神奈川県相模原市南区で2026年6月、座間市の高校3年生・佐藤唯来さん(当時17)が殺害された事件で、横浜地方検察庁は9月4日、元交際相手の高橋颯真被告(19)を殺人などの罪で起訴し、氏名を公表しました。
高橋被告は事件当時19歳で、改正少年法上の「特定少年」に当たります。横浜地検は氏名を公表した理由について、罪名の重大さに加え、裁判員裁判の対象事件で、氏名公表による支障はないと判断したと説明しています。起訴時点の職業は無職とされています。地検は公判での認否を明らかにしていません。
8月26日に家裁が逆送 9月4日に殺人などの罪で起訴
高橋被告は殺人容疑で逮捕された後、少年事件として家庭裁判所に送致されました。
横浜家庭裁判所は8月26日付で、刑事処分が相当として事件を横浜地検へ検察官送致、いわゆる「逆送」とする決定を出しました。家裁は犯行について、強い殺意に基づく残忍なものだったとの趣旨で評価しています。
その後、横浜地検が9月4日に高橋被告を起訴しました。
今回の続報で重要なのは、単に19歳の元交際相手が起訴されたことだけではありません。家庭裁判所での少年審判段階から、公開の刑事裁判で刑事責任を問われる段階へ移ったこと、それに伴って氏名が公表されたことです。
なぜ19歳の「高橋颯真被告」と実名で報じられるのか
18歳、19歳は民法上は成人ですが、少年法では現在も「特定少年」として扱われます。
少年法では原則として、少年事件について本人を特定できる氏名や写真などの「推知報道」を禁止しています。ただし特定少年については、家庭裁判所から検察官へ逆送され、正式に起訴された場合、略式手続を除いてその禁止が解除されます。法務省も、公開の刑事裁判で責任を追及される段階になった特定少年については、起訴後に推知報道が可能になると説明しています。
今回、高橋被告は逆送後に起訴されており、横浜地検自身が氏名を公表しました。
週刊TAKAPIでも、これまでの逮捕・家裁送致段階では19歳男性として扱う必要がありましたが、9月4日の起訴と地検による氏名公表を受け、本記事から「高橋颯真被告」と実名で記載します。
殺人だけでなくストーカー行為や脅迫も起訴対象
今回の起訴は殺人だけではありません。
FNNなどによると、高橋被告は佐藤さんとの交際が解消された後の2026年4月から6月にかけ、LINEを通じて復縁を求めたり、家族への危害を示唆したりするメッセージを繰り返したとして、ストーカー行為や脅迫の罪にも問われています。FNNはメッセージの送信を52回、TBSは「50回以上」と報じています。
逮捕後の捜査段階では、高橋被告が佐藤さんを呼び出して復縁を求め、断られたため事件に至ったとの趣旨の供述をしていたことも、捜査関係者への取材として報じられていました。
ただし、これらは捜査段階の供述に関する報道です。起訴後の刑事裁判で高橋被告が起訴事実をどのように認否するのかは、現時点では明らかになっていません。
6月10日夜に外出 母親の110番から捜索
佐藤さんは6月10日夕方、元交際相手に会うことを家族に伝えて座間市の自宅を出た後、帰宅しませんでした。
同日午後11時50分ごろ、母親が「娘が帰宅しない」と110番通報。警察が佐藤さんの携帯電話の位置情報を確認し、相模原市南区下溝の河川敷付近を捜索したところ、11日午前2時ごろ佐藤さんが倒れているのを発見しました。その後、死亡が確認されています。
神奈川県警は11日、高橋被告を殺人容疑で逮捕しました。当時の捜査では、高橋被告は容疑を認めていると報じられていました。
本記事では、起訴事実の詳細な殺害方法については必要以上に記載しません。
県警への事前相談記録はなし それでも「被害が見えていなかった」とは限らない
事件後の取材では、佐藤さんが交際解消後も復縁を求められていたとする知人らの証言が複数報じられています。
一方、県警には事件前に佐藤さんから交際トラブルについて相談を受けた記録はなかったとされています。知人が警察への相談を勧めていたとの証言もありますが、これは関係者への取材で判明した情報であり、今回の起訴事実とは分けて考える必要があります。
「警察への相談がなかった」という事実だけから、被害を回避できたかどうかを事後的に断定することはできません。
むしろ今後検証すべきなのは、交際関係が終わった後のつきまといや脅迫が、本人、家族、学校、友人などの周囲からどのように見えていたのか、また警察などの公的機関へ相談する前の段階で支援につなげる方法があったのかという点です。
今後は裁判員裁判へ 認否と量刑が焦点
殺人罪は裁判員裁判の対象です。
今後の刑事裁判では、検察側が殺人やストーカー行為、脅迫などの起訴事実をどのような証拠で立証するのか、高橋被告がそれぞれの事実をどのように認否するのかが焦点になります。
また、家庭裁判所が逆送決定で示した犯行への評価が、刑事裁判でどのように位置付けられ、量刑判断に反映されるのかも注目されます。
9月4日の起訴は、有罪が確定したことを意味しません。今後、公開の刑事裁判で事実関係と刑事責任が審理されます。
編集部まとめ
今回の大きな更新は、横浜家裁から逆送された19歳の元交際相手が起訴され、横浜地検が**「高橋颯真被告」**と氏名を公表したことです。
殺人に加え、交際解消後のストーカー行為や脅迫も起訴対象となりました。今後は裁判員裁判での認否、事実認定、量刑が焦点となります。
編集部/成田
特記事項
本記事は2026年9月4日の横浜地検による起訴を受けた複数の報道、これまでの捜査報道、法務省が公開している改正少年法の説明を基に構成しています。
高橋颯真被告は事件当時19歳の「特定少年」ですが、少年法では特定少年が家庭裁判所から逆送され、正式起訴された場合、略式手続を除き推知報道の禁止が解除されます。今回は横浜地検も氏名を公表しています。
横浜家裁の逆送については、FNNなどが8月26日付の決定と報じています。一部報道では8月27日とされていますが、本記事では決定日を8月26日として整理しています。
捜査段階の供述、学校関係者や知人の証言は、起訴事実や裁判所による認定とは区別して記載しています。高橋被告について有罪判決は確定していません。
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