元カープ・羽月隆太郎被告に有罪判決 初公判で「周囲に吸っているカープ選手がいた」 球団は全選手を再調査へ

元広島東洋カープ選手の羽月隆太郎被告(26)が、指定薬物「エトミデート」を使用した罪に問われた裁判で、広島地方裁判所は5月15日、拘禁刑1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

初公判は同日午前11時から広島地裁で開かれた。羽月被告は起訴内容について「間違いない」と認め、裁判は即日結審した。検察側は拘禁刑1年を求刑し、井上寛基裁判官は求刑通りの判決を言い渡した。

起訴状などによると、羽月被告は2025年12月、広島市中区の自宅で、指定薬物「エトミデート」を使用した罪に問われていた。エトミデートは「ゾンビたばこ」と呼ばれることもあり、使用による健康被害や若年層への広がりが問題視されている。

法廷で注目を集めたのは、羽月被告が被告人質問で述べた一言だった。

羽月被告は、エトミデートを使った理由について、**「周囲に吸っているカープ選手がいた」**という趣旨の説明をした。さらに、甘い考えが今回の事態を招いたとして、自分で正しい判断をするべきだったと反省の言葉を述べた。

ただし、この発言は羽月被告本人の説明であり、他選手の使用が確認されたわけではない。球団側は発言を受け、全選手を対象に再調査する方針を示している。

吸引を始めたきっかけは、2025年3月から4月ごろの東京遠征中だったとされる。バーで知人から勧められたことが発端で、最後の購入は同年10月。購入したものはカープの寮に郵送されていたと報じられている。

羽月被告は、違法性について後にテレビ番組などを通じて認識したとされる。プロ野球選手という立場にありながら、薬物の危険性と法的責任を十分に考えず使用を続けたことが、今回の有罪判決につながった。

この日の裁判には、朝から多くのファンや報道関係者が集まった。46席の傍聴券を求め、500人を超える人が列を作ったとされる。元プロ野球選手の薬物事件としてだけでなく、カープという地域密着球団の信頼にも関わる裁判として、異例の注目を集めた。

羽月被告は、黒髪にマスク、深緑のネクタイ姿で法廷に現れた。判決後は険しい表情で退廷したという。

羽月被告は神村学園高校から2018年ドラフト7位で広島に入団。俊足と粘り強い打撃を武器に、内外野を守れる選手として期待されていた。カープ一筋で育ち、1軍でも出場機会を重ねてきた選手だった。

その選手が、薬物使用で逮捕・起訴され、有罪判決を受けた。球団はすでに契約解除という厳しい処分を下している。

野球ファンとして、これは本当に悲しい事件だ。

成績だけではない。羽月被告は、若く、走れて、泥くさく、チームの空気を変えられる選手として期待されていた。華やかな主力ではなくても、ベンチにいてほしいタイプの選手だった。だからこそ、今回の判決は重い。

特に「周囲に吸っているカープ選手がいた」という発言は、カープファンにとって聞き流せない。事実確認はこれからだが、同じユニフォームを着た選手の名前が薬物使用の文脈で出たこと自体、球団への信頼を大きく揺さぶる。

薬物は、選手本人の人生だけを傷つけるものではない。チームを応援してきたファン、家族、指導者、球団職員、そして同じグラウンドで戦う選手たちにも影響を及ぼす。

羽月被告が法廷で語った「正しい判断をするべきだった」という言葉は、遅すぎた反省でもある。同時に、球団が今後の再発防止を本気で進めるための出発点にもなる。

広島東洋カープは、発言を受けて全選手への再調査を行う方針を示した。今後は、他選手への聞き取り、薬物防止教育、メンタルケア、寮や遠征先での管理体制が問われる。

カープは、地域に支えられてきた球団だ。だからこそ、説明責任も重い。

羽月被告には、判決を受け止め、今後の人生で更生してほしい。そして、同じユニフォームを着た選手たちが、二度と同じ道に進まないよう、球団には徹底した調査と再発防止策が求められる。

今回の裁判で終わりではない。
カープが信頼を取り戻せるかどうかは、ここからの対応にかかっている。

編集部まとめ

元広島東洋カープの羽月隆太郎被告は、指定薬物「エトミデート」を使用した罪で、拘禁刑1年・執行猶予3年の有罪判決を受けた。初公判では起訴内容を認め、「周囲に吸っているカープ選手がいた」と述べた。球団はこの発言を受け、全選手を対象に再調査する方針を示している。事件は、元選手個人の問題にとどまらず、球団の管理体制、薬物防止教育、ファンへの説明責任にも広がっている。

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