【長野】栄村職員を停職6カ月 公用PCで「約963時間」私的閲覧、女子トイレにも複数回立ち入り

長野県栄村が、勤務時間中に役場内の女子トイレへ正当な理由なく複数回立ち入ったほか、公用パソコンで業務と関係のないサイトを約963時間閲覧するなどしたとして、村職員1人を停職6カ月の懲戒処分としていたことが分かった。処分は2026年9月30日付。

職員はこのほか、業務とは関係のない不適切な画像を役場内で印刷し、自席で保管していたとされる。

週刊TAKAPIが栄村の関連規程を独自に調べたところ、「栄村グループウエアシステム管理運営規則」では、総務課長を公用端末などの「管理責任者」と規定。さらに管理責任者に対し、「端末機使用状況の把握のために必要な措置」を講じるよう定めていることが分かった。

職員個人の服務上の問題だけでなく、約963時間に及んだとされる私的閲覧と、村が規則上定めていた公用端末の管理体制との関係が注目される。

女子トイレへ複数回立ち入り 防犯カメラで確認

公表されている情報によると、職員は2026年7月、勤務時間中に栄村役場内の女子トイレへ正当な理由なく複数回立ち入った。

立ち入りは防犯カメラで確認されたとされ、村の聞き取りに対し、職員は「探し物をしていた」と説明したという。

村は職員の性別や年代などについて、個人が特定されるおそれがあるとして公表していない。

このため週刊TAKAPIも、公表されていない職員の属性や女子トイレへ立ち入った目的について推測しない。

公用PCで「約963時間」業務外サイトを閲覧

村の調査では、さらに別の問題も判明した。

職員は過去1年間の勤務時間中、公用パソコンを使用し、業務とは関係のないサイトを約963時間閲覧していたとされる。

963時間を単純に24時間で割ると約40.1日となる。

仮に1日の勤務時間を7時間45分として機械的に換算した場合、約124勤務日分に相当する計算になる。

ただし、この数字をそのまま「124日間仕事をしていなかった」と解釈することはできない。

公表されている情報からは、「約963時間」が実際に画面を操作して閲覧していた時間なのか、ページを表示していた時間を含むのかなど、具体的な算定方法までは明らかになっていないためだ。

それでも、村自身の調査によって「過去1年間」「勤務時間中」「約963時間」という規模の私的閲覧が確認された点は、今回の処分を考える上で重要な事実となる。

「不適切な画像」庁内で印刷、自席に保管

職員は、公用パソコンによる私的なサイト閲覧だけでなく、業務とは関係のない「不適切な画像」を役場内で印刷し、自分の席で保管していたとされる。

職員は一連の事実関係を認め、反省しているという。

一方、「不適切な画像」の具体的な内容については公表されていない。

週刊TAKAPIは、公表されていない画像の内容について推測による記述は行わない。

【独自検証】栄村の規則を確認 公用端末に具体的な禁止事項

では、栄村では公用パソコンの使用について、どのようなルールを設けていたのか。

週刊TAKAPIが関連規程を調べた。

栄村には「栄村グループウエアシステム管理運営規則」(平成16年12月14日規則第19号)があり、グループウエアシステムの管理・運営や、電算処理に関係するデータの保護・管理について定めている。

同規則第3条は、端末機の操作などに関わる職員について、データの重要性を認識し、原則として担当する「事務処理」の範囲を超えて取り扱ってはならないと規定している。

さらに第7条3項では、公用端末を操作する際の禁止行為を具体的に列挙している。

事務処理と無関係なソフトウエアをインストールして使用すること、インターネット上で個人的な物品の売買や各種予約をすることのほか、「公序良俗に反するホームページ」の接続・閲覧・書き込み、有料系ホームページへの接続・閲覧などを禁止している。

ただし、今回確認された「業務と関係のないサイト」のすべてが、この第7条3項で具体的に禁止されたサイトに該当すると村が認定したのかは、公表情報からは明らかではない。

そのため、規則の存在だけを根拠として今回の約963時間すべてを同項違反だったと断定することはできない。

管理責任者は「総務課長」 規則には「端末機使用状況の把握」

今回の独自検証で特に注目されるのが、職員側の禁止事項だけでなく、公用端末を管理する側についても規定が設けられている点だ。

同規則第4条は、電算処理とデータの適正な管理を行うため「管理責任者」を置くと規定。

その上で、

「管理責任者は、総務課長をもって充てる」

と明記している。

さらに第7条5項では、管理責任者について、データの保護に万全を期するため、パスワードの指定や画面表示制限に加え、

「端末機使用状況の把握のために必要な措置」

を講じなければならないと定めている。

つまり、栄村自身の規則には、公用端末の「使用状況の把握」が明文化されていたことになる。

「963時間」と規則 管理体制にも残る論点

今回、村の調査で明らかになった私的サイト閲覧は約963時間に及んだとされる。

一方、村の規則では、管理責任者を総務課長とした上で、端末機使用状況を把握するために必要な措置を講じることを定めていた。

ここで重要なのは、「規則が存在していたこと」と「実際の運用がどうだったか」は別の問題だという点だ。

第7条5項は「データの保護に万全を期するため」の措置として端末機使用状況の把握を規定している。そのため、この規定だけを根拠に「村にはすべての私的サイト閲覧を常時監視し、直ちに発見する義務があった」とまでは断定できない。

また、約963時間という数字が、どのようなアクセス記録などを基に算出されたのかについても、公表情報からは分からない。

ただ、公用端末について使用状況を把握する規定が存在する中で、過去1年間に約963時間の業務外サイト閲覧が確認されたという二つの事実は、今回の問題を職員個人の服務規律だけではなく、庁内の公用端末管理という観点から見る上でも重要となる。

データの目的外使用も規制

同規則第12条には、

「データは本村の事務処理以外に使用してはならない」

との規定もある。

また第9条では、電子計算機器や端末機に記録するデータを「職員が事務処理をするために必要な最小限度のもの」としている。

今回、職員が業務とは関係のない「不適切な画像」を役場内で印刷し、自席で保管していたとされる点との関係も注目される。

ただし、この画像が同規則で定義される「データ」に該当するのか、第9条や第12条が今回の懲戒処分で具体的な根拠として扱われたのかについては明らかにされていない。

したがって、週刊TAKAPIはこれらの条文への違反を独自に認定するものではない。

栄村「村民の信頼を損なう事態」 全職員に研修へ

栄村は今回の問題を受け、村民の信頼を損なう事態になったとして謝罪している。

再発防止策として、全職員を対象としたコンプライアンス研修を実施するなどし、服務規律の確保を図るとしている。

今回明らかになったのは、女子トイレへの複数回の立ち入り、公用パソコンによる約963時間の業務外サイト閲覧、業務と関係のない不適切な画像の庁内での印刷・保管という複数の行為だった。

そして週刊TAKAPIが関連規程を独自に確認すると、村は以前から公用端末について具体的な禁止事項を定め、管理責任者を総務課長とし、「端末機使用状況の把握のために必要な措置」を講じることまで規則に明記していた。

職員1人の服務規律の問題と、公用端末を組織としてどう管理するのか。

約963時間という数字は、自治体における公用端末の管理のあり方についても課題を投げかけている。


このニュースのポイント

Q栄村職員はどのような処分を受けた?
A栄村は2026年9月30日付で、職員1人を停職6カ月の懲戒処分としました。
Q何が問題になった?
A2026年7月に勤務時間中、役場内の女子トイレへ正当な理由なく複数回立ち入ったほか、過去1年間の勤務時間中に公用パソコンで業務と関係のないサイトを約963時間閲覧していたとされています。業務と関係のない不適切な画像を役場内で印刷し、自席で保管していたともされています。
Q約963時間はどれくらい?
A単純に24時間で割ると約40.1日です。1日7時間45分として機械的に換算すると約124勤務日分ですが、963時間の具体的な算定方法が公表情報からは分からないため、「124日間仕事をしていなかった」という意味ではありません。
Q栄村に公用パソコンの管理規則はあった?
Aあります。「栄村グループウエアシステム管理運営規則」は、公用端末について複数の禁止事項を定めています。
Q公用端末を管理する責任者は?
A同規則第4条では「総務課長」を管理責任者としています。
Q使用状況を把握する規定もある?
Aあります。第7条5項は、管理責任者に対して「端末機使用状況の把握のために必要な措置」を講じるよう定めています。ただし、この規定だけから私的閲覧を常時監視する義務まであったとは断定できません。

担当記者:編集部

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