【静岡・伊東市】中学いじめ重大事態、相談から2年5カ月で市長報告 同じ生徒に別の重大事態も

静岡県伊東市の中学校いじめ重大事態で、2024年5月の相談から約2年5カ月後に市教育委員会が調査報告書を市長に提出したことを伝える報道グラフィック

静岡県伊東市の中学校で起きたいじめ重大事態について、市教育委員会は2026年10月9日、調査報告書を杉本憲也市長に提出した。調査ではいじめの事実が認定された。市教委によると、市内中学校の重大事態調査でいじめが認定されたのは初めてとなる。

保護者が市に被害を相談したのは2024年5月。市長への調査結果の提出まで約2年5カ月を要した。報告書は今年7月に取りまとめられており、完成から提出までにも約3カ月が経過している。

同じ生徒については、別の少年から暴行や金銭被害を受けたとの訴えもあり、市教委が新たな重大事態として調査を進めている。

調査委員会10回、聞き取り5回 報告書完成は2026年7月

市教委によると、2024年5月、市内の中学校に通う生徒の保護者から、いじめ被害を訴える相談が寄せられた。

市教委は翌6月、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態と認定し、7月に調査委員会を設置した。委員会は2025年3月から2026年5月にかけて計10回開催され、関係者への聞き取りも計5回実施された。

調査報告書がまとまったのは2026年7月。その後、10月9日に杉本市長へ提出された。

最初の相談から報告書の完成までは約2年2カ月、市長への提出までは約2年5カ月となる。報告書が完成してから提出されるまでの具体的な経緯は明らかになっていない。

調査委員会は2024年7月に設置されたが、報道で示された会議の開催期間は2025年3月からとなっている。この間の準備や調査活動についても、今回確認できた情報だけでは判断できない。

市内中学校の重大事態調査で初のいじめ認定

調査の結果、いじめがあったと認定できる事案が確認された。

市教委によると、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査で、市内中学校のいじめが認定されたのは今回が初めてという。過去に市内でいじめが発生していなかったという意味ではなく、重大事態調査による認定についての説明だ。

報告書の詳しい内容は明らかにされていない。どのような行為がいじめと認定され、学校や市教委の対応について調査委員会がどのような評価を示したのかは、今回の発表では確認できない。

同じ生徒に別の被害申告 顔への暴行や金銭被害も

同じ生徒をめぐっては、最初の事案とは別の重大事態調査も進んでいる。

2026年7月3日の報道によると、最初の事案では、当時中学1年生だった生徒がメッセージアプリを通じて同級生からいじめを受け、不登校になったとされる。

その後、父親が市に対し、別の少年から顔を殴られたり、現金を取られたりしたと訴えた。

静岡県には6月29日、市から新たな事案も重大事態と認定し、調査を進める方針が伝えられたという。

市教委の担当者は当時、再び重大事態が起きたことについて残念だとしたうえで、今回の事案にも誠実に対応する考えを示していた。

ただし、顔への暴行や金銭被害については保護者からの申告内容であり、今回の調査報告書で認定された事実とは別のものだ。新たな事案についての調査結果は、今回確認した報道では示されていない。

杉本市長、被害生徒のケアを最優先 再調査も法的には可能

10月9日に調査報告書を受け取った杉本市長は、いじめはあってはならないとの認識を示し、被害生徒のケアを最優先に対応する考えを明らかにした。

報告書の内容を改めて確認し、速やかに適切な対応を進める方針だという。

いじめ防止対策推進法第30条では、公立学校で重大事態が発生した場合、教育委員会を通じて自治体の長に報告することを定めている。同条第2項では、自治体の長が必要と認めた場合、学校や教育委員会による調査結果を改めて調査できる。

今回の10月9日の提出は調査報告書の提出であり、重大事態の発生を市長へ初めて報告した日を意味するものではない。

市教委は再発防止に取り組む姿勢を示している。同じ生徒について別の重大事態調査も進むなか、市長による報告書の確認と、その後の対応が続くことになる。

編集部まとめ

伊東市の中学校で起きたいじめ重大事態は、2024年5月の保護者相談から約2年5カ月を経て、調査結果が市長に提出された。

市内中学校の重大事態調査では初めていじめが認定された。一方、同じ生徒については別の暴行や金銭被害の訴えもあり、新たな調査が進められている。

今回の報告書が7月に完成してから10月に提出された経緯や、学校側の対応に関する調査委員会の評価は明らかになっていない。週刊TAKAPIは今後も取材・検証を続ける。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

本記事は、2026年10月12日時点で確認できた公表情報および報道内容をもとに構成した。

伊東市教育委員会によるいじめ重大事態の調査結果、市長への報告、調査の経過については、2026年10月9日付の報道を参照した。同じ生徒に関する別件については、同年7月3日付の報道内容を参考に、保護者による被害申告と調査で認定された事実を区別している。

調査報告書の詳細な内容は確認できておらず、調査期間の長期化や学校側の対応について、根拠のない推測は加えていない。また、未成年者のプライバシー保護のため、関係する生徒や学校の特定につながる情報は掲載していない。

Q伊東市の中学校で起きた「いじめ重大事態」とは何ですか?
A伊東市内の中学校で、生徒へのいじめをめぐり、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」として扱われた事案です。学校や市教育委員会の対応経緯が検証されています。
Q市長への報告までどのくらいかかったのですか?
A生徒側からの相談から、市長への報告まで約2年5カ月を要したとされています。
Qなぜ報告の遅れが問題になっているのですか?
Aいじめ重大事態では、学校や教育委員会に迅速な調査と報告が求められます。今回、相談から市長報告まで長期間を要したため、対応が適切だったのかが問われています。
Q同じ生徒に別の重大事態もあったのですか?
Aはい。同じ生徒をめぐり、別のいじめ重大事態も確認されています。複数の事案がどのように把握され、学校や市教委が対応したのかも検証対象となります。
Q今後の焦点は何ですか?
A学校や伊東市教育委員会が、いつ重大事態を把握し、なぜ市長報告まで時間を要したのか、別の重大事態との関係、再発防止策や生徒への支援がどのように整理されるかが焦点です。

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