石川県内の銭湯で女性客を盗撮し、撮影した動画をSNSを通じて販売したとして、京都府警生活保安課と山科署は11月5日、金沢市に住む夫婦を性的姿態撮影等処罰法違反(撮影・提供)の疑いで逮捕した。
逮捕されたのは、会社員の中武大地容疑者(35)と、妻でアルバイト従業員の美里容疑者(24)。
警察によると、夫の指示を受けた妻が女性客を装って入浴施設で撮影し、夫がインターネット上で動画を販売していたとみられる。
2人は容疑を認め、生活費を補う目的だったと説明しているという。さらに、約100回の盗撮を行い、動画の販売で約500万円を売り上げたとの趣旨の供述もしている。
ただし、撮影回数や売上額の全容は明らかになっておらず、府警が余罪を調べている。
女性脱衣場で3回盗撮した疑い 動画URLを男性3人に提供
逮捕容疑は、共謀して2026年5月28日から7月9日ごろまでの間、石川県内の銭湯の女性脱衣場で、着替え中の女性3人を計3回にわたってひそかに撮影したというもの。
さらに、5月31日から7月10日ごろにかけ、撮影した動画データを閲覧できるURLをメッセージアプリで男性3人に送信し、提供した疑いが持たれている。
京都府警によると、妻は一般の入浴客を装って施設に入り、スマートフォンや小型カメラを使って撮影していたとみられる。
府警は撮影に使われたとみられるスマートフォンやバッグ、小型カメラなどを押収している。
今回の逮捕容疑に含まれる女性は3人だが、実際に撮影された人数が3人に限られるかどうかは分かっていない。
妻が撮影、夫が販売か 1本2000円で購入者を募集
警察によると、夫の大地容疑者が撮影を指示し、妻の美里容疑者が入浴施設内で実際に撮影を担当していたとみられる。
撮影された動画は夫がインターネット上で販売していたという。
動画は1本2000円で販売され、SNS上で購入者を募っていたとされる。
事件の発覚につながったのは、京都府警によるサイバーパトロールだった。
府警が動画の購入を募る投稿を発見し、捜査を進めた結果、夫婦の関与が浮上した。
今回の事件は、撮影した動画を私的に保存するだけではなく、金銭を得る目的で第三者に提供していた疑いがある点が特徴だ。
警察は夫婦の役割分担や、撮影された動画の販売実態を調べている。
「約100回撮影」「約500万円売上」供述の裏付けが焦点
2人は取り調べに対し、約100回の盗撮を行い、約500万円を売り上げたという趣旨の供述をしている。
また、主に石川県内で撮影した動画を数百人に販売し、500万円以上を得たとする供述も報じられている。
これらの数字は現時点で容疑者側の説明として伝えられているもので、販売履歴や入金記録などによって全額が裏付けられたと確認されたわけではない。
約500万円という金額についても、販売による売上と、経費などを差し引いた利益は区別する必要がある。
また、撮影回数と被害者数、動画の販売件数は同じではない。
今回の逮捕容疑は女性3人への計3回の撮影と、男性3人への提供に関するものだ。
仮に約100回という供述が裏付けられれば、逮捕容疑以外にも撮影が繰り返されていたことになるが、実際の被害者総数については今後の捜査を待つ必要がある。
動画の撮影と提供を別々に処罰 性的姿態撮影等処罰法
今回適用された性的姿態撮影等処罰法は、2023年7月に施行された。
同法第2条は、正当な理由なく他人の性的な姿をひそかに撮影する行為などを処罰対象とする。
さらに第3条では、違法な撮影行為などによって生成された性的な画像や動画を第三者に提供する行為を処罰している。
不特定または多数の者に提供する場合などには、より重い法定刑が設けられている。
法律が撮影だけでなく提供も処罰するのは、性的な画像や動画が第三者の手に渡ることで、本人の知らない場所で閲覧・拡散される危険が生じるためだ。
今回の事件では、撮影したとされる行為と、動画を閲覧できるURLを購入者へ送信したとされる行為の双方が逮捕容疑となっている。
ただし、動画の購入者がさらに別の人物へ転送した事実や、二次配布が行われた事実は確認できていない。
入浴施設の安全対策にも課題
今回の事件では、女性客を装った人物が撮影を担当していたとみられる。
銭湯の脱衣場や浴場は、利用者の身体的なプライバシーが強く保護されるべき場所だ。
施設内への不審者の侵入を防ぐ対策だけでは、一般客を装った人物による撮影行為を発見することが難しい場合もある。
一方、盗撮防止を目的として脱衣場の監視を過度に強化すれば、利用者のプライバシーを別の形で損なうおそれがある。
撮影禁止の周知や、施設利用者が不審な行為を発見した際の連絡体制など、プライバシーを守りながら安全を確保する仕組みが重要となる。
ただし、今回の事件で施設側に管理上の不備があったと確認されたわけではない。
京都府警が余罪を捜査 被害の広がりは不明
事件の撮影場所は石川県内だが、逮捕したのは京都府警生活保安課と山科署だった。
府警はインターネット上の動画販売に関する投稿を把握したことを端緒に捜査を進めたという。
今後は、今回の逮捕容疑に含まれない撮影行為の有無、実際の販売件数、動画の提供先などが捜査上の焦点となる。
販売された動画が購入者の手元に残っている可能性はあるが、現時点で保存状況や再配布の有無が確認されたわけではない。
警察が押収した機器や販売履歴などをどこまで確認できるかが、事件全体の解明につながる。
編集部まとめ
金沢市の夫婦が逮捕された今回の事件では、妻が入浴施設で女性客を盗撮し、夫が動画をインターネット上で販売していた疑いが持たれている。
夫婦は約100回の盗撮や約500万円の売上を供述しているが、今回の逮捕容疑に含まれるのは女性3人への撮影と男性3人への動画提供だ。
被害者の総数や動画の販売規模は、まだ確定していない。
本人の知らないところで性的な姿が撮影され、金銭と引き換えに第三者へ渡ることは、プライバシーの重大な侵害につながる。
今後の捜査では、夫婦の関与と販売の実態を明らかにするとともに、被害がどこまで広がっているのかを確認することが求められる。
特記事項
本記事は2026年11月5日に確認できた逮捕報道と、性的姿態撮影等処罰法の条文、政府公表資料を基に構成した。
約100回の撮影、数百人への販売、約500万円から500万円以上という売上額はいずれも容疑者側の供述として伝えられたものであり、捜査によって確定した件数や金額ではない。
動画の購入者による再配布の有無、被害者の総数、販売による実際の利益は確認できていない。
2人は逮捕された段階であり、犯罪の成立や刑事責任が裁判で確定したものではない。
週刊TAKAPI編集部/松本
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