沖縄タイムス過去記事の閲覧不可めぐり波紋 同志社国際高の辺野古沖転覆事故後に広がる「平和学習」点検の視線

沖縄県名護市辺野古沖で3月に発生した同志社国際高校の研修旅行中の転覆事故を受け、学校現場で行われてきた「平和学習」の内容に注目が集まっている。

この事故では、生徒1人と船長1人の計2人が死亡した。文部科学省は5月22日、学校側の安全管理や教育活動に関する見解を公表し、辺野古での研修内容について、教育基本法が定める政治的中立性に反すると考えられるとの判断を示した。

その直後から、ネット上では過去に報じられた別の高校による辺野古視察記事にも関心が広がった。特に、沖縄タイムスが2015年に掲載したとされる「新潟の高校生6人が辺野古の現状視察」という記事について、現在は閲覧できないとの指摘が相次いでいる。

※沖縄タイムズより

記事は、新潟県内の高校生が辺野古の新基地建設現場を視察した内容を扱っていたとされる。SNS上では、同志社国際高校の事故後、過去の平和学習関連の記事が見直される中で、「なぜ今、記事が見られないのか」「削除や非公開の理由を説明すべきではないか」といった声が出ている。

ただし、現時点で沖縄タイムス側から、当該記事の掲載経緯、更新履歴、非公開となった理由について明確な説明は確認されていない。そのため、記事が閲覧できない事実だけをもって「証拠隠し」と断定することはできない。

今回問われているのは、個別の記事削除だけではない。学校が未成年の生徒をどのような場所に連れて行き、どのような説明を行い、保護者に何を伝えていたのかという点である。

文科省の見解では、同志社国際高校の研修旅行について、事前の下見が行われていなかったこと、引率教員が乗船していなかったこと、生徒や保護者に乗船内容が十分に説明されていなかったことなどが指摘された。さらに、辺野古移設工事を扱う学習についても、複数の立場を十分に提示していたことが確認できないとされた。

平和教育そのものは、学校教育の中で重要なテーマである。戦争、基地、差別、人権、地域の歴史を学ぶことは、生徒が社会を考えるきっかけになる。一方で、特定の政治的主張に近い現場へ未成年を連れて行く場合、学校には通常以上の説明責任がある。

生徒が自分で考えるための学習なのか。
それとも、特定の立場に近い行動へ事実上近づける内容になっていないか。
この線引きが、今回の事故をきっかけに改めて問われている。

沖縄県教育委員会も、県内の公立学校を対象に辺野古の現場見学の有無を調査している。今後、私立学校や県外の学校でも、沖縄研修、平和学習、基地問題を扱う校外活動について、内容確認が進む可能性がある。

メディア側にも説明が求められる。過去に未成年の政治的現場への参加や視察を肯定的に報じた記事があるなら、現在の社会的議論の中で、その記事をどう扱うのかは読者の関心事になる。掲載を続けるのか、注記を加えるのか、非公開にするのか。いずれの対応を取る場合でも、説明がなければ不信を招く。

今回の問題は、辺野古への賛否だけで片づけられる話ではない。

学校には、生徒の安全を守る義務がある。
保護者には、子どもがどこで何を学ぶのかを知る権利がある。
メディアには、過去に報じた内容について、必要に応じて説明する責任がある。

同志社国際高校の事故は、1校の研修旅行だけの問題にとどまらず、全国の学校で行われてきた平和学習の内容、安全確認、政治的中立性の扱いを見直す契機となっている。

沖縄の歴史を学ぶことは必要である。
基地問題を扱うことも、教育から排除されるべきではない。
ただし、未成年を政治的対立の現場に連れて行く場合、学校は反対意見、賛成意見、地域住民の声、国の立場、安全上の危険をすべて説明しなければならない。

平和を教える場であればこそ、生徒に一つの答えを与えるのではなく、複数の事実を示し、自分で判断できる材料を渡す必要がある。

今後の焦点は、沖縄タイムス側が当該記事の扱いについて説明するか、敬和学園高校側が当時の活動内容をどう説明するか、そして文科省や各教育委員会が同様の校外学習をどこまで確認するかに移る。

事故後に始まった確認作業は、教育現場、保護者、メディアのすべてに向けられている。


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編集部まとめ

同志社国際高校の辺野古沖転覆事故を受け、学校の平和学習をめぐる確認が広がっている。

今回の論点は、沖縄や辺野古を学ぶことの是非ではない。問題は、未成年の生徒を政治的対立の現場に近づける際、学校が安全確認、保護者説明、複数の立場の提示を十分に行っていたかどうかである。

過去記事が現在閲覧できないとの指摘についても、削除理由を断定するのではなく、メディア側の説明の有無を見ていく必要がある。

この記事のポイントQ&A

Q. 同志社国際高校の事故では誰が亡くなったのですか?
生徒1人と船長1人の計2人が死亡しました。

Q. 文科省は何を問題視したのですか?
安全管理の不備に加え、辺野古移設工事を扱う学習で複数の見解が十分に示されていたか、政治的中立性が保たれていたかを問題視しました。

Q. 沖縄タイムスの記事削除は断定できますか?
現時点では、閲覧できないとの指摘はありますが、削除理由や非公開の経緯について公式説明は確認されていません。断定ではなく、説明を求める形で扱うべきです。

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