【愛知】「ショウリンジじゃ!」迷惑行為157件 SNSで拡散“少林寺レーシング” 県警が「検挙もある」と警告

愛知県内で110番通報や交番などに向かって「ショウリンジ」と叫ぶ“少林寺レーシング”と呼ばれる迷惑行為が相次ぎ、愛知県警が注意を呼びかけている問題を伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

愛知県内で、交番や警察署に向かって「ショウリンジ」と叫んで逃走したり、110番通報で同様の言葉を叫んだりする迷惑行為が相次いでいる。

SNS上では、こうした行為が「少林寺レーシング」などと呼ばれ、TikTokをはじめとする動画投稿サービスで拡散。愛知県警によると、県内で集計を始めた9月17日から10月8日までに、「少林寺レーシング」とみられる通報や交番などへの迷惑行為は157件に上った。

10月3日には、春日井市のJR高蔵寺駅前でも、自転車に乗った少年が交番に向かって「ショウリンジ」と叫び、そのまま走り去る行為が確認されたという。

愛知県警は9月25日付で教育委員会に文書を送り、児童・生徒への注意喚起を要請。「いたずら」「遊び」の感覚でも、警察官の業務を妨害するなどすれば検挙されることがあるとして警告している。

9月17日から10月8日までに157件

県警が把握している「少林寺レーシング」とみられる行為は、短期間で急増している。

確認されているのは、交番や警察署の前で「ショウリンジ」と叫んで逃げる行為だけではない。

公衆電話などから110番通報し、電話口で叫ぶ動画もSNS上に投稿されている。

重要なのは、157件という数字が「157人を検挙した」「157件すべて犯罪として立件した」という意味ではないことだ。

県警が把握した通報や交番などへの迷惑行為の件数であり、個別の行為が刑事事件として扱われるかどうかは、それぞれの内容によって異なる。

同じ人物が繰り返しているケースもあるとされる。

春日井・高蔵寺駅前でも少年が叫んで逃走

10月3日には、春日井市のJR高蔵寺駅前でも同様の行為が確認された。

警察によると、自転車に乗った少年が駅前の交番に向かって「ショウリンジ」と叫び、そのまま走り去ったという。

SNS上では、警察施設の前で叫ぶ様子を撮影し、その動画を公開する形式が広がっている。

ただし、この少年が実際に動画投稿を目的としていたのか、SNS上の「少林寺レーシング」と呼ばれる投稿者らと関係していたのかについては明らかになっていない。

「同じ言葉を叫んだ」という事実だけで、特定のグループへの所属を断定することはできない。

「少林寺レーシング」とは何か 由来は不明

「少林寺レーシング」は正式な団体名として確認されているわけではない。

SNS上で、警察への挑発行為などを撮影・投稿する動画に付けられている呼び方で、その由来も明確ではない。

県警の少年サポートセンターは、「ショウリンジ」と叫ぶ行為自体については2026年に入ってから確認されるようになったとしている。

一方、警察を挑発して逃走するといった行為そのものは以前から存在していたという。

変化したのは、挑発行為そのものよりも、それを撮影してSNSへ投稿し、模倣する人が次々と現れる構造だ。

110番へのいたずら 「叫ぶだけ」で終わらない理由

110番は事件や事故など緊急対応が必要な際に利用するための通報手段だ。

「ショウリンジ」と叫ぶこと自体だけを切り取れば、一見すると悪ふざけに見える。

しかし、110番が入れば警察側は内容を確認しなければならない。

虚偽やいたずらの通報によって警察業務に支障を与えれば、単なるSNS上の「ネタ」では済まない可能性がある。

愛知県警も教育委員会への注意喚起で、いたずらや遊びのつもりでも、法律に触れれば検挙される場合があると警告している。

SNSで「より目立つ行為」へエスカレートする懸念

県警が特に警戒しているのが、動画投稿を目的として行為が次第に過激になることだ。

警察への挑発を撮影して投稿する。

動画が再生される。

それを見た別の少年が模倣する。

さらに目立つため、前の動画より危険なことをする。

こうした連鎖が起きれば、単なる大声やいたずら通報から、交通事故や公務執行妨害などにつながる可能性がある。

実際、愛知県内では警察を挑発する別の行為がすでに事件化している。