「日本は名車を捨てろと言うのか?」2026年度自動車税通知書が届き始める 13年超え車に15%重課、SNSで不満噴出

5月に入り、各地で2026年度の自動車税納税通知書が届き始めた。納付期限は多くの自治体で6月1日となる。家計への負担が増えるなか、新車登録から13年を超えた車に課される重課措置をめぐり、SNSでは不満の声が広がっている。

「大事に乗っているだけなのに、なぜ税金が上がるのか」

「古い車を長く使うと損をする制度はおかしい」

「日本は名車を捨てろと言っているのか」

自動車税の通知書が届く時期になると、毎年のようにこうした声が出る。今年も例外ではない。

自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有している人に課される地方税だ。普通車は都道府県、軽自動車は市区町村が課税する。税額は排気量、車種、登録時期によって変わる。

特に不満が集まっているのが、いわゆる「13年超え車」への重課だ。ガソリン車やLPG車は、初回新規登録から13年を超えると、自動車税が通常よりおおむね15%高くなる。ディーゼル車は11年を超えると対象になる。軽自動車も、初度検査から13年を超えると重課税率が適用される。

たとえば、1.5リットル超〜2.0リットル以下の自家用乗用車では、通常の自動車税は年3万9500円。13年超の重課対象になると、年4万5400円となる。差額は5900円だ。

軽自動車でも負担は増える。四輪以上の軽乗用車・自家用では、標準税率は年1万800円だが、13年を超えると年1万2900円となる。

数千円の差と見れば、小さく聞こえるかもしれない。だが、車の維持費は自動車税だけでは終わらない。ガソリン代、任意保険、車検代、修理費、タイヤ交換、バッテリー交換、駐車場代。古い車ほど部品交換も増えやすい。そこへ税金の上乗せが加わる。

制度の目的は、環境負荷の低減とされる。古い車は新しい車に比べ、排出ガスや燃費性能で不利になりやすい。そのため、税制によって環境性能の高い車への買い替えを促す狙いがある。

ただ、この説明だけでは納得できない人が多い。

Xでは、納税通知書の写真とともに怒りの投稿が目立つ。

「買い替える余裕がないから乗り続けているのに、税金まで上がるのはきつい」

「まだ走れる車を捨てて、新車を買えということなのか」

「週末しか乗らない旧車まで、年数だけで重課されるのは納得できない」

「環境を理由にするなら、走行距離も見てほしい」

Threadsでも、自動車税への不満は広がっている。固定資産税と自動車税の通知が同じ時期に届き、家計への圧迫を訴える投稿がある。複数台を所有する家庭、地方で車が欠かせない家庭、仕事で軽トラックを使う人からも、負担増を嘆く声が出ている。

Xでは怒り、Threadsではため息。

2026年度の自動車税通知書は、車好きだけの話ではなくなっている。生活費に直結する問題として受け止められている。

特に地方では、車は趣味ではない。通勤、買い物、通院、子どもの送迎、親の介護。駅まで遠い地域では、車がなければ日常生活が成り立たない。新車をすぐに買える家庭ばかりではない。中古車価格も高止まりしている。今ある車を修理しながら使うしかない人もいる。

その人たちに対し、登録から13年を超えたという理由だけで税金を上げる。

ここに不満が集まっている。

環境対策が必要ないという話ではない。排出ガスの少ない車を増やす政策には理由がある。だが、本当に環境負荷を問うなら、車齢だけで判断してよいのかという疑問は残る。

週末に数回しか走らない旧車と、毎日長距離を走る新しい大型車。

どちらが環境に負荷をかけているのかを、年式だけで決めてよいのか。

この問いに対し、今の税制は十分に答えていない。

車を長く使うことは、本来なら物を大切にする行為でもある。部品を交換し、整備記録を残し、車検を通しながら、1台の車を20年、30年と維持する人がいる。

そこには、日本の名車文化もある。

AE86、スカイライン、ロードスター、ジムニー、クラウン、マークⅡ、シビック。古い車には、単なる移動手段を超えた価値がある。親から譲られた車を大切に乗る人もいる。若い頃に買った車を、人生の節目ごとに整備して残してきた人もいる。

しかし、税制はその思いまでは見ない。

見るのは、初回登録から何年たったかという数字だ。

大切に整備していても、走行距離が少なくても、車検をきちんと通していても、13年を超えれば重課対象になる。ディーゼル車なら11年で対象になる。軽自動車も13年を超えれば税率が上がる。

SNSで「古い車を罰する制度に見える」と言われる理由は、ここにある。

さらに、負担は自動車税だけではない。車検時に支払う自動車重量税も、一定年数を超えると重くなる。つまり、車を長く使う人ほど、税金と維持費が積み上がっていく。

「名車を残せ」と言う一方で、税金では手放す方向へ追い込む。

そう受け止める人が出るのは当然だ。

もちろん、古い車のすべてを優遇すべきだという単純な話ではない。排出ガス、燃費、安全性能、整備状況、走行距離。見るべき点は多い。だが、今の制度は車齢に大きく寄っている。そこに生活者の実感とのズレがある。

古い車に乗り続ける理由は、人によって違う。

名車を守りたい人がいる。親の車を引き継いだ人がいる。仕事で使っている人がいる。買い替える余裕がない人がいる。地方で車を手放せない人がいる。子育てや介護で今の車が必要な人がいる。

そのすべてを「古い車だから負担増」とまとめてしまえば、納得できない人が出る。

納税通知書が届いた人は、まず内容を確認する必要がある。排気量、初度登録年月、税額、納期限。期限を過ぎれば延滞金が発生する可能性があり、車検にも影響する。納税そのものは避けられない。

ただ、期限までに払うことと、制度に納得することは別の話だ。

国民は税金を払う。

だからこそ、なぜその税金が必要なのか、誰にどの負担を求めているのか、説明を求める権利がある。

物を長く使うことは、悪いことなのか。

名車を守ることは、ぜいたくなのか。

買い替えられない人に、さらに負担を求めることは公平なのか。

2026年度の自動車税通知書は、今年も5月のポストに届いた。

そこに書かれているのは、ただの税額ではない。車を生活の足として使う人、名車を守ってきた人、今ある車を修理しながら乗る人たちに、国がどんな負担を求めているのかという現実だ。

そして今、その現実に対して、SNSでははっきりとした不満が出ている。

「日本は名車を捨てろと言うのか」

その問いに、制度を作る側はそろそろ正面から答えるべきだ。

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