千葉県我孫子市の中央学院大学で、教授が学生に暴力を加えた問題をめぐり、大学が当該教授を准教授へ降格した件について、週刊TAKAPIは大学側に独自取材を行った。
取材に応じた事務局長は、処分について学内調査を踏まえた総合的な判断だったとし、「顧問弁護士とも相談した」と説明した。
また、被害学生と保護者に学長が直接謝罪していたこと、学生の負傷は軽傷で現在も通学を続けていること、警察への通報後の刑事手続きについて大学側では現状を把握していないことなど、公式発表では明らかにされていなかった対応状況について回答した。
6月24日、学内で学生に暴力
問題が起きたのは2026年6月24日。
中央学院大学によると、大学構内で教員が学生に対して暴力を行使し、警察へ通報される事態となった。
大学は7月8日、「本学教員による傷害事件」として事案を公表。当該教員を自宅待機とした上で事実関係を確認し、警察の捜査などに対応する方針を示していた。
その後、大学は調査委員会を設置し、学生や教職員など関係者への事情聴取を実施。
調査の結果、教授による暴力行為を認定し、「本学教員として著しく不適切」と判断したとして、8月18日付で教授から准教授への降格処分を決定した。始末書の提出も求め、被害学生との接触防止と学生の安全確保のため、2027年3月31日まで自宅待機を命じている。大学が処分を公表したのは8月21日だった。
なぜ「降格」なのか
週刊TAKAPIは、なぜ教授から准教授への降格という処分になったのかを大学側に確認した。
事務局長は、
「調査を実施した結果、総合的な結果でこのような処分となった。また顧問弁護士とも相談した」
と説明した。
大学は暴力行為を認定した上で、職位を一段階引き下げる処分を選択したことになる。
一方、解雇などではなく降格を選択した具体的な判断基準や、適用した規程、処分量定に至る詳細な審議内容については公表していない。
大学は公式発表でも、被害学生や関係者のプライバシー保護と教育環境への影響を考慮し、本件の公表を発表内容の範囲に限るとしている。
被害学生は軽傷、通学を継続
被害学生への対応についても、新たな事実が明らかになった。
事務局長によると、大学側は被害学生と保護者に対し、学長が直接出向いて謝罪したという。
その際、大学側から相談窓口についても案内し、何かあれば申し出てほしいと伝えたとしている。
さらに被害学生の現在の状況について、事務局長は学生がその後も大学に通っており、負傷についても「幸い軽傷だった」と説明した。
被害学生の負傷程度や現在も通学を続けていることは、大学の公式発表では明らかにされていなかった。
刑事手続き「大学では把握していない」
警察への通報後、捜査がどこまで進んでいるのか。
事務局長は週刊TAKAPIの取材に対し、警察へ通報されたことは把握しているものの、その後の情報は大学側には届いておらず、現段階では最終的な状況を把握していないと説明した。
被害学生が刑事告訴を行っているかについても、大学側では分からないとしている。
大学による人事・懲戒処分と、警察や検察による刑事手続きは別のものだ。
現時点で大学側が逮捕や書類送検などの進展を把握している事実は確認できていない。
2027年4月以降は未定
当該教員に命じられた自宅待機は2027年3月31日までとなっている。
では、その後は大学へ復帰するのか。
事務局長は、処分としては2027年3月末までとしながらも、その後については状況を見ながら必要な措置を取ると説明した。
さらに、刑事告訴など今後の状況によっては処分内容が変更される可能性もあるとの認識を示した。
このため、2027年4月以降の復帰が現時点で決まっているわけではない。
他の学生、特に女子学生にも不安
大学側は今回の問題が、被害学生だけではなく周囲の学生にも心理的な影響を与えているとみている。
事務局長は、事件を知った学生が驚いており、特に女子学生などにも不安や怖さが広がっているとして、被害学生だけでなく他の学生へのケアについても考えていく必要があるとの認識を示した。
再発防止については、学長名で当該教員だけでなく全教職員に対し、暴力行為を決して起こさないよう周知したという。
大学では従来からアンガーマネジメントに関する取り組みを行っており、今後も必要に応じて実施するとしている。
事務局長は「隠ぺいするつもりもない」とした上で、今後状況に変化があれば必要に応じて対応していく考えも示した。
編集部まとめ
今回の独自取材で、大学の公式発表だけでは分からなかった対応の一部が明らかになった。
処分に際して顧問弁護士と相談していたこと、学長が被害学生と保護者に直接謝罪したこと、被害学生が軽傷で現在も通学していること、さらに刑事手続きの状況次第では処分内容が変更される可能性があることは、今後の大学側の対応を見る上で重要な情報となる。
一方、大学には被害学生のプライバシーを守る責任がある。暴力の具体的内容を公表しないことについては、この点にも十分な配慮が必要だ。
今後の焦点は、警察による捜査など刑事手続きに進展があるのか、2027年3月末の自宅待機終了後に当該教員をどのように扱うのか、そして被害学生だけでなく不安を感じている他の学生への支援をどのように継続するのかに移る。
週刊TAKAPIでは、刑事手続きや大学側の対応に新たな動きがあれば引き続き確認する。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
中央学院大学は2026年7月8日、本件を「本学教員による傷害事件」として公式に公表している。ただし、これは大学側による事案の表現であり、当該教員について刑事裁判で傷害罪が確定したことを意味するものではない。
大学は8月21日、調査委員会による調査で教授の暴力行為を認定し、8月18日付で教授から准教授への降格、始末書の提出、2027年3月31日までの自宅待機を決定したと公表した。
本記事の「顧問弁護士との相談」「学長による被害学生・保護者への直接謝罪」「被害学生は軽傷で通学を継続」「刑事手続きについて大学では未把握」「今後の状況による処分変更の可能性」「他の学生、特に女子学生にも不安が広がっている」との内容は、週刊TAKAPIによる中央学院大学事務局長への独自取材に基づく。
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