、改めて認識する必要がある。
週刊TAKAPI編集部/松本
※特記事項:本記事は警察発表および報道情報を基に構成しています。逮捕は有罪を意味せず、容疑は今後の捜査・司法手続きで判断されます。被害者を特定できる情報や加工画像は掲載していません。
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