【検証】広島県警で不祥事相次ぐ 飲酒運転3件、盗撮未遂、詐欺、部下への暴行…2026年の処分を追う

広島県警で2026年、警察官や職員による不祥事が相次いでいる。

特に目立つのが飲酒運転だ。短期間に警察職員による飲酒運転が3件発生し、懲戒免職者も相次いだ。このほか、盗撮未遂、詐欺をめぐる問題、部下への暴行、性犯罪事件の被害者情報をめぐる問題も明らかになっている。

市民に法令順守を求め、飲酒運転や性犯罪を取り締まる警察組織で、なぜ不祥事が繰り返されているのか。

週刊TAKAPIが2026年に表面化した主な事案を整理した。

酒酔い運転で2人を懲戒免職

広島県警は、府中署の男性巡査(27)と県警本部交通指導課の会計年度任用職員(66)を懲戒免職とした。

男性巡査は7月、酒に酔った状態で車を運転し、電柱に衝突する事故を起こしたとされる。

一方、会計年度任用職員は8月、酒酔い運転で脱輪事故を起こしたとして逮捕・起訴された。

県警監察官室の説明では、職員は購入した缶チューハイを運転しながら飲んでいたという。

交通違反を取り締まり、飲酒運転の危険性を市民に訴える警察組織の職員自身が飲酒運転に及んだ形だ。

8月にも25歳巡査長を懲戒免職

飲酒運転をめぐる問題は、この2件だけではない。

県警は8月6日、酒気帯び状態で車を運転したとして、25歳の巡査長を懲戒免職とした。

巡査長は尾道市の高速道路料金所に衝突した疑いがあり、呼気からは基準値の5倍を超えるアルコールが検出されたとされる。

これで警察職員による飲酒運転は短期間に3件となった。

相次ぐ事態を受け、県警は緊急の幹部会議を開催するなど再発防止に乗り出した。

問題は、個々の職員の問題として片付けられるのかという点だ。

飲酒運転防止の指導を受ける側ではなく、市民に交通法規の順守を求める側で立て続けに発生している以上、組織としての規律や再発防止策の実効性も問われる。

性犯罪事件の被害女性の氏名が被告側へ

6月には、被害者情報の取り扱いをめぐる問題も明らかになった。

電車内で10代女性2人の体を触ったとして起訴された県警科学捜査研究所の管理官(59)に対し、別の県警職員が被害女性2人の氏名が記載された文書を渡していたことが判明した。

県警は文書を回収し、被害者側に謝罪した。

管理官は起訴内容を否認している。

性犯罪事件では、被害者の個人情報を適切に保護することが極めて重要だ。捜査機関内部から被害者の氏名が被告側に渡ったとすれば、被害者の安心や警察への信頼にも関わる。

廿日市署巡査は盗撮未遂

4月には、廿日市署の男性巡査が女性を盗撮しようとしたとして減給3カ月の懲戒処分を受けた。

巡査は女性の後ろからスマートフォンをスカート内に差し入れ、撮影しようとしたとされる。

巡査は「酒に酔って自制心が効かなくなった」などと説明したとされている。

ここでも「酒」が登場する。

飲酒運転とは事案の性質が異なるものの、飲酒後の職員による非違行為という共通点は見逃せない。

約6万円の詐取で減給、依願退職

5月には、県警本部に勤務していた40代の男性巡査部長が、関係者から現金6万320円をだまし取ったなどとして、減給10分の1、3カ月の懲戒処分を受けたことが判明した。

巡査部長はその後、依願退職した。

県警は詐欺・詐欺未遂容疑で調べたものの、被害届が提出されていないことなどから事件送致を見送ったとされる。

金額の大小ではなく、犯罪を捜査する立場にある警察官に金銭をめぐる不正が認定されたこと自体が重い。

警部補が部下に暴行 罰金20万円

さらに4月、男性警部補(47)が複数の男性部下に不適切な言動や暴行をした問題では、減給3カ月の懲戒処分と書類送検を経て、暴行罪で罰金20万円の略式命令を受けた。

部下に対し「お前使えんの」などと発言したほか、頬を殴る行為などがあったとされる。

警察組織内部のハラスメントや暴力をどう防止するのかという問題も浮かび上がる。

「個人の問題」で終わらせていいのか

一つ一つの事案だけを見れば、行為者も所属部署も内容も異なる。

しかし、2026年に表面化した事案を並べると、飲酒運転、盗撮未遂、金銭をめぐる不正、部下への暴行、被害者情報の取り扱いなど、警察組織への信頼に直結する問題が続いている。

とりわけ飲酒運転が短期間に3件発生したことは重い。

広島県警が再発防止策を講じてもなお同種事案が繰り返されるのであれば、「職員個人の自覚」の問題だけではなく、指導・監督や組織風土、再発防止策そのものが機能しているのかを検証する必要がある。

市民を取り締まる警察には、市民以上に高い規律が求められる。

不祥事が発覚するたびに処分して終わるのではなく、なぜ繰り返されたのか。そして対策後に実際に何が変わったのか。

今後はそこまで追い続ける必要がある。

広島県警で何が起きている?

Q2026年、広島県警ではどんな不祥事が起きた?
A警察職員による飲酒運転3件のほか、盗撮未遂、金銭をめぐる不正、部下への暴行、性犯罪事件の被害者情報をめぐる問題などが相次いで表面化しています。
Q飲酒運転では何人が処分された?
A短期間に3件が発生し、懲戒免職となった職員も相次いでいます。県警は緊急幹部会議を開くなど再発防止に乗り出しました。
Qなぜ「組織的な問題」が焦点になる?
A同じ組織内で飲酒運転などの非違行為が短期間に繰り返されているためです。個人への処分だけでなく、指導・監督や再発防止策が実際に機能していたのかが問われます。

編集部まとめ

広島県警で2026年に表面化した不祥事を見ると、単純に「一人の警察官が問題を起こした」という説明だけでは捉えにくくなっている。

特に飲酒運転は、市民に「飲んだら乗るな」と呼びかけ、取り締まる警察自身の問題である。

処分の重さだけを追うのではなく、最初の事案を受けて何を改善し、その後なぜ再発したのか。

週刊TAKAPIでは、広島県警の再発防止策とその実効性についても引き続き検証する。

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