【全国検証】2026年公務員の懲戒処分・失職を独自集計 1位東京71人、2位北海道59人、3位埼玉33人

2026年の公務員懲戒処分・失職を独自集計し、東京都71人、北海道59人、埼玉県33人と示した週刊TAKAPIの全国検証アイキャッチ

71人、59人、33人――。

2026年に都道府県や教育委員会が公表した公務員の懲戒処分・失職を週刊TAKAPIが独自集計したところ、9月21日時点で、東京都71人、北海道59人、埼玉県33人の順となった。

ただし、この数字だけを見て「東京が全国で最も問題のある自治体」と結論づけることはできない。

3都道県では職員規模も公表基準も違う。さらに、処分理由を分解すると、東京では性的不祥事、北海道では交通関連、埼玉では免職処分と教育関係への集中という異なる特徴が見えてくる。

単なる「件数ランキング」では見えない2026年の公務員処分を検証する。

1位 東京都71人 教育関係59人、免職・失職17人

東京都で確認した懲戒処分・失職は71人。

そのうち教育関係が59人で、全体の8割を超えた。免職・失職は17人、停職は20人。性行為、わいせつ、盗撮、児童ポルノ、セクシュアル・ハラスメントなど、性的な非違行為に分類できるものも22人確認された。

数字が集中したのが3月23日だった。

東京都教育委員会はこの日、失職1人を含む計19人について処分等を公表した。

内容には、児童ポルノの製造・所持、公然わいせつ、盗撮、生徒へのキスや身体接触などが含まれていた。

単に処分人数が多いだけではなく、免職・失職級の事案が複数含まれている点が東京都の特徴だ。

東京の代表的重大事案 13歳未満との性交、懲役5年確定で失職

東京都で代表例として取り上げるのは、6月に公表された小学校教諭の失職事案だ。

東京都教育委員会によると、31歳の男性教諭は2018年5月、自宅で当時13歳未満の女性と性交した。

2025年5月、東京地裁で強制性交等罪により懲役5年の判決を受け、2026年1月27日に判決が確定。地方公務員法の規定により失職した。

同じ6月の公表では、電車内で女性のスカート内を撮影しようとした小学校主任教諭や、勤務校の女子便所に小型カメラを設置して女性職員を撮影した高校教諭も懲戒免職となった。

東京都は全国最大級の職員組織を抱えるため、絶対数が多くなること自体は不自然ではない。

それでも、71人の内訳を見ると、教育現場を中心に重大な性的非違行為が繰り返し処分対象となっていることは見過ごせない。

2位 北海道59人 約3人に1人が飲酒・交通関連

北海道は59人で2位となった。

教育関係が40人、知事部局等が19人。免職は7人、停職は10人だった。

東京との違いがはっきり表れたのが処分理由だ。

酒気帯び運転、無免許運転、速度超過、人身事故などの飲酒・交通関連は19人。全体のおよそ3人に1人を占める。

北海道教育委員会では、免許失効を認識しながら複数回自動車を運転した教員、速度超過、死亡事故などを理由とする処分が相次いだ。

一方で、交通以外にも横領、ハラスメントなど幅広い事案が確認されている。

北海道の代表的重大事案 補助金など236万7499円を横領

北海道で代表例とするのは、中学校事務職員による横領だ。

北海道教育委員会によると、江差町の中学校に勤務していた33歳の男性事務職員は、2025年3月から10月までの間、遊興費に充てる目的で、町から助成された補助金と2つの私費会計から計236万7499円を横領するなどした

道教委は2026年3月26日付で懲戒免職とした。

管理監督責任を問われた職員も減給処分となった。

同日の処分には、教職員を長時間立たせたまま大声で叱責した校長や、免許の有効期限が切れていることを認識しながら運転を繰り返した教員も含まれていた。

北海道の59人は、東京のように特定の非違行為へ集中するというより、金銭、ハラスメント、飲酒、交通など複数の問題が並行して公表されている点が特徴となっている。

3位 埼玉県33人 3人に1人以上が免職

埼玉県は33人で3位。

東京71人、北海道59人と比べれば絶対数は少ない。

しかし処分の重さを見ると、違った姿が見える。

33人のうち免職は12人。割合では約36%となり、上位3都道県の中で最も高い。

さらに教育関係は30人で、全体の約91%を占めた。

中学校教諭による女子生徒の撮影、特別支援学校講師による女子生徒へのわいせつ行為、高校教諭による女子生徒への不適切なメッセージや身体接触など、児童・生徒が関係する処分も複数確認された。

埼玉の代表的重大事案 一時保護中の児童と不同意性交等

埼玉県で代表例として取り上げるのは、学校ではなく児童相談所で起きた事案だ。

県によると、越谷児童相談所に勤務していた28歳の男性主事は2025年12月中旬ごろ、勤務時間中、児童相談所内で一時保護中の児童と不同意性交等を行ったとされる。

その後、所属の聞き取りに虚偽の説明をした。

職員は2026年2月19日に逮捕され、3月11日に起訴。県は3月24日付で懲戒免職とした。

児童相談所は、虐待などさまざまな事情から保護を必要とする子どもを預かる行政機関だ。

その内部で、一時保護中の児童を対象とした事件が起きたとして職員が起訴され、免職となった点は、公務への信頼という意味でも極めて重い。

上位3都道県を比較すると違いは明確

順位都道府県総数免職・失職停職性的不祥事飲酒・交通教育関係知事部局等
1位東京都71人17人20人22人5人59人12人
2位北海道59人7人10人10人19人40人19人
3位埼玉県33人12人5人8人11人30人3人

※性的不祥事、飲酒・交通は処分理由による分類で、免職・停職などの処分区分と重複するため、各項目の合計は総数とは一致しない。

数字だけを見れば東京が突出している。

しかし内訳を見ると構造はかなり違う。

東京都では、71人のうち22人が性的な非違行為に分類され、教育関係が59人を占めた。

北海道は飲酒・交通関連が19人で、処分理由の特徴が明確に違う。

埼玉県は総数では33人にとどまる一方、12人が免職。約3人に1人以上が最も重い懲戒処分を受けている。

71対59対33という数字だけでは、この違いは分からない。

同じ「1人」でも処分の意味は違う

公務員不祥事を単純なランキングにすると、戒告1人も懲戒免職1人も同じ「1」として数えられる。

だが、実際の処分には大きな差がある。

交通事故による戒告と、児童・生徒への性的行為による懲戒免職、横領による懲戒免職を同じ重さで扱うことはできない。

今回の集計で重視したのは、その点だ。

総数だけではなく、

どの部門で処分が多いのか。
免職・停職は何人なのか。
どのような非違行為が繰り返されているのか。

そこまで分解することで、初めて各自治体の特徴が見えてくる。

「ワーストランキング」ではない

今回の1位から3位は、「公務員不祥事が多い都道府県」の順位ではない。

あくまで、週刊TAKAPIが同一基準で確認できた懲戒処分・失職の公表人数による比較だ。

理由は、公表基準が自治体によって異なるためだ。

戒告まで詳細に個別公表する自治体がある一方、重大処分を中心に公表する自治体もある。

情報公開を積極的に行う自治体ほど、結果として数字が大きく見える可能性もある。

さらに職員規模も大きく異なる。

そのため「東京71人=東京が全国で最も悪い」という読み方は成立しない。

重要なのは、公表された数字と、その中身を分けて見ることだ。

編集部まとめ

2026年9月21日時点の週刊TAKAPI独自集計では、都道府県と教育委員会などが公表した懲戒処分・失職の確認数は、東京都71人、北海道59人、埼玉県33人の順となった。

ただし、3都道県は同じ問題を抱えているわけではない。

東京都では教育関係と性的な非違行為、北海道では飲酒・交通関連、埼玉県では教育関係への集中と免職割合の高さが目立った。

公務員の不祥事を検証する際、総数だけを並べれば簡単に順位は作れる。

しかし、本当に見るべきなのはその先だ。

何人処分されたのか。
どの組織で起きたのか。
何が原因だったのか。
そして行政はどこまで重い処分を下したのか。

数字を分解して初めて、2026年に各地の公務組織で何が起きているのかが見えてくる。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

本稿は2026年1月1日から9月21日までに、都道府県及び都道府県教育委員会などが公式に公表した資料を週刊TAKAPIが独自に集計した。

原則として、懲戒免職、停職、減給、戒告及び地方公務員法に基づく失職について、処分・失職した職員1人を1件として計上した。同一人物について複数の非違行為が認定されている場合でも、同一処分では1人として扱った。訓告、文書注意、厳重注意、口頭注意など懲戒処分に該当しない措置は集計対象から除外した。

「性的不祥事」は、公表資料で性行為、わいせつ、盗撮、児童ポルノ、セクシュアル・ハラスメントなど性的な非違行為が確認できるものを分類した。「飲酒・交通」は、飲酒運転、酒気帯び運転、無免許・免許失効、速度違反、交通事故などを分類した。これらは処分区分と重複する。

代表的重大事案は、処分の重さ、刑事手続の有無、被害の重大性、児童・生徒など保護を要する立場への行為、公務への信頼に与える影響などを踏まえ、各都道県を理解する代表例として編集部が選定した。事案そのものの重大性を順位付けする趣旨ではない。

自治体によって職員数、組織構成、公表基準、公表時期が異なるため、本稿の順位は実際に発生した不祥事総数や自治体そのものの評価を示すものではない。

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