父親が「自首させたい」と連絡 寺側は警察捜査による二次被害を懸念
曹洞宗大本山永平寺で、参禅研修に来ていた女子高校生にわいせつな行為をしたとして元修行僧の男が逮捕された事件で、寺側が男の父親による自首の申し出を引き留めていたことが分かった。
寺側は「被害者保護を優先した」と説明している。一方で、犯罪事実を把握した後に自首を思いとどまらせた対応について、犯人隠避罪にあたる可能性も指摘されている。
逮捕されたのは、茨城県那珂市の無職、南波剣司容疑者(26)。福井県警は5月19日、昨年7月、永平寺で県外から研修に来ていた10代女性の体を触ったとして、不同意わいせつの疑いで逮捕した。南波容疑者は当時、永平寺の修行僧だった。
報道によると、寺は学校側から相談を受け、防犯カメラ映像などを確認。南波容疑者が生徒の部屋に出入りしていたことを把握したという。被害を訴えた生徒は14人に上り、複数回被害を受けたとする生徒もいたとされる。
寺は南波容疑者を謹慎処分にし、県外のホテルで事情を聞いていた。その際、父親から「息子を自首させたい」との連絡があったが、寺側は警察の捜査によって被害生徒の心の負担が増えることを懸念し、自首をしないよう引き留めたという。
その後、寺は昨年8月、南波容疑者を除籍処分とした。寺側は、この処分について永平寺として最も重い処分だとしている。
問題となるのは、寺が被害の訴えを把握し、容疑者本人から事情を聞き、父親の自首申し出も受けていたにもかかわらず、警察への速やかな通報ではなく、自首の引き留めを選んだ点だ。
寺側は、犯罪隠蔽の認識はなかったと説明している。あわせて、寺から事件として届け出て、被害者に十分配慮するよう警察に求める方法もあったとして、対応への反省も示している。
刑法103条は、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者を蔵匿し、または隠避させた場合の罪を定めている。今回の対応が実際に犯人隠避罪にあたるかは、寺側が当時どの程度の事実を把握していたか、自首を止めた目的や具体的なやり取り、警察への情報提供の時期などを踏まえて判断される。
永平寺は1244年に開かれた曹洞宗の大本山で、全国から参拝者や研修者が訪れる禅の道場として知られる。その場所で起きたわいせつ事件に加え、寺側が自首を引き留めていた事実が明らかになったことで、信頼回復への道はさらに厳しくなった。
今後は、南波容疑者の余罪の有無に加え、寺側の対応が捜査や被害者対応にどのような影響を与えたのかが焦点となる。永平寺には、被害者保護を理由とした判断の経緯、警察への情報提供の時期、再発防止策について、より具体的な説明が求められる。
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編集部まとめ
永平寺の元修行僧による不同意わいせつ事件で、寺側が父親の「自首させたい」との申し出を引き留めていたことが明らかになった。
寺側は「被害者保護」を理由に挙げているが、犯罪事実を把握した後に自首を思いとどまらせた対応について、犯人隠避罪の可能性も指摘されている。
被害を訴えた生徒は14人に上るとされる。今後は、元修行僧の余罪捜査とともに、永平寺側の判断過程、警察への情報提供、被害者対応の妥当性が問われる。
Q1. 永平寺の元修行僧事件で新たに何が分かりましたか?
元修行僧の父親が「自首させたい」と申し出たにもかかわらず、永平寺側が自首を引き留めていたことが分かりました。寺側は、警察捜査による被害生徒の心の負担を懸念したと説明しています。
Q2. 逮捕された元修行僧は誰ですか?
逮捕されたのは、茨城県那珂市の無職、南波剣司容疑者(26)です。昨年7月、永平寺で参禅研修に来ていた10代女性の体を触ったとして、不同意わいせつの疑いで逮捕されました。
Q3. 被害を訴えている生徒は何人ですか?
報道によると、被害を訴えている生徒は14人に上るとされています。中には複数回被害を受けたとする生徒もいたとされます。
Q4. なぜ犯人隠避罪の可能性が指摘されているのですか?
寺側が被害の訴えや容疑者の関与を把握した後、父親の自首申し出を引き留めていたためです。刑法103条では、罪を犯した者を隠避させた場合の罪が定められており、今回の対応がそれに当たるかが問題視されています。
Q5. 今後の焦点は何ですか?
南波容疑者の余罪の有無、永平寺側がいつ何を把握していたのか、警察への情報提供がいつ行われたのか、被害者保護を理由とした判断が妥当だったのかが焦点になります。

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