週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田
神奈川県小田原市で、生活保護を受給していた身寄りのない80代男性の遺体が、市の事務処理ミスにより半年以上火葬されないままになっていたことが分かった。
男性は2025年11月、自宅で死亡した。身寄りがなかったため、本来であれば市が死亡届の提出や火葬に向けた手続きを進める必要があった。しかし、担当者が必要な事務処理を怠り、遺体は葬儀場などに長期間安置されたままとなっていた。
小田原市は2026年6月18日に会見を開き、事務処理ミスを認めて謝罪。今後、死亡届の提出と火葬手続きを速やかに進めるとしている。
死後も置き去りにされた行政手続き
生活保護は、困窮した人を支える「最後のセーフティネット」とされる。だが今回、その制度は男性の死後、最も基本的な手続きで止まった。
身寄りのない高齢者にとって、死亡後の手続きは本人にも家族にも委ねられない。だからこそ行政の責任は重い。半年以上も火葬されなかった事実は、単なる書類ミスでは済まされない。
問われるべきは、担当者の確認漏れだけではない。上司のチェック、引き継ぎ、生活保護受給者の死亡後対応フロー、未処理案件を見逃さない管理体制まで含めた行政全体の問題だ。
身寄りなき高齢者の死をどう支えるのか
単身高齢者や身寄りのない生活保護受給者は全国的に増えている。孤独死、死亡届、火葬、葬祭扶助、遺留品整理は、今後さらに自治体の現場で重くなる。
今回の問題は、小田原市だけの話ではない。福祉行政が最後の場面で機能しなければ、亡くなった人の尊厳は守れない。小田原市には、原因究明、責任の所在、同様事案の有無、再発防止策の公表が求められる。
編集部まとめ
生活保護を受けていた身寄りのない80代男性の遺体が、半年以上火葬されないままになっていた今回の問題は、極めて重い行政不備です。生前の生活を支えるだけでなく、死後の尊厳をどう守るのか。小田原市は「事務処理ミス」で終わらせず、全庁的な点検と再発防止策を示す必要があります。
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