【愛知•豊橋】80歳が親子三代で手筒花火へ 羽田祭で松井研さん「最高齢目指す」

豊橋三大祭の一つに数えられる「羽田祭」が、2026年10月3日と4日に豊橋市で開かれる。

羽田八幡宮の近くに暮らす松井研さん(80)は、今年も息子、孫との親子三代で手筒花火を奉納する予定だ。約60年にわたって放揚を続けてきた松井さんは、最高齢記録の更新を目指しながら、地域の伝統を次の世代へつなごうとしている。


羽田祭で親子三代の手筒花火 80歳の松井研さんが挑む

松井さんが手筒花火を始めたのは、東京都内の大学に通っていた20代の頃だった。

帰省した際、責任者がいなかった地元青年会から頼まれ、青年会長を務めたことが最初のきっかけだったという。その後、幼い頃から親しんできた羽田祭で、半世紀以上にわたり手筒花火を揚げ続けてきた。

数年前には、息子、孫とともに、町内で初めてとなる親子三代そろっての神前放揚を実現。今年も三代同時の放揚を目指して準備を進める。

年齢に合わせて使用する竹を以前より細くするなど、無理を避けながら伝統と向き合っている。


約60年間続けた手筒花火 危険と隣り合わせの経験も

手筒花火は、揚げ手が竹筒を抱え、噴き上がる炎と大量の火の粉を全身で受け止める勇壮な奉納行事だ。

松井さんは20代の頃、松葉公園で並んで放揚していた参加者の手筒が相次いで暴発する事故を経験した。自身の手筒も火が正常に噴き出さない危険な状態になったが、最終的には炎が上がり、無事に揚げ切ったという。

この経験は、手筒花火が勇気だけで成り立つものではなく、火薬の扱いや筒の製作、後見役との連携など、厳格な安全管理を必要とする伝統であることを示している。

長く続けるためには、経験者が技術だけでなく、危険性についても若い世代へ伝えていくことが欠かせない。


奉納者は45人 外部協力なしでは維持が難しい現実

松井さんが気に掛けているのが、豊橋市の旧市街地で進む少子高齢化と空き家の増加だ。

東愛知新聞によると、現在の羽田町の奉納者は45人。町外からの協力者や消防団の力も借りながら、祭りを維持しているという。

かつては地域の若者が自然に担ってきた祭りも、人口構成や働き方、居住環境の変化によって、同じ方法では続けにくくなっている。羽田祭も例外ではない。

80歳の松井さんが今なお現役で放揚を続ける姿は、驚異的な記録として注目される。一方で、その背後には、ベテランの経験に支えられている地域行事の現状も見える。


【編集部の考察】親子三代の放揚が示す「継承の形」

祭りを守るうえで重要なのは、単に参加人数を確保することだけではない。

手筒花火には、竹の選定や節抜き、縄巻き、火薬の仕込み、安全確認など、地域の中で受け継がれてきた知識がある。担い手が減れば、目に見える放揚だけでなく、その前段階にある技術も失われかねない。

松井さん一家の親子三代放揚は、家庭と地域の双方で伝統が受け継がれている象徴的な光景といえる。

ただし、伝統の維持を一部の家族や高齢者の責任だけにしてはならない。若い世代や町外の参加者が入りやすい仕組みを整え、安全教育を体系化することも今後の課題になる。

「祭りだけは人を集め、途切れさせずに続けたい」という松井さんの思いは、羽田祭だけでなく、担い手不足に直面する全国の地域行事にも共通する問いを投げかけている。


2026年の羽田祭は10月3日・4日に開催予定

2026年の羽田祭は、10月3日(土)と4日(日)に開催される予定だ。

愛知県公式観光サイトによると、手筒花火は2日間で約800本が奉納される。会場は羽田八幡宮境内と、御旅所となる松葉公園。ほの国東三河観光ビューローでは、10月3日の羽田八幡宮例大祭を午後4時からと案内している。

開催内容や交通規制、放揚時間は変更される可能性があるため、来場前に主催者や公式観光情報で最新情報を確認してほしい。


Q羽田祭は豊橋駅から歩いて行けますか?
A羽田八幡宮は豊橋駅西口から徒歩約8分と案内されています。松葉公園も豊橋駅東口から徒歩圏内です。
Q手筒花火の観覧時に注意することはありますか?
A火の粉や煙が広がる場合があります。係員の指示や立入規制に従い、放揚場所へ不用意に近づかないことが重要です。風向きによっては灰が付着する可能性もあるため、服装にも注意が必要です。
Q雨が降った場合も開催されますか?
A天候や会場の安全状況によって内容が変更される可能性があります。当日は主催者や観光案内の最新発表を確認してください。

※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

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週刊TAKAPI編集部:黒木

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