【個人情報流出】コープやまぐちで約21万7000件が対象 LINEミニアプリに不正アクセス、データベース全削除

生活協同組合コープやまぐちは、運営する「コープやまぐちLINEミニアプリ」のデータベースが第三者による不正アクセスを受け、延べ21万7295件の個人情報が外部へ流出した可能性があると発表した。

対象にはLINEミニアプリの利用者だけでなく、ミニアプリを利用していない組合員の情報も含まれる。氏名、電話番号、郵便番号のほか、一部には「ここカード」の番号やPIN番号、住所、メールアドレスも含まれていた。

コープやまぐちは、現時点で情報が実際に持ち出された事実や二次被害は確認していないとしている。ただし、流出の可能性を完全には否定できず、利用者に不審な電話やメールへの警戒を呼びかけている。


コープやまぐちのLINEミニアプリで何が起きたのか

不正アクセスが発生したのは2026年8月27日。第三者がLINEミニアプリのデータベースへ不正に接続し、保存されていたすべてのデータを削除した。

同システムは、コープやまぐちが開発・運用を外部事業者へ委託していた。

コープやまぐちは異常を確認した後、外部からのアクセスを遮断。同日中にバックアップからデータを復元し、必要なセキュリティー対策を実施した上でサービスを再開した。

しかし、第三者がデータを削除する前に、個人情報を閲覧したり外部へ持ち出したりしたかどうかは、現時点で確定していない。外部の専門家とともに調査を続けている。


流出した恐れのある個人情報は延べ21万7295件

コープやまぐちが9月7日に公表した第二報によると、対象件数と情報項目は次の通り。

電子マネー機能付き「ここカード」を持っていない組合員

対象件数:6万9586件

含まれる可能性がある情報は、組合員コード、名字、電話番号、郵便番号。

電子マネー機能付き「ここカード」を持つ組合員

対象件数:14万3126件

組合員コード、名字、電話番号、郵便番号に加え、ここカード番号とPIN番号が対象となった。

コープやまぐちは、カード番号とPIN番号だけでは電子マネー残高の照会や支払いはできず、現時点で不正利用も確認されていないと説明している。

不安を感じる利用者には、店舗でカードの無料再発行を受け付ける。電子マネー残高は新しいカードへ引き継がれ、発行には約1週間かかるという。


商品の予約者や贈答品の届け先

組合員登録をしていない商品購入者や、贈答品の届け先として登録された人など、365件が対象となった。

含まれる可能性がある情報は、氏名、電話番号、郵便番号、住所、メールアドレス。注文内容によって対象項目は異なる。

また、組合員のうち、ギフト商品や店頭受け取り商品を申し込んだ一部の利用者についても、通常の登録情報に加えて氏名、住所、メールアドレスが対象になっている。

アンケートやプレゼント企画の応募者

コープやまぐちのアンケート、プレゼント、各種ウェブフォームへ回答・登録した4218件も対象となった。

氏名やニックネーム、住所、電話番号、メールアドレス、組合員コードなどが含まれる可能性がある。

なお、クレジットカード情報、金融機関の口座情報、各種ログインパスワード、要配慮個人情報は含まれていないとしている。


LINEミニアプリを使っていない組合員も対象

今回、特に注意が必要なのは、LINEミニアプリの利用者だけに限られた問題ではない点だ。

不正アクセスを受けたデータベースには、ミニアプリの利用情報だけでなく、コープやまぐちが保有する組合員情報の一部も保存されていた。このため、LINEミニアプリを一度も使ったことがない組合員も対象となっている。

利用者側から見れば「LINEを使っていないから関係ない」とは判断できない。コープやまぐちから届く個別通知を確認する必要がある。


不審な電話やSMSに注意 組合員コードを知られている可能性

コープやまぐちは、流出した可能性のある情報を使い、職員を装った人物が電話やメール、SMS、郵便、訪問などで接触してくる恐れがあると注意を促している。

名字や組合員コード、住所などを正確に告げられても、それだけで本物の職員と判断してはいけない。

コープやまぐちは、電話やメールなどで次の情報を尋ねることはないとしている。

  • 金融機関の口座番号
  • キャッシュカードの暗証番号
  • 各種パスワード
  • クレジットカード番号
  • ここカード番号、PIN番号

ATMの操作、現金や電子マネーの送金を依頼したり、職員が自宅を訪問して通帳やキャッシュカードを預かったりすることもない。

不審な連絡を受けた場合はその場で対応せず、いったん電話を切り、公式サイトに掲載された窓口へ確認することが重要だ。


対象者には宅配便や郵便、メールで個別通知

対象者への通知は順次行われる。

宅配サービス「宅配ここくる」の利用者には、9月14日から18日に配達便で案内を届ける。一部は郵送となる場合がある。

宅配を利用していない人には、9月24日ごろに郵便を発送する予定。アンケートやプレゼント企画などでメールアドレスを登録した人には、メールで知らせる。

問い合わせは、コープやまぐち問合せセンター(0120-49-5657)で受け付ける。受付時間は平日午前8時30分から午後8時まで、土曜日は午前9時から午後5時まで。


個人情報保護委員会へ報告、警察にも被害届

コープやまぐちは、個人情報保護委員会へ事案を報告するとともに、所轄警察署へ相談し、被害を届け出た。

不正アクセスを確認した後、外部接続の遮断や認証情報の変更などの緊急対策を実施した。一方、具体的な侵入経路や原因については、まだ公表されていない。

今後は外部の専門家やシステムの委託先と調査を進め、アクセス制御と監視体制を強化するとしている。


【編集部の考察】問われる「なぜミニアプリのデータベースに組合員情報があったのか」

今回の問題は、外部から不正アクセスを受けたことだけではない。

LINEミニアプリを利用していない人を含む多数の組合員情報が、なぜミニアプリに関連するデータベースへ保存されていたのか。必要な情報だけを保管する「データの最小化」が適切だったのか、検証が必要だ。

さらに、第三者がデータベース内の全データを削除できたことを踏まえれば、アクセス権限の設定、認証方式、通信記録の監視、バックアップの分離などが十分だったのかも焦点となる。

システムを外部事業者へ委託していたとしても、組合員から情報を預かった主体としての責任はコープやまぐちにある。今後の説明では、単に「再発防止に努める」とするだけでなく、侵入経路、攻撃を許した原因、委託先の管理状況、流出の有無を判断する根拠まで具体的に示せるかが問われる。


Qコープやまぐちを名乗る電話が来た場合、どこで確認すればいいですか?
A電話の相手が伝えた番号へ折り返さず、コープやまぐち公式サイトで問合せセンターの番号を確認してください。発信者番号は偽装される場合もあります。
Q不審なSMSのリンクを押してしまった場合はどうすればいいですか?
Aリンク先で個人情報を入力していなければ、ページを閉じ、端末のOSやセキュリティー機能を最新の状態にしてください。パスワードなどを入力した場合は、同じパスワードを使っているサービスも含めて直ちに変更する必要があります。
Q今回を口実にした詐欺はどのような言葉を使う可能性がありますか?
A「カードの交換が必要」「返金する」「本人確認をする」「被害補償を受けられる」などと説明し、暗証番号や口座情報を聞き出す手口が考えられます。正確な氏名や住所を示されても信用しないことが重要です。

※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

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週刊TAKAPI編集部:黒木

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