千葉県で2026年8月13日から降り続いた記録的な大雨により、県内各地で深刻な浸水被害が発生しています。
14日午後2時20分現在、千葉市、市川市、柏市、佐倉市、八千代市などで男女7人の死亡が確認され、女性1人の行方が分からなくなっています。
県内では一時およそ7400人が避難所に身を寄せたほか、鉄道や道路交通の混乱によって多数の帰宅困難者も発生しました。
道路が短時間で冠水し、車に閉じ込められる被害が相次ぐ一方、柏市では住民が自ら深い水の中に入り、水没した車から男女2人を救出する場面もありました。
男女7人死亡 千葉市では60代くらいの女性が行方不明
千葉県や警察などによると、今回の大雨では千葉市、市川市、柏市、佐倉市、八千代市などで人的被害が確認されています。
14日午後2時20分現在、男女合わせて7人の死亡が確認されています。
冠水した道路で車が水没し、車内から救助された人が死亡するなど、大雨による道路冠水に関連した被害が相次ぎました。
千葉市中央区稲荷町では13日午後7時すぎ、アンダーパスで車が水没しているのが見つかりました。
この車を運転していたとみられる60代くらいの女性1人の行方が分からなくなっており、関係機関が捜索を続けています。
千葉県は今回の大雨に関連して亡くなった人について、氏名を原則として公表しない方針を明らかにしています。
熊谷知事「大変痛恨の極み」 人命救助を最優先
千葉県は14日朝、災害対策本部会議を開き、県内の被害状況や救助活動について確認しました。
熊谷俊人知事は、今回の大雨で死者が確認されたことについて「大変痛恨の極み」と述べ、犠牲者に哀悼の意を示しました。
そのうえで、人命救助を最優先に関係機関と連携し、救助や復旧活動に取り組んでいく考えを示しています。
県内では警察、消防、自衛隊などが救助や避難支援、交通対応を進めています。
床上浸水45棟、床下浸水39棟 住宅被害も拡大
住宅への被害も各地で確認されています。
県が把握している被害では、千葉市で住宅1棟が半壊しました。
また、柏市や佐倉市などで床上浸水が合わせて45棟、柏市や八千代市などで床下浸水が合わせて39棟確認されています。
大雨による被害確認は続いており、住宅や道路、農地などの被害規模は今後さらに拡大する可能性があります。
39市町村359か所に避難所 約7400人が避難
千葉県は14日午前6時時点で、県内39市町村の359か所に避難所を開設しました。
避難していた人はおよそ7400人に上りました。
道路冠水や鉄道の運転見合わせによって、自宅に戻れなくなる人も多数発生しました。
県は県庁など17施設を帰宅困難者向けの一時滞在施設として開放し、14日午前2時15分時点で約3900人を受け入れています。
柏市で住民が頭を超える水の中へ 水没車から男女2人を救出
今回の豪雨では、住民による懸命な救助活動も行われました。
柏市八幡町の住宅街では13日午後、冠水した道路で軽乗用車が水没し、車内に男女2人が取り残されました。
近くに住む66歳の男性は、車が冠水した道路へ向かうのを見て「そっちに行ってはダメだ」と大声で呼びかけました。
しかし声は届かず、車はそのまま冠水した場所へ進入。徐々に沈み、屋根付近まで水につかったといいます。
男性は消防へ通報しましたが、到着まで時間がかかると知り、自ら救助に向かいました。
頭を超える高さまで達した水の中を泳いで車へ近づき、鉄パイプを使って後部の窓を割り、高齢男性を車外へ引き出しました。
さらに金づちなどを使って別の窓を割り、女性も救出しました。
女性は救助された時点で心肺停止の状態だったということです。
男性によると、この周辺は「谷のような地形」で、数年前の大雨でも車が水没したことがありました。
男性は今回の被害を受け、同じような被害を繰り返さないためにも「排水環境の改善が必要」と訴えています。
単なる一度の冠水被害ではなく、地域が抱える浸水リスクや排水能力の問題も改めて浮き彫りになっています。
八千代市でも住宅浸水 生活用品に被害
八千代市でも住宅の浸水被害が発生しました。
パキスタン国籍の56歳男性の自宅では1階部分が浸水し、バイクや冷蔵庫などが被害を受けました。
男性は浸水後のガレージの状況を目の当たりにし、恐怖を感じたと話しています。
今回の大雨では道路だけでなく住宅地にも大量の水が流れ込み、生活基盤に直接影響する被害が各地で発生しています。
蘇我駅周辺で約4000人の帰宅困難者 自衛隊が輸送
交通機関にも大きな混乱が広がりました。
JR蘇我駅周辺では約4000人の帰宅困難者が発生しました。
14日午前6時半すぎからは、自衛隊のバスによる一時滞在施設への輸送が始まりました。
JR千葉駅でも鉄道の運転見合わせなどにより帰宅できない人が相次ぎ、開放された列車内で夜を明かした人もいました。
成田空港でも鉄道やバスを待つ利用者がベンチや床などで一夜を過ごしました。
14日早朝から一部の交通機関が動き始めると、乗り場には長い列ができるなど、混乱は朝まで続きました。
千葉市24時間雨量367ミリ 気象庁観測でも記録的な雨
今回の大雨は、観測データからも異例の規模となりました。
気象庁の観測データなどによると、千葉市では24時間雨量が367ミリに達し、観測史上最大となりました。
佐倉市でも3時間雨量189.5ミリを観測するなど、県内各地で短時間に猛烈な雨が集中しました。
短時間で大量の雨が降ったことにより、道路の排水能力を超えて冠水が広がり、アンダーパスや低地で車が動けなくなるケースが相次いだとみられます。
冠水した道路への進入は極めて危険
今回の被害では、冠水した道路上で車が動けなくなるケースが相次ぎました。
道路が水につかっている場合、見た目だけでは水深や路面状況を判断することが困難です。
特にアンダーパスや低い土地では水が急激に流れ込むことがあり、短時間で車のドアが開かなくなったり、車体が浮いて流されたりする危険があります。
雨が弱まった後でも、冠水箇所や河川周辺、崖や斜面などには近づかず、自治体や関係機関が発表する避難情報や交通規制を確認する必要があります。
編集部まとめ
千葉県の記録的大雨では、8月14日午後2時20分現在、男女7人の死亡が確認され、60代くらいの女性1人が行方不明となっています。県内では39市町村359か所に避難所が開設され、一時約7400人が避難しました。
柏市では66歳の住民男性が頭を超える水の中へ入り、水没した車から男女2人を救助しました。一方、男性は周辺で過去にも冠水被害があったとして「排水環境の改善が必要」と訴えており、今後は救助・復旧とともに地域の浸水対策も課題となります。
特記事項
本記事は2026年8月14日午後2時20分時点までに公表、確認された情報を基に構成しています。死亡者数、行方不明者数、避難者数、住宅被害などは、その後の捜索や被害確認によって変更される可能性があります。
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