【独自検証・愛知豊橋】「35件」だけでは見えない性犯罪 不同意性交等14件・不同意わいせつ21件、盗撮未遂は別区分

豊橋警察署の2026年1~8月の不同意性交等14件、不同意わいせつ21件の計35件と、盗撮などが別の法令・統計区分で扱われることを検証する週刊TAKAPIの報道コラムアイキャッチ

愛知県警が公表した2026年1~8月の犯罪統計によると、豊橋警察署が認知した不同意性交等は14件、不同意わいせつは21件だった。計35件で、豊橋署の重要犯罪認知45件の約78%を占める。

ただし、この35件を「豊橋で警察が扱った性的な事件の総数」と捉えるのは正確ではない。

9月8日には、豊橋市内の駅階段で女性のスカート内を携帯電話で撮影しようとしたとして、30歳の男が性的姿態撮影等処罰法違反未遂などの疑いで逮捕された。

この事件は1~8月の統計期間外であることに加え、不同意性交等や不同意わいせつとは別の法令区分で扱われる。

週刊TAKAPIは、犯罪統計と直近の個別事件を組み合わせ、「35件」という数字が示す範囲と、その数字だけでは見えない性的な事件について改めて検証した。

豊橋署の重要犯罪45件 35件が2つの性犯罪

2026年1~8月、豊橋署の重要犯罪認知件数は45件だった。

このうち、不同意性交等が14件、不同意わいせつが21件。合わせて35件となり、重要犯罪全体の約78%を占める。

検挙状況は、不同意性交等が8件・8人、不同意わいせつが13件・11人となっている。

ただし、認知件数と検挙件数は単純には対応しない。

以前に認知した事件を今回の集計期間中に検挙する場合などもあるため、「35件のうち何件が解決した」とそのまま計算することはできない。

「35件=豊橋の性的事件すべて」ではない

今回の統計を読むうえで最も重要なのが、この35件の範囲だ。

35件は、不同意性交等と不同意わいせつの認知件数を合計した数字である。

一方、性的姿態撮影等処罰法違反や、迷惑防止条例違反など、性的な行為に関係していても別の法令・統計区分で扱われる事件がある。

つまり、

不同意性交等14件
不同意わいせつ21件
合計35件

という数字だけでは、豊橋署管内で扱われた性的な事件全体を把握することはできない。

9月8日には駅階段で撮影未遂

この違いを具体的に示すのが、9月8日に豊橋市内の駅で発生した事件だ。

警察によると、30歳の男は駅の階段で、女性のスカート内に携帯電話を向けて性的姿態を撮影しようとした疑いが持たれている。

男は性的姿態撮影等処罰法違反未遂などの疑いで逮捕された。

県警は具体的な駅名や被害女性の年齢、男の氏名、職業、認否などを公表していない。

この事件は9月発生のため、そもそも1~8月の35件には含まれない。

さらに、適用されている容疑も不同意性交等・不同意わいせつとは異なる。

同じ期間でも盗撮などは別区分

重要なのは、期間だけの問題ではない。

仮に同様の撮影事件が1~8月に発生していたとしても、不同意性交等や不同意わいせつとして認知されなければ、この35件には含まれない。

警察統計は犯罪類型ごとに区分されているため、「性犯罪は何件あるのか」という問いは、どこまでを対象にするかによって数字が変わる。

地域の状況を見る際には、まず「何を数えた数字なのか」を確認する必要がある。

愛知県全体では648件 前年同期比20.7%増

愛知県全体では、2026年1~8月に認知された不同意性交等と不同意わいせつは計648件だった。

前年同期の537件から111件増え、20.7%増加している。

内訳は、不同意性交等が236件、不同意わいせつが412件。

不同意性交等は前年同期比24.9%増、不同意わいせつは18.4%増となった。

ただし、この増加だけをもって、特定の原因や地域の危険度を断定することはできない。

「認知件数」は発生件数そのものではない

犯罪統計の「認知件数」は、警察が犯罪として認知した件数を示す。

事件の発生日と、被害申告などを通じて警察が認知した時期が異なる場合もある。

そのため、

「2026年1~8月に豊橋で35件の性犯罪が発生した」

とそのまま言い換えるのは正確ではない。

あくまで、豊橋署がこの期間に不同意性交等14件、不同意わいせつ21件を認知したという数字だ。

統計と個別事件を分けて見る

豊橋署の35件は、地域の状況を知るうえで重要な数字だ。

一方で、9月8日の駅階段での撮影未遂事件のように、同じ性的被害に関係する事件でも別の法令で扱われるケースがある。

統計だけを見れば、こうした事件は見えにくい。

逆に個別事件だけを追えば、地域全体でどの程度の犯罪が警察に認知されているのかは分からない。

豊橋の状況を正確に見るには、犯罪統計と個別事件を混同せず、それぞれを継続して追う必要がある。

編集部まとめ

豊橋署が2026年1~8月に認知した不同意性交等は14件、不同意わいせつは21件で、計35件だった。

しかし、この35件は豊橋署管内の性的な事件すべてを示す数字ではない。

9月8日の駅階段での撮影未遂事件は、期間外であるだけでなく、性的姿態撮影等処罰法違反未遂など別の法令区分で扱われている。

数字を見る際に重要なのは、件数だけではない。

その数字に何が含まれ、何が含まれていないのかまで確認して初めて、地域の状況をより正確に把握できる。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

本記事は、愛知県警が公表した2026年1~8月の犯罪統計と、9月8日に豊橋市内の駅階段で発生した性的姿態撮影等処罰法違反未遂などの逮捕事案を組み合わせ、週刊TAKAPIが独自に再検証した報道コラムです。

豊橋署の35件は、不同意性交等14件と不同意わいせつ21件の合計であり、性的姿態撮影等処罰法違反や迷惑防止条例違反などを含む性的な事件全体の件数ではありません。

また、認知件数はその期間中に発生した事件数と完全に一致するものではありません。本記事では統計数字のみから地域の危険度や犯罪増加の原因を断定していません。

Q豊橋署の性犯罪認知件数は何件ですか?
A2026年1~8月の不同意性交等が14件、不同意わいせつが21件で、計35件です。
Q35件は豊橋署管内の性的事件すべてですか?
Aいいえ。35件は不同意性交等と不同意わいせつの合計で、性的姿態撮影等処罰法違反など別区分の事件は含みません。
Q豊橋市内の駅で撮影未遂事件はありましたか?
A9月8日、駅階段で女性のスカート内を携帯電話で撮影しようとした疑いで、30歳の男が逮捕されています。
Q9月8日の事件は35件に含まれますか?
A含まれません。1~8月の集計期間外であるうえ、適用されている容疑も不同意性交等・不同意わいせつとは異なります。
Q愛知県全体では性犯罪は増えていますか?
A不同意性交等と不同意わいせつの認知件数は2026年1~8月で計648件となり、前年同期比20.7%増えています。

情報提供募集

豊橋市・東三河で発生した性犯罪、盗撮、不審な撮影行為について、公表可能な情報や目撃情報をお持ちの方は、メール(info@108takapi.jp)、各種SNSのDM、または公式LINEまでお寄せください。

被害者の氏名、住所、学校・勤務先、撮影物そのものなど、被害者の特定や二次被害につながる情報は掲載せず、内容を確認したうえで取材・報道に活用します。

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