東京都小平市教育委員会は2026年8月26日、市立小学校で発生したいじめにより児童が不登校になった事案について、「いじめ重大事態」の調査報告書を公表した。市教委の公表資料によると、報告書は2025年2月10日付でまとめられていた。
児童は2021年、同級生から「ばい菌」扱いされたり、クラスで仲間外れにされたりするなどのいじめを受け、その後、不登校になったという。
調査では、学校がいじめ重大事態として対応するまでに時間を要したことなどが問題として指摘された。
「いじめ問題を解決する認識が不十分」 学校対応を指摘
報告書では、学校側が被害児童や保護者が学校に何を求めているのかを的確に捉えられていなかったほか、いじめ問題を解決するという認識が十分ではなかったと指摘された。
児童の保護者が学校側に問題を指摘したのは2022年3月。その後、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会が「いじめ重大事態」として調査を行った。
いじめが発生した2021年から報告書の公表までは約5年が経過している。
市教委は、被害児童や関係者のプライバシー保護のため、学校名や児童を特定する情報を公表していない。
不登校はいじめの「重大事態」に該当する場合も
いじめ防止対策推進法第28条第1項では、いじめによって児童・生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合に加え、相当期間にわたり学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合についても「重大事態」と定めている。
重大事態が発生した場合、学校や教育委員会には事実関係を明らかにするための調査と、結果を踏まえた対応が求められる。
小平市では、いじめ防止対策推進法に基づき「小平市教育委員会いじめ問題対策委員会」を設置しており、重大事態が発生した場合には調査を行い、その結果を教育委員会に報告する仕組みとなっている。
再発防止へ児童への指導、教員研修
報告書では再発防止に向け、児童への指導を徹底するとともに、教員を対象とした研修を定期的に実施することなどを求めた。
小平市教育委員会は、調査報告書で示された提言を踏まえ、学校と教育委員会が一体となって、いじめの未然防止や早期発見、早期対応などに取り組むとしている。市は8月26日、調査報告書の公表とあわせて、いじめ防止に向けた取り組みについても公表した。
編集部まとめ
今回の調査報告書で重く受け止める必要があるのは、いじめ行為そのものだけではなく、問題を把握した後の学校側の対応が遅れたと指摘されている点だ。
「ばい菌」扱いや仲間外れを受けた児童は不登校に至った。重大事態への対応では、被害を訴えた児童や保護者から何が起きているのかを丁寧に把握し、組織として迅速に動けるかが重要になる。
再発防止策を示すだけではなく、今回の指摘が今後の学校現場でどのように実行されるのかが問われる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
本記事は、小平市教育委員会が2026年8月26日に公表した「いじめ重大事態調査報告書」に関する公表資料などを基に構成した。市公式ページによると、調査報告書自体の日付は2025年2月10日で、公表日は2026年8月26日。公表期間は6か月とされている。
被害児童は未成年者であり、プライバシー保護のため学校名、氏名、学年など個人の特定につながる情報は記載していない。
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