静岡県牧之原市のスイミングスクール「エースワン」で、女子児童にわいせつな行為をした疑いでアルバイト従業員の男(44)が逮捕・送検された事件で、新たな被害申告が明らかになった。
関係者などによると、10月9日までに新たに1件の被害届が警察へ提出され、あわせて4件の被害相談が寄せられているという。
警察が被害届や相談件数を公式に発表したものではなく、被害届1件と4件の相談がどのような関係にあるのかも明らかになっていない。
事件を受けて8日夜にはスクール側が保護者説明会を開催。事件発覚後の情報公開や当時の監視体制などをめぐり、保護者から厳しい指摘が相次いだ。
44歳のアルバイト従業員を逮捕・送検
男は2025年6月、コーチを務めていた牧之原市内のスイミングスクールで、女子児童の体を触るなどのわいせつ行為をした疑いで逮捕され、その後送検されている。
逮捕・送検は捜査手続きの段階であり、刑事責任が確定したものではない。
今回、新たな被害届が提出されたとの情報が明らかになったことで、警察が逮捕容疑となった事案以外についても事実関係を確認する可能性がある。
ただし、現時点では新たな被害届について別事件として立件されたとの発表は確認されていない。
新たに被害届1件 被害相談は4件
関係者などによると、9日までに新たに1件の被害届が警察へ提出され、4件の被害相談も寄せられているという。
ここで注意が必要なのは、「被害届1件」と「被害相談4件」を単純に合算できないことだ。
被害届を提出したとされる事案が4件の相談の中に含まれているのか、それとは別の事案なのかは分かっていない。
また、「4件の相談」がそのまま「被害者4人」を意味するとも限らない。
そのため、本稿では被害者数を推定せず、
新たな被害届1件が提出されたとの情報があり、被害相談は4件
という確認できる範囲にとどめる。
保護者説明会で厳しい声
スクール側は8日夜、保護者を対象とした説明会を開き、事件発覚までの経緯や対応について説明した。
説明会では、事件後の情報公開について保護者から疑問の声が上がった。
逮捕後も公式ホームページなどで十分な説明がない一方、SNSの更新が続いていたとして、対応の感覚を疑問視する意見も出た。
スクール側は、被害を受けた児童や家族、利用者への報告や謝罪が遅れたことについて謝罪した。
今後はレッスン環境を見直し、再発防止に取り組むとしている。
「監視体制がまずかったのでは」安全管理にも指摘
保護者説明会では、当時のレッスン中の監視体制についても厳しい指摘が出た。
問題となっている行為がスイミングスクールでの指導中にあったとされることから、
指導者と児童がどのような環境に置かれていたのか、周囲から確認できる体制だったのか
という点が今後の検証対象になる。
スクール側はレッスン環境を見直すとしているが、具体的にどのような監視体制や指導方法へ変更するのかについては、今後の説明が重要になる。
市教委は性的被害の疑い把握後も授業を委託
事件では、牧之原市教育委員会の対応も問題となっている。
市教委は2026年6月、性的被害が疑われる事案について情報を把握していた。
その後、スクール側へ確認したところ、被害の事実は確認できなかったとの説明を受け、市教委は7月から9月まで榛原中学校の水泳授業をスクールへ委託した。
逮捕された男も、この委託授業を担当していた。
市教委としては、スクール側への確認結果などを踏まえて契約を進めた形だが、性的被害の可能性を把握した段階での確認が十分だったのかについて、市議会から疑問が示されている。
市議会から「甘さがあったのでは」
8日には、牧之原市教育委員会が市議会に一連の経緯を報告した。
議員からは、性的被害の疑いについて確実な事実確認ができない状態で授業委託を進めた対応について、
「少し甘さがあったのではないか」
との趣旨の厳しい指摘が出た。
橋本勝教育長は、契約を結んだこと自体については現在も問題はなかったとの認識を示す一方、時間があれば、より丁寧に対応する必要があったとの趣旨で説明している。
「契約に問題はない」とする市教委 残る検証課題
市教委が問題の可能性を認識しながら契約を継続したことについては、単純に「危険を認識しながら放置した」と断定することはできない。
市教委はスクール側へ事実確認を行い、「被害の事実は確認できなかった」との説明を受けたうえで契約を進めていたためだ。
一方で、児童への性的被害が疑われる情報という性質を考えれば、
- スクール側への聞き取りだけで十分だったのか
- 第三者を含めた確認が必要ではなかったのか
- 委託開始前に追加の安全措置を取れなかったのか
- 保護者や学校側へどこまで情報共有すべきだったのか
といった点は検証が必要になる。
被害の全体像とスクールの初動が焦点
今回、新たな被害届が提出されたとの情報と、4件の被害相談が寄せられていることが明らかになったことで、事件は新たな段階に入った。
今後の焦点は、逮捕容疑となった事案以外にも被害が確認されるのか、相談内容に共通性があるのか、スクール側がどの段階で何を把握していたのかという点だ。
同時に、事件発覚後の保護者への説明、SNSを含む情報発信、レッスン時の監視体制についても検証が求められる。
未成年者が関係する性的被害では、本人の心理的負担やプライバシーへの配慮が最優先となる。
新たな相談や被害申告についても、人数を先行して推測するのではなく、警察などによる確認を待ちながら慎重に扱う必要がある。
編集部まとめ
静岡県牧之原市のスイミングスクールで、44歳のアルバイト従業員の男が女子児童へのわいせつ行為をした疑いで逮捕・送検された事件で、新たな被害申告が明らかになった。
関係者などによると、10月9日までに新たに1件の被害届が警察へ提出され、4件の被害相談が寄せられているという。
ただし、警察がこれらの件数を公式発表したものではなく、被害届1件と相談4件との関係も明らかになっていない。したがって「被害者が5人」といった単純な合算はできない。
8日の保護者説明会では、事件発覚後の情報公開やレッスン中の監視体制について厳しい指摘が出た。
また、市教委は2026年6月に性的被害が疑われる情報を把握しながら、スクール側への確認後、7月から9月にかけて中学校の水泳授業を委託していた。
今後は、被害の全体像だけでなく、スクールの安全管理と初動対応、市教委が疑いを把握した後の確認方法と契約判断が適切だったのかについても検証が続く。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
本記事は2026年10月10日時点で確認できる警察、市教育委員会、スクール側の説明、関係者情報などを整理して構成しています。
新たな被害届1件と被害相談4件については関係者などによる情報であり、警察が件数を公式に発表したものではありません。
被害届を提出したとされる事案が4件の相談に含まれるのかは明らかになっておらず、被害者数を単純に合算することはできません。
逮捕・送検された男は捜査段階であり、刑事責任が確定したものではありません。

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