埼玉県の飯能市教育委員会は22日、市立小学校の児童が同級生からいじめを受け、心的外傷後ストレス障害、PTSDと診断された事案について、いじめ重大事態の調査報告書を公表しました。
飯能市が、いじめ重大事態の認定事案を公表するのは今回が初めてです。
報告書などによりますと、児童は小学校高学年で、4年間にわたり、計5人の同級生から無視される、にらまれる、仲間外れにされるなどの被害を受けたと訴えていました。
児童には心身の不調が認められ、PTSDと診断され、長期間の不登校が続いています。
2024年度、学校は保護者からの連絡で事態を把握しました。
その後、市いじめ問題専門委員会が重大事態と判断し、児童が訴えた12件のいじめについて、児童や保護者、学校職員へのアンケートや聞き取り調査を実施しました。
その結果、12件のうち9件をいじめと認定しました。
「いじめ確認できず」と当日報告 第三者委が問題視
報告書では、学校側の初期対応にも厳しい指摘がされています。
学校は、保護者からいじめの訴えがあった当日に関係児童から聞き取りを行い、その日のうちに「いじめの事実は確認できなかった」と被害児童の保護者に電話で伝えていました。
報告書はこの対応について、「拙速な対応を行ったことが、対象児童およびその保護者の不信感を増大させた」と指摘しています。
いじめ対応では、早く結論を出すことよりも、被害を訴える児童の安全確保、継続的な聞き取り、保護者との信頼関係づくりが重要になります。
「確認できなかった」という言葉は、被害を訴える児童や保護者にとって、事実上の否定として受け止められることがあります。
今回の報告書は、そうした初期対応の危うさを改めて示した形です。
再発防止策は「点検・見直し」と「連携体制」
報告書では、再発防止策として、各校のいじめ防止策の点検、確認、見直しを挙げています。
また、学校内や教育委員会との報告・連携体制について、マニュアル整備を進めることも示されました。
今回の事案で問われるのは、いじめそのものだけではありません。
保護者から訴えがあった段階で、学校がどのように受け止め、どのように調査し、どのように説明するべきだったのかという点です。
学校や教育委員会には、報告書の公表で終わらせるのではなく、児童が安心して学校生活に戻るための支援と、同様の対応を繰り返さないための具体的な改善が求められます。
本記事は、飯能市教育委員会が公表した調査報告書および報道内容をもとに構成しています。未成年が関係する学校問題のため、個人の特定につながる情報の取り扱いには配慮しています。
コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。
この記事のコメント投稿は締め切られています。