愛知県田原市で9月10日夜から11日朝にかけ、農業用ビニールハウスへ電気を送る銅線ケーブルの盗難が相次ぎ、警察への通報が約30件に上っていたことが分かった。
捜査関係者への取材に基づく報道では、被害の大半は田原市特産の電照菊を栽培する農家とみられている。
警察は窃盗事件として調べているが、約30件という数字は現時点での通報数で、被害農家が30戸と確定したわけではない。一連の被害がすべて同一犯によるものかどうかも明らかになっていない。
ビニールハウスへの送電用銅線を狙ったか
農家からは「ケーブルが盗まれた」などの通報が相次いだ。
盗難対象となったとみられるのは、農業用ビニールハウスへ電気を供給する銅線ケーブル。ケーブルが切断され、持ち去られたとみられる被害が確認されている。
具体的な被害農家数、盗まれたケーブルの総延長、被害総額、犯人の人数や侵入方法などは現時点で確認されていない。
盗まれた銅線がその後どこへ運ばれたのか、転売されたのかについても明らかになっていない。
電照停止で開花管理に影響する可能性
田原市で盛んな電照菊栽培では、夜間照明が生産工程の一部を担っている。
菊は日照時間が短くなると花芽を形成する「短日植物」で、夜間に照明を当てることで開花時期を調整し、計画的な出荷につなげている。
このため、送電設備が長時間使用できない場合、復旧までの期間や菊の生育段階によっては、開花管理に影響する可能性がある。
一方、今回の盗難によって実際に出荷時期がずれたのか、収穫量が減ったのか、出荷できなくなった農家があるのかなど、具体的な農作物被害は確認されていない。
田原市は全国有数の菊産地 輪菊出荷量は全国1位
田原市は全国有数の花き産地で、菊の生産も盛んだ。
市の資料によると、輪菊は昭和20年代から栽培が始まり、現在は施設を活用した周年栽培が定着している。
2023年産の輪菊出荷量は22万6258千本、約2億2625万8000本で全国1位。田原市は輪菊を「日本一の生産地」と位置付けている。
今回被害が相次いだとみられる「電照菊」は栽培方法に着目した呼び方で、「輪菊」は菊の種類・仕立て方に関する区分となるため、両者は同じ意味ではない。
ただ、夜間照明を利用する電照栽培は、田原市の菊生産を支える技術の一つであり、送電ケーブルはその設備を維持するためのインフラとなる。
警察が窃盗事件として捜査
現時点で確認されているのは、田原市内で10日夜から11日朝にかけて銅線ケーブルの盗難通報が相次ぎ、約30件に上ったこと、被害の大半が電照菊農家とみられていることまでだ。
具体的な対象地区や総被害額、犯行に使われた車両、犯人の人数などは明らかになっていない。
警察が窃盗事件として詳しい状況を調べている。
編集部まとめ
田原市で農業用ビニールハウスの銅線ケーブル盗難が相次ぎ、9月10日夜から11日朝にかけて警察への通報が約30件に上った。被害の大半は電照菊農家とみられている。
電照設備は菊の開花時期を調整する生産設備の一部となる。現時点で農作物への具体的な実害は確認されておらず、被害農家数や総額とともに今後の捜査でどこまで明らかになるかが焦点となる。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本記事は9月12日までに確認された捜査関係者への取材に基づく報道と、田原市・愛知県の公表資料をもとに構成しています。「約30件」は警察への通報数で、30農家の被害や同一犯による30件の犯行が確定したものではありません。農作物への具体的な実害、被疑者の人数・属性、犯行目的、転売先などは確認されていません。
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