名古屋市中区栄で今年7月、マンションから飛び降りた男が歩道を歩いていた23歳の女性に衝突し、女性が死亡した事件で、検察が逮捕・送検された29歳の男について、9月8日から鑑定留置を始める方針であることが分かった
検察は事件当時の精神状態などを調べ、刑事責任能力の有無を判断するものとみられる
男は当時の状況について「覚えていない」などと供述しているという
11階から飛び降り 歩道にいた23歳女性に衝突
重過失致死の疑いで逮捕・送検されているのは、名古屋市中区の職業不詳、田口伸成容疑者(29)
警察などによると、田口容疑者は7月19日午前1時ごろ、中区栄5丁目のマンション11階のベランダから飛び降り、歩道を歩いていた飲食店店員の稲葉朋来さん(当時23)に衝突し、死亡させた疑いが持たれている
稲葉さんは友人と歩いていたところだった
田口容疑者自身も頭や胸などに大けがを負い、一時は意識不明の重体となったが、その後容体が回復した
警察は回復を待ち、8月27日に重過失致死の疑いで逮捕した (愛知のニュース)
警察は、田口容疑者が自ら飛び降りたとみて当時の状況を調べている
「覚えていない」 検察が精神状態を調べるへ
捜査関係者への取材では、検察は9月8日から田口容疑者を鑑定留置し、事件当時の精神状態などについて専門家による鑑定を行う見通し。
田口容疑者は事件当時について「覚えていない」などと話しているという。
鑑定留置は、刑事事件の容疑者について、犯行当時の精神状態や刑事責任能力などを専門的に調べるため、一定期間身柄を留置して精神鑑定を行う手続きだ。
今回の鑑定結果などを踏まえ、検察が今後、刑事責任を問える状態だったかなどを判断するとみられる。
鑑定留置が行われること自体が、刑事責任能力の有無について結論が出たことを意味するものではない。
遺族は「過失で終わったら納得がいかない」
事件をめぐっては、稲葉さんの遺族も声を上げている
8月28日、遺族は取材に対し、今回の出来事を単なる不幸な事故として受け止めることはできないとの思いを明らかにし、重過失致死という容疑についても「過失で終わったら到底納得がいかない」と訴えている。
また9月7日には、遺族が田口容疑者との3回目の接見に臨んだ。
父親は、飛び降りた際に歩道にいた娘らが見えていたのではないかとの疑問を持っており、その点を思い出してほしいという趣旨の質問を繰り返したと説明している (名古屋テレビ【メ~テレ】)
一方、現段階で田口容疑者に殺意があったと司法機関が認定した事実は確認されていない
警察が逮捕した容疑は重過失致死であり、今後の捜査や鑑定、検察の判断を待つ必要がある
争点となる「刑事責任能力」
今回の鑑定留置で焦点となるのが、田口容疑者が飛び降りた当時、自らの行為やその結果をどの程度認識し、行動を制御できる精神状態だったのかという点だ
23歳の女性が、夜の歩道を友人と歩いていただけで突然命を奪われた今回の事件
飛び降りに至った経緯、歩道の状況をどこまで認識していたのか、そして刑事責任をどこまで問えるのか
事件は、鑑定留置という新たな段階に入る
週刊TAKAPIは今後も、検察の処分や捜査の進展を確認していく
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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