愛知県企業庁東三河水道事務所の課長補佐級職員が、自宅で飲酒した翌朝、自家用車で通勤中に酒気帯び運転が発覚し、停職3か月の懲戒処分を受けた問題で、週刊TAKAPIは処分後の再発防止策を愛知県企業庁に独自取材した。
企業庁は取材に対し、処分後、庁内の全職員に飲酒運転防止を改めて周知したと説明した。所属によって職員へ個別に伝えたほか、職員全体に周知したところもあるという。
さらに、アルコールの量と体内から抜けるまでにかかる時間などをまとめた既存の資料も改めて周知。公用車を運転する際には従来から毎回アルコールチェックを実施していることも明らかにした。
企業庁は対策の効果について、目に見える形で確認することは難しいとする一方、取材時点で処分後に新たな問題は起きていないと説明した。
自宅で約5時間半飲酒 翌朝の通勤中に0.39mg
愛知県の発表によると、処分を受けたのは企業庁東三河水道事務所の課長補佐級の男性職員。当時59歳だった。
職員は2026年3月5日午後7時から翌6日午前0時30分ごろまで、自宅で缶チューハイ350mlを1缶、焼酎のお湯割りをコップ5杯飲んだ。
6日午前7時40分ごろ、豊川市内を自家用車で通勤中、警察官の検問を受け、呼気1リットル当たり0.39mgのアルコールが検出された。
県は7月8日付で職員を停職3か月の懲戒処分とした。県の公表資料では、酒気帯び運転の基準を呼気1リットル当たり0.15mgとしている。
公表された時刻から計算すると、職員が飲酒していたのは約5時間30分。飲酒を終えた午前0時30分ごろから、検問を受けた午前7時40分ごろまでは約7時間10分となる。
今回の事案は、飲酒直後に運転したケースではない。前夜に飲酒し、翌朝の通勤時に酒気帯び運転が発覚した。
処分後、庁内の全職員へ改めて注意喚起
週刊TAKAPIは企業庁に、今回の処分後、飲酒運転防止策を具体的に変更したのかを聞いた。
担当者によると、庁内の全職員に対し、飲酒運転防止について改めて周知した。
職員への伝え方については、所属長などから直接伝える対応を行い、所属によって職員へ個別に伝えたところもあれば、職員全体に対して周知したところもあるという。
全職員に対して一律に個別面談を行ったという回答ではなく、それぞれの所属で職員への注意喚起を実施したとの説明だった。
翌朝の運転を想定 アルコールが抜ける時間も再周知
週刊TAKAPIが特に確認したのが、翌朝に運転する場合の対策だ。
今回の職員は午前0時30分ごろまで飲酒した後、午前7時40分ごろに自家用車で通勤していた。
そこで、翌朝に運転することを想定し、飲酒量や飲酒終了時刻について新たな資料を作ったのかを聞いた。
企業庁によると、アルコールの量と、体内から抜けるまでにどの程度の時間がかかるのかなどをまとめた既存のチラシがあり、今回の再発防止にあたって、その資料を改めて周知したという。
つまり、この点について企業庁から説明を受けた対応は、新しい資料の作成ではなく、既にある資料を改めて職員に示すものだった。
前夜に飲酒した場合、翌朝までアルコールが残る可能性があることを含め、職員に改めて注意を促したとしている。
公用車は毎回アルコールチェック 既存の対策として実施
他の自治体ではアルコールチェックを導入・強化する例もあることから、企業庁での対応についても確認した。
担当者は、公用車を保有する所属にはアルコールチェックの機器を配備していると説明。職員が業務で公用車を運転する場合には、毎回アルコールチェックをしたうえで乗車しているという。
これは、今回の処分後に導入したという説明ではなく、企業庁が従来から行っている対策だ。
今回の職員は、公用車ではなく自家用車で通勤中に酒気帯び運転が発覚している。
そのため、今回の取材で企業庁から説明を受けた公用車のアルコールチェックは、今回の事案に対して新たに導入された再発防止策とは区別する必要がある。
所長も「所属長厳重注意」 なぜ監督責任を問われたのか
県は職員本人を停職3か月としただけではない。
東三河水道事務所の所長についても、監督責任を理由に同じ7月8日付で「所属長厳重注意」とした。
週刊TAKAPIは企業庁に、具体的にどのような監督責任を問うたのかを聞いた。
担当者は、所属長には職員を管理監督する責任があることから、今回、所長を所属長厳重注意としたと説明した。
公表資料では「監督責任」とされていた部分について、企業庁側から管理監督する立場としての責任であるとの説明を受けた形だ。
企業庁「効果はなかなか難しい」 処分後の問題は確認されず
再発防止策を実施した後、その効果をどのように確認しているのかも尋ねた。
担当者は、効果を目に見える形で確認することについて「なかなか難しい」との認識を示した。
一方で、取材時点では今回の処分後に職員をめぐる新たな問題は起きていないと説明。職員への注意喚起については、内容を伝えることができたとの認識を示した。
ただし、処分後に新たな問題が確認されていないことと、今回の注意喚起によって再発防止の効果が確認されたことは同じではない。
企業庁側も、対策の効果を具体的な数値などで示したわけではない。
年1回、全所属を回る機会でも継続して注意喚起
では、今後どのように再発防止を続けるのか。
企業庁によると、各所属で研修などを行っているほか、人事担当者が年1回、全所属を回り、資料を渡すなどして職員に働きかける機会があるという。
今回の酒気帯び運転についても、こうした機会を含め、さまざまな場で継続して注意喚起していく考えを示した。
今回の取材で企業庁から説明を受けた処分後の対応は、全職員への注意喚起、所属ごとの職員への周知、アルコールが抜けるまでの時間などを示した既存資料の再周知、研修や全所属への継続的な働きかけだった。
編集部まとめ
今回の独自取材で確認できたのは、処分後に企業庁が全職員へ飲酒運転防止を改めて周知し、所属ごとに職員へ注意を促したことだ。翌朝の運転を意識し、アルコールが体内から抜けるまでの時間などを示した既存資料も再周知している。
一方、公用車のアルコールチェックは今回の処分後に始めた対策ではなく、従来から行われていた。
企業庁は、対策の効果を目に見える形で確認することは難しいとしながら、今後も研修や全所属への働きかけを通じて注意喚起を続けるとしている。
今回の事案は、前夜の飲酒後、翌朝の自家用車通勤中に起きた。
再発防止を検証するうえでは、周知や研修を実施したという事実だけでなく、それが翌朝に運転を控えるといった職員の具体的な判断や行動につながるかを確認していく必要がある。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
処分対象者の所属、職級、年齢、飲酒日時・飲酒量、運転時刻、呼気中アルコール濃度、処分内容、処分年月日、所長への関連措置は、愛知県企業庁が2026年7月8日に公表した懲戒処分資料に基づく。
処分後の全職員への注意喚起、所属ごとの職員への周知、アルコールが体内から抜けるまでの時間などをまとめた既存資料の再周知、公用車運転時のアルコールチェック、所長の管理監督責任に関する説明、再発防止策の効果に関する認識、各所属での研修、人事担当者による年1回の全所属への働きかけについては、週刊TAKAPIによる愛知県企業庁への独自電話取材に基づく。
公用車運転時のアルコールチェックは、今回の処分後に新たに導入されたものとして記載していない。また、自家用車通勤者への出勤前アルコールチェックについては今回の取材で明示的に確認していないため、その導入の有無については断定していない。
地域の噂・身近な情報
独立メディアだからこそできる、忖度しない報道を。

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。