長野県栄村のJR飯山線沿線で、列車を撮影するために訪れていた親子3人が、軽自動車を線路脇へ転落させて列車の往来に危険を生じさせたとして、過失往来危険の疑いで長野地検に書類送検された。
書類送検されたのは、群馬県高崎市に住む会社員の40歳男性と45歳男性、それに71歳の女性。男性2人は兄弟で、女性は2人の母親だという。
警察によると、3人は8月31日、栄村北信のJR飯山線・横倉駅と森宮野原駅の間で列車を撮影するため、線路沿いのあぜ道に軽自動車を停めた。
撮影を終えて正午すぎに車へ戻ったところ、軽自動車はスタックして動けなくなっていた。その後、3人で車を動かそうとした際、車が後方へ動き出し、約8.5メートル下の線路脇へ転落して横転したという。
40歳男性が車外からハンドル、2人が前方から押す
警察によると、車を動かそうとした際、40歳の男性が車外から運転席のハンドルを操作し、45歳の男性と71歳の女性が車の前方から押していた。
現場は下り勾配だった。
軽自動車はバックする形で動き出し、そのまま斜面を約8.5メートル下まで転落。飯山線の線路脇で横転したとされる。
警察は、車両の移動方法を誤れば線路敷へ転落させる危険があったにもかかわらず、必要な注意を怠って不用意に車を動かし、列車の往来に危険を生じさせた疑いがあるとして、3人を書類送検した。
3人はいずれも容疑を認めているという。
飯山線、約3時間半にわたり運転見合わせ
車両の転落は、実際の列車運行にも影響した。
軽自動車をレッカー車で撤去するため、飯山線は現場周辺で約3時間半にわたり運転を見合わせた。
上下3本に部分運休や遅れが発生し、利用客およそ20人に影響が出たという。
列車との衝突事故には至らなかったものの、線路脇への車両転落によって安全確認と撤去作業が必要となり、鉄道運行が長時間停止する事態となった。
観光列車「越乃Shu*Kura」撮影が目的の一つか
警察は、3人が観光列車の撮影を目的の一つとして現地を訪れていたとみている。
事故当日の8月31日は、JR東日本の観光列車「越乃Shu*Kura」が、長野駅から飯山線を経由して新潟県長岡駅まで運行していた。
同列車は通常、新潟県内を中心に運行しており、8月29日から31日までの3日間は長野県内で初めて運行されていた。
限定的な運行だったこともあり、沿線には列車を撮影しようとする鉄道ファンが訪れていたとみられる。
ただし、今回の車両転落によって「越乃Shu*Kura」そのものの運行に影響はなかったという。
「列車を撮影するための移動」が書類送検につながる結果に
今回の書類送検で重要なのは、撮影そのものではなく、列車撮影のために沿線へ入り、停車させた車を不適切な方法で動かした結果、鉄道の安全運行に危険を生じさせたと警察が判断した点だ。
過失往来危険は、過失によって列車などの往来に危険を生じさせた場合に問題となる。
今回は軽自動車が線路上まで入り込んだわけではないが、約8.5メートル下の線路脇へ転落し、実際に飯山線の運転が約3時間半止まった。
鉄道沿線での行動が、事故だけでなく鉄道運行や利用客にも直接影響する事案となった。
書類送検後の判断は長野地検へ
3人は逮捕されたのではなく、過失往来危険の疑いで書類送検された。
今後は長野地検が、警察から送られた捜査資料をもとに、起訴・不起訴など刑事処分を判断することになる。
書類送検された段階で有罪が確定したわけではない。
一方、警察の調べに対し、3人は容疑を認めているという。
編集部まとめ
長野県栄村のJR飯山線沿線で、列車撮影に訪れていた群馬県高崎市の親子3人が、過失往来危険の疑いで長野地検に書類送検された。
3人は8月31日、横倉駅と森宮野原駅の間の線路沿いに軽自動車を停めて列車を撮影。撮影後、スタックした車を3人で動かそうとしたところ、車が後方へ動き出し、約8.5メートル下の線路脇へ転落・横転したとされる。
事故の影響で飯山線は約3時間半運転を見合わせ、上下3本に部分運休や遅れが発生。約20人に影響が出た。
警察は、3人が観光列車「越乃Shu*Kura」の撮影を目的の一つとして現地を訪れていたとみている。
今回、警察が問題としたのは列車撮影という趣味そのものではなく、車両を動かす際に必要な注意を怠り、鉄道の往来に危険を生じさせたとされる点だ。今後は長野地検が刑事処分を判断する。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
本記事は、2026年10月10日時点で警察発表を基に報じられた内容を整理して構成しています。
書類送検された3人は、40歳と45歳の男性、71歳の女性の親子で、いずれも群馬県高崎市在住とされています。
3人は過失往来危険の疑いで書類送検された段階であり、有罪が確定したものではありません。
警察は観光列車の撮影が目的の一つだったとみていますが、「越乃Shu*Kura」の撮影だけが現地訪問の目的だったと断定していません。
また、同列車そのものには今回の事故による運行への影響はなかったとされています。

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