物価高が続き、食料品や光熱費、家賃などの負担が増すなか、20代の若者にとって「自分の年収は同世代と比べて高いのか、低いのか」は気になるテーマだ。
国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分(2025年分)民間給与実態統計調査」によると、20代前半(20~24歳)の平均年収は280万円、20代後半(25~29歳)は425万円だった。
20代前半と後半では、平均年収に約145万円の差があることが分かった。
さらに、男女別や業種別に比較すると、同じ20代でも給与水準に大きな違いがある。
今回は最新の公的統計をもとに、20代の平均年収、男女差、年収の高い業種、生活への影響を分かりやすく解説する。
20代の平均年収はいくら?最新統計で判明した実態
20~24歳
280万円
平均年収・男女計
25~29歳
425万円
平均年収・男女計
出典:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」。万円単位に四捨五入。
国税庁の最新調査によると、日本の民間企業で1年間を通じて勤務した給与所得者の平均年収は、全体で約487万円だった。
20代の平均年収は、この全国平均を下回っている。
| 年齢層 | 平均年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 280万円 |
| 25~29歳 | 425万円 |
| 全年齢平均 | 487万円 |
20代後半になると、前半に比べて平均年収が約52%高くなる計算だ。
ただし、これは同じ人を追跡した昇給率ではない。年齢層ごとに異なる人々を集計した結果であり、全員の給与が5年間で145万円増えるという意味ではない。
【男女別】20代男性・女性の平均年収を比較
最新の統計では、20代前半と後半のどちらも男性の平均年収が女性を上回っている。
| 年齢 | 男性 | 女性 | 男女差 |
|---|---|---|---|
| 20~24歳 | 294万円 | 265万円 | 29万円 |
| 25~29歳 | 460万円 | 383万円 | 77万円 |
20代後半で男女の年収差が拡大
20代前半の男女差は29万円だが、20代後半では77万円に広がっている。
背景として考えられるのは、雇用形態、業種、勤務時間、勤続年数などの違いだ。
ただし、この統計だけでは男女差の原因を特定できない。
また、同じ年齢でも正社員と非正規雇用では給与水準が異なる場合があるため、平均年収だけで待遇の良し悪しを判断することはできない。
【業種別】20代で平均年収が高い仕事は?金融・インフラ関連が上位
20代の年収を左右する要因の一つが、勤務先の業種だ。
国税庁の統計を業種別に見ると、20代前半では「電気・ガス・熱供給・水道業」、20代後半では「金融業、保険業」が最も高い水準となっている。
20代前半・業種別トップ
20~24歳
電気・ガス・熱供給・水道業
481万円
20代後半・業種別トップ
25~29歳
金融業・保険業
587万円
国税庁の2025年分統計に基づく業種別平均給与。乙欄適用者を除く集計。
一方、宿泊業や飲食サービス業は、20代前半・後半ともに比較的低い水準となっている。
ただし、業種の平均給与は、同じ業界のすべての企業に当てはまるわけではない。企業規模や職務内容によっても差がある。
20代で年収500万円は高い?転職市場のデータから分析
転職サービス「doda」が2025年12月に公表した平均年収ランキングでは、20代全体の平均年収は365万円だった。
同調査では、20代の年収分布は次のようになっている。
| 年収帯 | 割合 |
|---|---|
| 300万円未満 | 25.2% |
| 300万~400万円未満 | 38.6% |
| 400万~500万円未満 | 22.0% |
| 500万円以上 | 14.2% |
この調査対象では、20代で年収500万円以上の人は約7人に1人となる。
ただし、dodaの数値は登録者を対象にした調査であり、国税庁の全国統計とは調査対象が異なる。そのため、日本の20代全体で同じ割合になるとは限らない。
20代の平均年収280万円・425万円は月収にするといくら?
年収を12か月で単純に割ると、次のようになる。
| 平均年収 | 月額換算 |
|---|---|
| 280万円 | 約23.3万円 |
| 425万円 | 約35.4万円 |
| 500万円 | 約41.7万円 |
ただし、これらは税金や社会保険料を差し引く前の金額だ。
また、平均年収にはボーナスも含まれるため、実際の毎月の給与がこの金額になるとは限らない。
手取り額と額面年収は違う
年収が同じでも、扶養状況、社会保険、住民税、各種控除などによって手取り額は変わる。
生活設計を考える際は、年収だけでなく、実際に毎月使える金額を確認することが重要だ。
【編集部考察】20代の年収格差は今後どうなる?
今回の統計で注目したいのは、20代前半と後半の平均年収に145万円もの開きがあることだ。
一方で、業種によっては20代前半から全国平均に近い給与水準に達している。
企業選びによって将来の収入が変わる可能性
20代のうちは、基本給だけでなく、昇給制度、賞与、資格手当、福利厚生なども重要な判断材料になる。
特に製造業が集積する愛知県では、同じ製造業でも大企業と中小企業、技術職と事務職などで待遇が異なる可能性がある。
豊橋市や豊川市、蒲郡市、田原市など東三河地域でも、地域の平均年収を一律に捉えるのではなく、企業ごとの賃金体系や働き方を比較することが必要だろう。
今回の全国統計だけでは、東三河の20代の平均年収や地域内の男女差までは判断できない。地域の実態を明らかにするには、愛知県の賃金統計や地元企業の給与データを追加検証する必要がある。
まとめ|20代の平均年収は前半280万円、後半425万円
2026年に公表された最新の国税庁統計から、20代の平均年収には年齢、性別、業種によって大きな違いがあることが明らかになった。
20代後半では金融・保険業の平均年収が587万円に達するなど、若い世代でも高い給与水準の業種が存在する。
一方、平均年収はあくまでも統計上の目安だ。物価高が続くなか、給与の額面だけでなく、手取り額や生活費、今後の昇給見込みも含めた判断が求められる。
※本記事の考察部分は、公表された統計や経済・雇用環境をもとにした週刊TAKAPI編集部の独自分析であり、将来の給与水準を断定するものではありません。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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