長野県は9月18日、停車中の車内で飲酒した後に自家用車を運転し、物損事故を起こしたとして、産業労働部現地機関の会計年度任用職員の68歳男性を懲戒免職とした。管理監督者1人も口頭注意とした。
県の一次発表では具体的な所属を「産業労働部現地機関」としているが、同日夜の報道で、男性が県松本技術専門校の非常勤講師だったことが明らかになった。長野放送によると、男性は県の聞き取りに対し、アルコール度数25度の焼酎を計660mL飲んだと説明している。
さらに、物損事故後には公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されていたことも判明。テレビ信州によると、その後は証拠隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放され、任意捜査が続けられている。
車内で飲酒後に運転 駐車場のフェンスに衝突
長野県の公式発表によると、男性は8月21日、停車中の車内で飲酒した後、自家用車を運転した。
その後、安曇野市内の店舗駐車場に入る際、フェンスに衝突する物損事故を起こした。
県は、この一連の行為を処分事由として9月18日付で男性を懲戒免職とした。
県の一次発表では、男性がどこで、どの程度の酒を飲んだのかまでは明らかにしていない。
25度の焼酎を計660mL 3本を車内で飲酒
その後の報道で、飲酒の具体的な状況が明らかになった。
長野放送によると、男性は県の聞き取りに対し、長野市内の駐車場や筑北村、生坂村の路肩に車を止めながら、アルコール度数25度の焼酎を計660mL飲んだと説明している。
男性は飲酒した理由について「のどが渇いていて、我慢できずに飲んだ」と話し、謝罪しているという。
テレビ信州は、男性が飲んだのは220mL入りの焼酎3本だったと報じている。男性は自宅で飲むために購入した酒を車内で飲み、「休めばいいと思った」とも説明しているという。
220mLを3本で計660mLとなり、両社が報じた飲酒量は一致する。
「産業労働部現地機関」 具体的所属は松本技術専門校
県の公式発表では、男性の所属を「産業労働部現地機関」、身分を「会計年度任用職員」としている。
長野放送とテレビ信州はいずれも、男性が松本技術専門校の非常勤講師だったと報じている。
松本技術専門校は、職業能力開発促進法に基づいて長野県が設置・運営する職業能力開発施設で、技術者や技能者の養成、労働者の能力開発・技能向上に必要な職業訓練を行っている。
一方、男性が具体的にどの訓練科や授業を担当していたのかは確認できていない。
8月21日が勤務日だったのか、今回の事案によって授業や受講生に影響が生じたのか、事故後から懲戒免職まで男性がどのような勤務・休務扱いだったのかも、現時点の公表資料や確認できた報道では明らかになっていない。
事故後、パトカー内で警察官の肩を殴った疑い
今回の事案では、飲酒運転と物損事故に加え、事故後の刑事手続も明らかになっている。
テレビ信州によると、男性は事故後、任意同行のために乗っていたパトカー内で警察官の肩を殴り、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。
長野放送も、物損事故後に駆けつけた警察官の肩を殴り、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されたと報じている。
テレビ信州によると、その後、証拠隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放され、任意での捜査が続けられている。
ここは県による懲戒処分と区別する必要がある。
県が9月18日の一次発表で懲戒処分の理由として公表したのは、停車中の車内で飲酒した後に自家用車を運転し、物損事故を起こしたことだ。県の処分発表には、公務執行妨害容疑による逮捕についての記載はない。
逮捕は有罪を意味しない。公務執行妨害や飲酒運転について、起訴・不起訴など刑事手続の最終的な結論は現時点で確認できていない。
管理監督者1人も口頭注意 理由の詳細は明らかにせず
県は男性を懲戒免職としただけではない。
今回の事案に関して、管理監督者1人を口頭注意としている。
ただ、県の公表資料には、管理監督者について具体的にどのような管理上の責任を問うたのかは記載されていない。
8月21日の勤務状況も明らかになっていないため、勤務との関係や、管理監督者への措置理由を公表資料だけから推測することはできない。
県は長野放送の取材に「今後、二度とこのようなことが起きないよう、飲酒運転の根絶に向けた取り組みを一層強化してまいります」としている。
具体的にどのような再発防止策を追加・強化するのかは、今後の確認点となる。
編集部まとめ
長野県が公式に確認し、懲戒免職の処分事由として公表したのは、男性が停車中の車内で飲酒した後に自家用車を運転し、安曇野市内で物損事故を起こしたことだ。
その後の報道で、男性が松本技術専門校の非常勤講師だったこと、25度の焼酎を計660mL飲んだと県に説明していること、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕され、その後釈放されて任意捜査が続いていることが明らかになった。
一方、担当していた訓練科、8月21日の勤務状況、事故後の勤務・休務扱い、管理監督者を口頭注意とした具体的な理由は確認できていない。
県は飲酒運転根絶に向けた取り組みを一層強化するとしている。今後は、その具体策とともに、松本技術専門校や県が今回の事案を受けて何を変えるのかが確認点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項
長野県は2026年9月18日、産業労働部現地機関の会計年度任用職員・68歳男性を、8月21日に停車中の車内で飲酒した後、自家用車を運転し、安曇野市内で物損事故を起こしたとして懲戒免職とした。管理監督者1人も口頭注意としている。
具体的な所属が松本技術専門校で非常勤講師だったこと、25度の焼酎を計660mL飲んだとの説明、公務執行妨害容疑による現行犯逮捕については、長野放送とテレビ信州の報道に基づく。逮捕後に釈放され任意捜査が続いているとの情報はテレビ信州が報じている。
長野県警は8月22日の公表で、8月21日に安曇野市内で警察官と車両に乗車中、警察官に暴行を加えた男を公務執行妨害容疑で逮捕した事案を掲載しているが、年齢を67歳としている。県の被処分者は68歳で年齢表記が一致しないため、本稿では県警発表の当該事案と今回の被処分者が同一人物であるとは断定していない。
逮捕は有罪を意味しない。飲酒運転および公務執行妨害について、起訴・不起訴など刑事手続の最終的な結論は現時点で確認できていない。
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