岐阜県の基準地価、商業地は3年連続上昇 訪日客でにぎわう高山市中心部が牽引

岐阜県内の2026年基準地価は、商業地の平均変動率が前年比プラス0.8%となり、3年連続で上昇した。住宅地はマイナス0.7%と下落が続いたものの、前年より下落幅は縮小した。

商業地の上昇を牽引したのは、訪日外国人旅行者でにぎわう高山市中心部だ。「古い町並み」で知られる上三之町の調査地点は、県内商業地の上昇率で3年連続トップとなった。


岐阜県の商業地はプラス0.8%

基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を調べ、公表するもの。一般の土地取引や不動産鑑定の目安として使われる。

2026年の岐阜県内における主な用途別の平均変動率は、次の通り。

全用途:マイナス0.2%

住宅地:マイナス0.7%

商業地:プラス0.8%

工業地:プラス1.3%

全用途と住宅地は依然としてマイナスだが、いずれも前年より下落幅が縮まった。商業地は3年連続、工業地は5年連続の上昇となった。


高山市上三之町が3年連続で県内トップ

県内で特に高い伸びを示したのが、高山市上三之町の商業地だ。

上三之町は、江戸時代からの町家が残る「古い町並み」の中心にあり、飲食店や土産物店が軒を連ねる。国内客に加え、欧米やアジアなどから訪れる外国人旅行者も多い。

この地点は、2024年の基準地価が1平方メートル当たり38万5000円、2025年は49万3000円だった。2025年の上昇率は28.1%に達しており、観光需要の強さが土地価格にも表れている。

2026年も県内商業地の上昇率トップを維持した。宿泊施設や飲食店、物販店向けの土地需要が、高山市中心部の地価を押し上げたとみられる。


観光地とそれ以外で地価の差が広がる

商業地が県平均で上昇する一方、住宅地はマイナス0.7%だった。

岐阜市周辺など交通や生活の利便性が高い地域では住宅需要が比較的安定しているが、人口減少が続く郊外や中山間地域では土地需要が弱い。高山市でも、観光客が集中する中心部と、それ以外の地域では状況が異なる。

県内商業地の上昇を、そのまま岐阜県全体の地価回復と捉えることはできない。今回の結果から見えるのは、訪日客が集まる観光地や利便性の高い地域に需要が集中する姿だ。


地価上昇は地域に何をもたらすのか

高山市中心部の地価上昇は、観光地としての評価や出店意欲の高さを示している。新たな店舗や宿泊施設の進出につながれば、雇用や地域消費への効果も期待できる。

ただ、土地価格の上昇は、賃料や物件取得費、固定資産税評価への影響を通じて、既存の店舗や住民の負担を重くする可能性もある。

観光客向けの店舗が増える一方で、地域住民が利用する店や住宅が減れば、古い町並みは残っても、そこで営まれてきた暮らしが薄れていく。高山市に求められるのは、観光投資を呼び込みながら、地元の店や住民が中心部に残れる環境をどう守るかという視点だろう。

県内の地価は、観光地や都市部、工業地で上向く一方、住宅地全体では下落が続く。2026年の調査結果は、回復という一言ではくくれない岐阜県内の地域差を改めて浮かび上がらせた。


基準地価と公示地価の違いは?

基準地価は都道府県が調査し、毎年7月1日時点の価格を公表する。公示地価は国が調査し、毎年1月1日時点の価格を公表する。調査地点は一部重なるが、調査主体と基準日が異なる。

地価が上がると固定資産税もすぐに上がる?

基準地価の上昇率が、そのまま固定資産税に反映されるわけではない。固定資産税は固定資産税評価額を基に計算され、評価替えや負担調整措置もある。

高山市中心部の地価は今後も上がる?

訪日客や宿泊需要が続けば、中心部の商業地に対する需要が維持される可能性はある。一方、金利や建築費、観光客数、宿泊施設の供給状況によっては、上昇幅が変わることも考えられる。


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週刊TAKAPI編集部:黒木