熊本市東区の私立熊本マリスト学園中学校で、男子生徒が同級生から暴言や暴行を受けたとして、学校が設置した第三者委員会が、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定していたことが分かりました。
報告書では、教員が保護者に対し「重大事態に認定されると生徒に不利益が生じる」などと伝えていたことも明らかになっています。
生徒の保護者らは22日、熊本市内で記者会見し、第三者委員会の調査が不十分だとして、熊本県に再調査を求めていることを明らかにしました。
第三者委員会が5月にまとめた報告書によりますと、生徒は2023年の入学以降、同級生からいじめを受けるようになったとされています。
第三者委員会は、同級生から「きしょい」と言われたことや、転倒させられて頭にけがを負ったことなど、2024年10月までの8件の行為をいじめと判断しました。
生徒は2025年3月に転校しており、報告書は「転学を余儀なくされる程度の精神的な苦痛を感じていた」としています。
「重大事態認定は不利益になる」説明の問題
今回の報告書で特に注目されるのは、教員が保護者に対し「重大事態に認定されると生徒に不利益が生じる」などと説明していた点です。
いじめ重大事態は、被害児童生徒の状況を調査し、再発防止や支援につなげるための制度です。
本来、被害を訴える児童生徒や保護者にとって、必要な調査と支援につながる仕組みであるはずです。
それにもかかわらず、重大事態認定を「不利益」と受け取らせるような説明があったとすれば、保護者が調査を求めることをためらう可能性があります。
学校側には、制度の趣旨を正確に説明し、被害を訴える生徒や保護者が安心して相談できる体制を整えることが求められます。
同校は取材に対し、「内容を真摯に受け止め、再発防止に取り組みたい」としています。
保護者側は県に再調査を要望
一方で、保護者側は、生徒が発症したとする適応障害との関連について、第三者委員会の調査が十分ではないと主張しています。
そのうえで、熊本県に再調査を求めました。
熊本県私学振興課は、第三者委員会の報告書などを精査し、再調査の必要性を検討するとしています。
今回の事案では、いじめの有無だけでなく、転校に至った経緯、心身への影響、学校側の説明や初期対応がどこまで適切だったのかが焦点になります。
特に私立学校の場合でも、重大事態が認定された以上、学校内部の対応だけで終わらせず、県による確認がどこまで行われるかが問われます。
本記事は、第三者委員会報告書に関する報道内容および関係者の説明をもとに構成しています。未成年が関係する学校問題のため、個人の特定につながる情報の取り扱いには配慮しています。

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