大型で強い台風25号の影響で21日、東京都内は記録的な大雨となり、品川区や目黒区で土砂崩れが発生した。
品川区では目黒川沿いに建つマンションの裏手で土砂崩れが起き、敷地内に駐車されていた車のタイヤが土に埋まる被害が確認された。目黒区東山でも住宅地ののり面が約16メートルにわたって崩れ、土砂が駐車車両に当たった。いずれもけが人は確認されていない。
避難情報では、目黒区の2万3658世帯、3万9118人を対象に警戒レベル4の避難指示が発令された。発令理由はレベル4土砂災害危険警報だった。都内全体の避難指示対象人数については、本稿では確認できた区別情報と分けて扱う。
品川区 目黒川沿いのマンション裏で土砂崩れ
品川区では21日、目黒川沿いに建つマンションの裏手で土砂崩れが発生した。
崩れた土砂はマンションの敷地内まで達し、駐車されていた車のタイヤが土に埋まる状況となった。報道では、けが人は確認されていない。
22日午前までに確認できた主要報道では、現場は「品川区の目黒川沿い」とされている一方、具体的な町名は示されていない。このため、本稿では周辺地形やマンション情報から現場を推測して特定していない。
目黒区東山 約16メートルにわたりのり面崩落
目黒区東山では21日午後5時すぎ、「法面が崩れて駐車場の車がへこんでいる」などと110番通報があった。
警視庁によると、住宅の擁壁やのり面が広範囲に崩れ、土砂が向かい側の駐車場まで流入。停められていた乗用車に当たった。住宅の基礎部分が露出する被害も確認されたが、けが人はいなかった。
現場は東急東横線・中目黒駅から約750~800メートルの住宅地。警視庁が周辺を規制し、当時の状況を確認した。
目黒区3万9118人に避難指示
21日には土砂災害の危険が高まったとして、目黒区の2万3658世帯、3万9118人に警戒レベル4の避難指示が発令された。
前稿では、この数字を東京都全体の避難指示人数として記載していたが、公開情報を再確認すると目黒区分として示されている数字だった。
東京都内ではこのほかにも複数の区で避難情報が出されたが、対象人数は区ごとに発令・解除時刻が異なる。このため、都全体の合計人数については同一時点の公式集計を確認できない限り単純合算しない。
都心の最大24時間降水量226ミリ
気象庁の東京観測点では、21日の最大24時間降水量が226.0ミリに達した。
9月としての最大24時間降水量では、1996年の260ミリ、1991年の230ミリに次ぐ記録となった。
21日は最大3時間降水量68.5ミリ、最大12時間降水量125.5ミリも観測されている。
短時間だけでなく、長時間にわたって多量の雨が降ったことが、都内の河川増水や斜面崩落につながったとみられる。
江戸川臨海282.5ミリ 最大24時間降水量で観測史上1位
江戸川区の江戸川臨海観測所では、最大24時間降水量282.5ミリを記録した。
気象庁の統計では、これまでの249ミリを上回り、同地点の観測史上1位となった。最大48時間降水量も325.5ミリに達し、こちらも観測史上1位となっている。
一方、21日の日降水量は217.5ミリで、9月としては観測史上2位。最大24時間降水量と1日単位の日降水量は異なる統計のため、本稿では区別して記載する。
善福寺川が急増水 河川でも警戒高まる
杉並区を流れる善福寺川では21日、水位が急上昇し、氾濫危険の段階に達した。
東京都は同日、台風25号への対応として災害即応対策本部会議を開催し、河川や避難情報、各自治体の対応などを確認した。
今回の大雨では、都心部でも土砂災害と河川の増水が同時に進行した。
品川駅ではタクシー待ち約200人
交通にも大きな混乱が出た。
21日午後5時ごろ、品川駅港南口では強い雨と突風が続き、新幹線ホームに近い出入り口付近でタクシーを待つ人が約200人の列をつくった。
現場では約20台のタクシーが待機していたものの、利用者の列は約2時間で倍ほどの長さになったと報じられている。
新宿駅前でも激しい風雨となり、歩行者がしゃがみ込む様子が確認されるなど、都心部でも台風の影響が顕著になった。
ANA・JALで275便欠航 約4万2600人に影響
空の便にも大規模な影響が出た。
21日はANAとJALの大手2社だけで、国内線260便、国際線15便の計275便が欠航。約4万2600人に影響が出る見通しとなった。
ANAは羽田、成田、八丈島などの発着便で影響が発生したと案内。JALも羽田、成田を発着する多くの便に影響が出たとしていた。
22日朝には台風が日本の東へ離れ、空の便への大きな影響は縮小している。
台風は日本の東へ 雨が止んでも土砂災害に警戒
台風25号は22日午前9時現在、日本の東を時速50キロで北東へ進んでいる。
中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートルで、22日中には日本の東で温帯低気圧に変わる見込み。関東では引き続き土砂災害への警戒が呼びかけられている。
22日午前までに確認した主要報道では、品川区と目黒区の土砂崩れで新たな人的被害は確認されていない。
編集部まとめ
東京都内では雨のピークを越えたものの、長時間の大雨で斜面や擁壁が大量の水を含んだ状態にある。
品川区と目黒区では人的被害は確認されていないが、すでに土砂崩れが発生した場所だけでなく、周辺の斜面で時間差の崩落が起きる可能性にも注意が必要だ。
今後は新たな土砂災害の有無と、各区による被害確認の更新が焦点となる。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本記事は2026年9月22日午前までに確認した気象庁、東京都、自治体の公表情報、航空会社の運航情報およびFNN、テレビ朝日、TBSなどの公開報道を照合して構成した。
目黒区の「2万3658世帯、3万9118人」は、21日に同区へ発令された避難指示の対象として確認された数字であり、東京都全体の避難指示人数ではない。都全体の対象人数については、同一時刻を基準とした公式集計を本稿では確認できていないため記載していない。
また、品川区の土砂崩れ現場について、確認した報道では具体的な町名まで示されていない。このため、位置を推測して補完していない。

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