アニメや特撮などを配信する動画サービス「バンダイチャンネル」にサイバー攻撃を行い、サービス運営を妨害したとして、15歳の少年が逮捕されたことが分かりました。
偽計業務妨害の疑いで逮捕されたのは、埼玉県所沢市に住む高校1年の少年です。
捜査関係者によりますと、少年は中学3年だった2025年11月、バンダイチャンネルのサーバーに不正アクセスし、会員4万6812人分の利用登録を解除して退会処理するなどして、運営会社のバンダイナムコフィルムワークスに全サービスを一時停止させる対応を取らせ、業務を妨害した疑いが持たれています。
会員4万6812人分を意図せず退会処理か
少年は、他人の会員アカウントに不正アクセスしたうえで、生成AIのChatGPTを使って作成したプログラムを用い、退会処理を繰り返していたとみられています。
これにより、バンダイチャンネルでは一部会員が意図せず退会処理される不具合が発生しました。
運営会社は、不正アクセスによる影響や会員情報漏えいの可能性があるとして、全てのサービスを一時停止しました。
その後、2025年12月にサービスを再開しています。
メールアドレスやニックネームなども入手か
捜査関係者によりますと、少年は不正アクセスを通じて、メールアドレスやニックネームなどの会員情報も入手していたということです。
ただし、現時点では、入手された会員情報が悪用されたケースは確認されていないとされています。
バンダイナムコフィルムワークスは、サービス再開時に、システムの安全性向上や再発防止策を講じたと説明していました。
また、会員の個人情報がインターネット上に公開された事実や二次被害は、現時点では確認されていないとしています。
少年「被害企業に恨みはなかった」と供述か
少年は小学4年のころからパソコンを使い始め、独学で専門知識を身につけていたとみられています。
調べに対し、少年は容疑を認め、「被害企業に恨みはなかった」などと供述しているということです。
警察は、少年がどのように不正アクセスを行ったのか、犯行の経緯や動機、余罪の有無などを詳しく調べているとみられます。
バンダイナムコフィルムワークス「再発防止に努める」
バンダイナムコフィルムワークスは取材に対し、会員が安心してサービスを利用できるよう、情報セキュリティ管理をはじめとする安全管理体制をさらに強化し、再発防止に努めるとコメントしています。
今回の事件では、生成AIを使ってプログラムを作成したとされる点にも注目が集まっています。
生成AIは、正しく使えば学習や業務効率化に役立つ一方で、不正アクセスや業務妨害に悪用されれば重大な犯罪につながります。
未成年であっても、他人のアカウントへの不正アクセスや、サービスに障害を与える行為は刑事事件として扱われる可能性があります。
ミニ解説|今回の事件で分かっていること
生成AI時代に問われる「使い方」の責任
今回の事件は、生成AIが犯罪に悪用された疑いがある点で、社会的にも大きな意味を持ちます。
AIそのものが問題なのではありません。
問題は、AIを使って他人のアカウントに不正アクセスしたり、企業のサービスを妨害したりする行為です。
技術を学ぶこと自体は悪いことではありません。
しかし、その知識をどこに向けるのかで、結果は大きく変わります。
プログラミングやAIの知識は、セキュリティ向上、サービス開発、学習支援、創作活動などに生かすことができます。
一方で、他人の情報を奪う、サービスを止める、企業に損害を与える方向に使えば、未成年であっても取り返しのつかない問題になります。
今回の事件は、学校や家庭、社会全体で、AIやプログラミング教育における倫理と法令順守をどう教えるかを考えるきっかけにもなりそうです。
逮捕は有罪が確定したものではありません。少年事件であるため、今後の手続きや処分については慎重な対応が求められます。
本記事は、捜査関係者への取材、バンダイナムコフィルムワークスの説明および各社報道を基に構成しています。未成年が関係する事件のため、個人の特定につながる情報や不正アクセスの具体的手口は記載していません。今後、捜査の進展や関係機関の発表により、内容が更新される可能性があります。
担当記者:松本|週刊TAKAPI 記者
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