早稲田大学「学則に基づき厳正に対処」 救急搬送現場での“飲みコール”動画に広報室が回答

救急搬送の現場とみられる場所で、早稲田大学の学生とされる若者らが“飲みコール”をしていた動画がSNS上で拡散し、批判が広がっていた問題で、早稲田大学広報室が本誌の取材に回答した。

大学側は、学生の不適切な行為に関する情報を把握した場合、関係部署で学生への聞き取りなどを行い、事実確認を進めると説明した。そのうえで、大学の規則に抵触する行為が確認された場合には、学則に基づき厳正に対処するとしている。

一方で、動画に映る若者らが同大学の学生と確認されたのか、すでに聞き取りを実施したのか、指導や処分を行ったのかについては、個別事案を理由に回答を差し控えた。つまり、大学としての一般的な対応方針は示されたものの、今回の動画に関する具体的な確認状況や処分情報は明らかにされていない。

問題となった動画では、路上に停車した救急車の近くで、救急隊員が体調不良とみられる人物に対応している場面が映っていたとされる。その周囲で、複数の若者らが飲酒時の掛け声のような声を上げていたとみられ、SNS上で一気に批判が広がった。

救急搬送の現場は、傷病者本人だけでなく、家族や友人、救急隊員にとっても緊張が続く場所だ。そうした場面で、飲み会の延長のような掛け声が上がっていたことに対し、SNSでは「救急搬送の現場でやることではない」「命に関わる場面で不適切」「救急隊員や傷病者への配慮がない」といった声が相次いだ。

批判が強まった理由は、単に若者が騒いでいたからではない。動画が、救急活動中とみられる場面で撮影されていたこと、さらに早稲田大学の学生であるとの情報が投稿上で広がったことが、大学側の対応にも注目を集める要因となった。

本誌の取材に対し、早稲田大学広報室は、学生の不適切な行為に関する情報を把握した場合、関係部署で事実確認を行うと説明した。具体的には、学生への聞き取りなどを通じて状況を確認し、必要に応じて指導や対応を検討するという。

また、飲酒を伴うトラブルや、学外の人に迷惑となる公共の場での言動については、以前から学生に対して注意喚起や指導を行っているとした。大学側は、公共の場でのふるまいについて、学生本人の問題にとどまらず、大学全体の信頼にも関わるものとして受け止めているとみられる。

ただし、今回の動画に映る若者らが早稲田大学の学生と確認されたかどうかについて、大学側は明らかにしていない。聞き取りの有無、指導の有無、処分の有無についても、個別事案の詳細にあたるとして回答を控えた。

この点は、読者にとって大きな焦点となる。大学が「厳正に対処する」と説明しても、今回の件で実際に誰に、どのような確認をし、どこまで対応が進んでいるのかが分からなければ、対応の実効性は見えにくい。今回の回答は、大学としての基本姿勢を示したものではあるが、個別の処分情報や調査状況は出していない形だ。

早稲田大学は、学生生活に関する案内の中で、飲酒に伴う責任やマナーの順守を学生に求めている。20歳未満飲酒や飲酒の強要、危険な飲み方についても注意を促しており、違反行為が確認された場合には懲戒処分の対象となる可能性がある。

大学の懲戒処分には、退学、停学、訓告がある。飲酒や公共の場での迷惑行為がどの処分にあたるかは、事案の内容や関与の程度によって判断される。今回の動画についても、仮に同大学の学生による行為と確認され、大学の規則に抵触すると判断されれば、学則に基づく対応が検討されることになる。

今回の問題は、単なる学生の悪ふざけでは済まない。救急搬送の現場は、命に関わる判断が行われる場所だ。救急隊員が対応している横で、飲酒の場を連想させる掛け声を上げる行為は、傷病者や救急活動への配慮を欠くものとして受け止められても仕方がない。

さらに、SNSに動画が投稿されれば、個人の行為はすぐに所属先と結びつけられる。本人たちにその意識がなかったとしても、大学名が拡散されれば、学校側にも説明を求める声が向かう。学生本人、サークル、大学、地域社会の信頼に影響が及ぶ時代になっている。

現時点で、動画に映る若者らが早稲田大学の学生と正式に確認されたかどうかは明らかになっていない。大学側が聞き取りを終えたのか、処分を検討しているのかも公表されていない。

ただ、早稲田大学広報室が取材に対し、学則に基づき厳正に対処する方針を示したことで、大学側が少なくとも一般論としては問題を放置しない姿勢を示した形だ。

今後の焦点は、動画に映る人物の確認、聞き取りの有無、大学の規則に抵触する行為があったかどうか、そして必要な指導や処分が行われるかに移る。

救急搬送の現場で撮影されたとされる“飲みコール”動画は、飲酒トラブル、公共の場での行動、SNS拡散、大学の説明責任が重なった問題となった。大学側には、個人情報や手続きに配慮しつつも、学生への指導と再発防止をどこまで徹底できるかが問われている。

あわせて読みたい

送信中です

×

※コメントは最大500文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。


最近の記事
  1. 三笘薫、W杯出場に黄信号 左もも裏負傷で復帰困難か SNSにも不安広がる
  2. 早稲田大学「学則に基づき厳正に対処」 救急搬送現場での“飲みコール”動画に広報室が回答
  3. 幻の「海のきらめきボンドロ」、ひらパーで販売中止が話題に 即完売ではない“静かな混乱回避”に注目
  4. 名鉄、乗務員室侵入で謝罪 SNS動画で発覚、2023年事件とは別件
過去記事
提携媒体



メルマガ

週刊TAKAPI

新着記事をメールで確認しませんか?