愛知労働局は9月30日、豊橋地域若者サポートステーションと知立地域若者サポートステーションを受託する「特定非営利活動法人いまから」で委託費の不適切な使用が確認されたとして、法人に対し約1407万3千円と加算金の納付を命じたと発表した。
週刊TAKAPIの調べによると、豊橋では複数のスタッフの賃金を水増しし、その金額を徴収して「プール金」として管理する経理が複数年度にわたって行われていた。
豊橋ではスタッフの賃金を水増し
愛知労働局によると、豊橋地域若者サポートステーションでは、2018年度(平成30年度)から2022年度(令和4年度)まで、複数のスタッフについて賃金を水増ししていた。
さらに、水増しした分を徴収し、「プール金」として管理していたことも確認された。
プール金は、顧問料や事務所費用などの支出に充てるために始まったとされる。
愛知労働局は私的流用については「確認できなかった」としている。
2018年度から2021年度までに確認された不適切な使用額は、合計約1007万5千円に上る。
2022年度にも賃金の水増しが行われていたが、通報後に委託費の精算が行われたため、今回の返還対象には含まれていない。
知立では「勤務実態のないスタッフ」に賃金計上
知立地域若者サポートステーションでも不適切な経理が確認された。
2020年度、勤務実態がないスタッフについて賃金が計上されており、不適切とされた金額は約399万8千円だった。
こちらについても、愛知労働局は私的流用は確認できなかったとしている。
豊橋と知立を合わせた不適切相当額は約1407万3千円となり、愛知労働局は9月30日、受託法人に対してこの金額と加算金の納付を命じた。
発覚のきっかけは2022年12月の通報
今回の問題が明らかになるきっかけとなったのは、2022年12月に厚生労働省へ寄せられた「不適切支出」に関する通報だった。
これを受け、事業の委託者である愛知労働局が、豊橋・知立の両サポートステーションを受託していた法人への調査を開始した。
その結果、豊橋での賃金水増しとプール金の管理、知立での勤務実態がないスタッフへの賃金計上が確認された。
通報から今回の返還命令の発表までは、3年以上が経過している。
愛知労働局「監査の精度を向上」
地域若者サポートステーションは、働くことに悩みを抱える若者の職業的自立を支援する厚生労働省の事業で、地域のNPO法人などに委託して実施されている。
キャリアコンサルタントなどによる相談やコミュニケーション訓練、協力企業での就労体験などを通じ、若者の就労を支援する。
愛知労働局は今回の問題を受け、各地域若者サポートステーションに対する監査の精度を向上させ、運営責任者らを対象とした会議を開催するなどして適正な経理を徹底するとしている。
一方、豊橋では2018年度から複数年度にわたって賃金の水増しが行われていたとされる。なぜ長期間にわたり把握されなかったのか、従来の監査がどのように実施されていたのかも今後の焦点となる。
週刊TAKAPIでは、愛知労働局や関係先への取材を通じ、経緯や監査体制について引き続き確認する。
担当記者:黒木
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