【広島県福山市】県立大門高校の教員が修学旅行中に個人情報を紛失 生徒226人の連絡先や病歴・服薬情報、写真約170枚も

広島県教育委員会は10月20日、福山市の県立大門高等学校で、修学旅行の引率教員が生徒や保護者、教職員の個人情報を含むリュックサックを紛失したと発表した。

紛失したのは、2年生226人分の保護者の緊急連絡先、108人分の健康調査表、修学旅行中に撮影された生徒の写真160~170枚が保存された学校所有のiPadなど。

健康調査表には、治療中の病気や受診履歴、服薬状況、アレルギーに関する情報も記載されていた。

リュックサックは10月9日に神奈川県の新横浜駅付近で紛失したとみられ、県教委が20日に公表した時点でも発見されていない。

新横浜駅でリュックの紛失に気づく 教員は生徒の引率を優先

県教委の発表によると、同校では10月6日から9日まで修学旅行を実施していた。

最終日の9日午後3時40分ごろ、引率教員は新横浜駅東口での解散式を終え、移動を開始した。

午後4時ごろ、新幹線ホームで待機していた際、自身のリュックサックがないことに気づいたという。

教員は解散式を行った付近に置き忘れたと認識していたものの、正確な場所は分かっていない。

午後4時6分に新幹線が到着すると、教員は生徒の引率を優先して乗車。その後、午後4時20分ごろに教頭へ紛失を報告した。

午後4時30分には教頭から校長へ報告され、校長から県教育委員会にも連絡された。

教員は新幹線の車内から警察に紛失届を提出。翌日以降も警察署や鉄道会社、防災センター、旅行会社の添乗員らと連携して捜索を続けている。

病歴や服薬状況も 紛失した個人情報の内容

今回紛失したリュックサックには、次の情報が含まれていた。

  • 保護者の緊急連絡先(226人分):2年生のクラス、出席番号、氏名、ふりがな、性別、保護者の連絡先
  • 修学旅行健康調査表(108人分):生徒氏名、治療中の病気、受診履歴、乗り物酔い、服薬状況、アレルギーなど
  • 学校所有のiPad(1台):修学旅行で撮影した生徒約100人分の写真160~170枚
  • 教員の個人手帳:3年生の入試指導記録3人分、部活動記録3人分、保護者との電話・来校対応記録3人分
  • 教職員緊急連絡網(69人分):教職員の氏名と携帯電話番号

これらは複数の資料にまたがっており、人数には重複がある可能性がある。

特に健康調査表には、生徒の健康状態や医療に関する情報が含まれていた。

現時点で第三者による閲覧や情報の悪用が確認されたとの記載は、県教委の報道提供資料にはない。ただし、リュックサック自体が発見されていないため、情報の所在は確認できていない状況だ。

全校生徒に謝罪 20日には保護者説明会

同校は10月19日に全校生徒に対して謝罪した。

翌20日には全保護者を対象とする説明会を開催し、事案の経緯や紛失した情報の内容、再発防止策について説明し、謝罪する予定だと発表した。

また、広島県教育委員会は、全県立学校に対して、管理職や教務主任を対象とした研修会などを通じ、個人情報の適切な取り扱いについて改めて指導するとしている。

なぜ個人のリュックに大量の個人情報が入っていたのか

今回の事案で検証すべきなのは、単なる置き忘れにとどまらない学校側の個人情報管理体制だ。

修学旅行中、生徒の健康状態や緊急連絡先を把握しておく必要性はある。しかし、健康調査表や連絡網、入試指導記録などが同じリュックサックに入っていた理由については、県教委の発表資料では説明されていない。

また、学校所有のiPadについても、端末のロックや暗号化、遠隔操作によるデータ消去などの安全対策が講じられていたかは明らかになっていない。

こうした点は、個人情報の流出リスクを評価する上で重要となる。

ポイントをQ&Aで整理

Qどこの学校で起きたのか?
A広島県福山市幕山台にある県立大門高等学校。2026年5月1日時点の生徒数は668人。
Q何人分の情報が紛失したのか?
A2年生226人分の緊急連絡先、108人分の健康調査表、教職員69人分の連絡網など。写真データには生徒約100人が写っているとされる。重複があるため、対象者の合計人数は確定できない。
Q紛失したリュックサックは見つかったのか?
A10月20日の発表時点では発見されていない。
Q個人情報の流出は確認されたのか?
A提供資料には、第三者による閲覧や悪用が確認されたとの記載はない。紛失した情報が実際に第三者へ渡ったかどうかは不明。
Q学校や県教委はどう対応するのか?
A学校は生徒への謝罪と保護者説明会を実施。県教委は全県立学校に対し、個人情報の取り扱いについて改めて指導する方針。

今回の紛失事案は、生徒の個人情報、とりわけ健康・医療に関する情報を学校がどのように管理していたのかという課題を浮き彫りにした。

修学旅行という校外活動の特殊性を踏まえつつ、情報の持ち出し基準、保管方法、紛失時の対応について、具体的な検証が求められる。

取材資料: 広島県教育委員会「広島県立大門高等学校における個人情報の紛失について」(2026年10月20日)

資料公表日: 2026年10月20日
記事作成日: 2026年10月21日
担当: 週刊TAKAPI編集部

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