埼玉県越谷市は、市立学校に勤務する教員が私物のパソコンを使用中、「サポート詐欺」の被害に遭い、接続していたUSBメモリー内の児童生徒の個人情報が外部へ漏えいした恐れがあると発表しました。
教員は相手の指示に従って遠隔操作ツールを実行。その後、銀行へ連絡したことで詐欺被害だと分かりました。
USBメモリーには児童生徒の氏名や住所などが保存されていました。越谷市によると、現時点で個人情報が実際に外部へ流出した事実や、情報の不正利用などの二次被害は確認されていません。
越谷市立学校の教員が私物パソコンでサポート詐欺被害
越谷市が2026年9月11日に発表した内容によると、市立学校に所属する教員が私物パソコンで私的な操作をしていた際、サポート詐欺の被害に遭いました。
サポート詐欺は、パソコンの画面に「ウイルスに感染した」「セキュリティ上の問題が発生した」などの偽警告を表示し、利用者を偽のサポート窓口へ電話させる手口です。
今回、教員は相手の指示を受けて遠隔操作ツールを実行しました。パソコンには、児童生徒の個人情報を保存したUSBメモリーが接続されていたため、遠隔操作した第三者が内部の情報を閲覧または取得した可能性を否定できない状態になりました。
USBメモリーに児童生徒の氏名や住所を保存
接続されていたUSBメモリーには、児童生徒の氏名や住所などの情報が保管されていました。
ただし、公表時点では、対象となる児童生徒の人数や学校名、USBメモリー内に保存されていた情報の詳しい範囲について、確認できる情報は限られています。
また、情報を実際に閲覧・褑製されたことを示す事実は確認されていません。このため現段階では「個人情報が漏えいした」と断定できず、あくまで漏えいした恐れがある事案として扱う必要があります。
銀行への連絡でサポート詐欺と発覚
教員は遠隔操作ツールを実行した後、銀行へ連絡したことで、相手の案内が詐欺だったと判明しました。
サポート詐欺では、パソコンを遠隔操作できる状態にしたうえで、ネットバンキングの画面を開かせたり、「返金手続き」などと偽って送金操作を誘導したりする事例があります。
今回、金銭的な被害が発生したかどうかについては、確認できる公表内容の範囲では明らかになっていません。
問題は詐欺被害だけではない なぜ個人情報が私物パソコンにつながっていたのか
今回の事案では、教員がサポート詐欺に遭ったことに加え、児童生徒の個人情報を保存したUSBメモリーが、インターネットに接続した私物パソコンにつながれていた点も問われます。
詐欺の手口が巧妙化しているとしても、児童生徒の氏名や住所を含むデータが私物端末からアクセスできる状態であれば、個人の注意力だけに依存した情報管理には限界があります。
検証すべきなのは、次の点です。
- USBメモリーの校外持ち出しは許可されていたのか
- 私物パソコンへの接続は市や学校の規程で認められていたのか
- USBメモリーや保存ファイルは暗号化されていたのか
- 対象となる児童生徒の人数と情報項目はどこまでか
- 遠隔操作中にファイルが開かれたり転送されたりした記録はないか
- 同様の管理方法がほかの学校でも行われていないか
単に教員個人へ注意を促すだけでなく、個人情報を保存した外部記録媒体を私物端末へ接続できない運用や、USBメモリー自体を原則使用しない仕組みも検討する必要があります。
【編集部の考察】研修だけで防ぐには限界 システム側の対策が必要
サポート詐欺への注意喚起や教職員研修は必要です。しかし、偽警告を見抜けるかどうかを職員個人の判断だけに委ねれば、同様の事故が繰り返される恐れがあります。
児童生徒の情報を守るには、遠隔操作ソフトの実行制限、許可された端末以外でのUSB利用禁止、外部記録媒体の暗号化、持ち出し履歴の記録など、技術面と管理面の両方から対策を講じる必要があります。
特に氏名と住所の組み合わせは、なりすましや標的型の詐欺、児童生徒の生活圏を推測する情報として悪用される可能性があります。外部流出が確認されていない段階でも、市と教育委員会には対象者への説明と継続的な調査が求められます。
サポート詐欺の警告画面が表示されたらどうする?
偽の警告画面が表示されても、画面内の電話番号には連絡せず、相手から遠隔操作ツールの導入を求められても実行しないことが重要です。
警告画面が閉じられない場合は、ブラウザーを強制終了するか、端末の電源を切り、学校や勤務先の情報管理担当者、警察、消費生活センターなどへ相談してください。
すでに遠隔操作を許可してしまった場合は、速やかにネットワーク接続を切り、別の安全な端末からネットバンキングやメールなどのパスワードを変更する必要があります。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
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週刊TAKAPI編集部:黒木
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