公式声明が出ても不信感が消えない理由

問題が表に出たあと、多くの組織は公式声明を出します。
「ご迷惑をおかけしました」
「事実確認を進めています」
「再発防止に努めます」
よく見る並びです。

ですが、これだけでは不信感は消えません。
理由は単純です。知りたいことが書かれていないからです。

読み手がまず見ているのは、何が起きたのかです。
院内で撮影した画像が外に出たのか。未発表資料がSNSに載ったのか。勤務中の投稿だったのか。氏名、日付、場所、画面表示、予約表、患者情報、社内資料の写り込みがあったのか。
ここが抜けた声明は、謝罪文の形をしていても中身がありません。

次に見られているのは、いつ把握したのかです。
発覚した日、通報を受けた日、社内で共有した日、外部に説明した日。
この順番が見えなければ、早く動いたのか、後手に回ったのかが分かりません。
「確認中です」だけでは足りません。

さらに重要なのは、誰が確認しているのかです。
現場責任者なのか、本部なのか、広報なのか、管理職なのか。
「担当部署で調査しています」では、責任の位置が見えません。

問題の説明で多いのが、言葉を弱くする書き方です。
「不適切な行為」
「一部職員による投稿」
「不適切な画像」
これでは何が悪かったのか読めません。
無断撮影なら無断撮影、患者情報の写り込みならその事実、未発表資料の外部投稿ならその行為を書くべきです。

再発防止も同じです。
「指導を徹底します」
「再発防止に努めます」
この2行で終わる声明は弱いです。
撮影禁止の範囲を見直すのか、私用スマートフォンの持ち込みを制限するのか、資料の閲覧権限を減らすのか、SNS研修をやり直すのか。
何を変えるのかが必要です。

公式声明で見られているのは、丁寧な言葉そのものではありません。
何が起きたのか。いつ把握したのか。何が外に出たのか。誰が確認しているのか。何を直すのか。影響を受けた側にどう対応するのか。

この6点です。 公式声明が出ても不信感が消えない組織は、謝罪が足りないのではありません。
書くべき事実を書いていないのです。

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