観光施設の入場料や体験料金の値上げが、愛知県内でも相次いでいる。
文化財の保存管理費、光熱費や人件費、原材料費の上昇など、施設によって事情はさまざまだ。中には従来料金から8割以上値上げした施設もある。
週刊TAKAPIでは、2026年9月24日までに料金改定が実施済みの愛知県内の観光・見学施設から5施設を抽出。一般客が利用する代表的な通常料金を基準に、値上げ率を比較した。
愛知県の観光スポット「値上げ率」ランキング
1位 国宝 犬山城
550円 → 1,000円
値上げ額:450円
値上げ率:約81.8%
改定日:2026年3月1日
2位 抹茶ミュージアム 西条園 和く和く
1,500円 → 2,500円
値上げ額:1,000円
値上げ率:約66.7%
改定日:2026年3月1日
※75分個人コースで比較
3位 INAXライブミュージアム
700円 → 1,000円
値上げ額:300円
値上げ率:約42.9%
改定日:2025年4月17日
4位 日本庭園 有楽苑
1,200円 → 1,500円
値上げ額:300円
値上げ率:25.0%
改定日:2026年3月1日
5位 リニア・鉄道館
1,000円 → 1,200円
値上げ額:200円
値上げ率:20.0%
改定日:2025年6月1日
1位 国宝 犬山城 550円→1,000円、約81.8%増
最も値上げ率が大きかったのは、犬山市の国宝 犬山城だった。
2026年3月1日から入場登閣料が改定され、一般は550円から1,000円へ450円値上げ。率にすると約81.8%増となった。
小中学生も110円から200円に改定されている。
犬山市によると、犬山城の値上げは2015年3月1日に500円から550円へ変更して以来。今回の料金について市は、今後も犬山城を保存・活用するために必要な費用などを勘案して算定したとしている。
国宝の現存天守を将来に残すための費用を、入場料にも反映した形だ。
2位 抹茶ミュージアム 西条園 和く和く 1,500円→2,500円
2位は、西尾市の抹茶ミュージアム 西条園 和く和く。
2026年3月1日以降の実施分からコース料金が変更され、1~6人向けの75分個人コースは1人1,500円から2,500円になった。
1,000円の値上げで、上昇率は約66.7%。今回の5施設では、金額ベースの値上げ幅が最も大きい。
一方、7~20人向けの60分団体コースは1,000円から1,200円、45分コースは500円から600円となっており、プランによって値上げ幅は異なる。
施設側は価格改定の理由について、諸物価高騰による仕入れ値や人件費の上昇を挙げている。
3位 INAXライブミュージアム 700円→1,000円
3位は常滑市のINAXライブミュージアム。
2025年4月17日から共通入館料が改定され、一般は700円から1,000円へ。300円の値上げで、値上げ率は約42.9%となった。
学生は500円から800円に変更。中学生は250円から500円となった一方、小学生は250円で据え置かれた。
施設側は料金見直しについて、光熱費や人件費などの高騰を理由としている。
4位 日本庭園 有楽苑 1,200円→1,500円
犬山市の日本庭園 有楽苑も、2026年3月1日に料金を改定した。
大人の入苑料は1,200円から1,500円となり、値上げ率は25%。小人は600円から800円となった。
さらに国宝犬山城とのセット券は1,450円から2,000円へ変更されている。
有楽苑には国宝茶室「如庵」や重要文化財「旧正伝院書院」があり、運営側は、こうした文化財の保存修理や日本庭園の管理に関係するコストが増加傾向にあることを料金改定の理由としている。
同じ2026年3月1日に犬山城も値上げされており、犬山観光では主要施設の料金体系が大きく変わったことになる。
5位 リニア・鉄道館 1,000円→1,200円
5位は名古屋市港区金城ふ頭のリニア・鉄道館。
JR東海は2025年6月1日から一部入館料を改定。大人個人料金を1,000円から1,200円へ200円引き上げた。値上げ率は20%となる。
20人以上の一般団体の大人料金も800円から1,000円へ200円値上げされた。
一方、小中高生や幼児などの料金、シミュレーター利用料金などは改定対象外とされた。
現在の通常料金は大人1,200円、小中高生500円、3歳以上の未就学児200円となっている。
値上げ理由は「物価高」だけではない
5施設を比べると、単純に「物価が上がったから観光施設も値上げした」と一括りにはできない。
西条園 和く和くは仕入れ値や人件費、INAXライブミュージアムは光熱費や人件費の高騰を明示している。
一方、犬山城では今後の保存・活用に必要となる費用、有楽苑では国宝・重要文化財の保存修理や庭園管理にかかるコストも背景となっている。
つまり今回の料金改定には、物価・人件費上昇への対応だけでなく、文化財や施設そのものを将来に残すための維持管理費をどう確保するかという課題も見えてくる。
10月からは名古屋城なども値上げへ
そして愛知県内の観光施設の料金改定は、これで終わりではない。
名古屋市では2026年10月1日から複数の施設で料金を改定する。このうち名古屋城の大人個人観覧料は500円から1,000円となり、2倍になる予定だ。
ただし、この記事の基準日は2026年9月24日。このため、まだ料金改定が実施されていない施設は今回のランキングから除外した。
名古屋市は料金見直しの背景として、賃金・物価高騰によって公の施設の管理運営費などが増加していることや、利用者と税による負担の適正化を挙げている。
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
週刊TAKAPI編集部:黒木

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