2020年11月30日、東京都町田市の市立小学校に通っていた小学6年生の女子児童、当時12歳が、自宅で自ら命を絶った。遺書にはいじめ被害を訴える内容が残され、学校が配布したタブレット端末のチャット機能を使った中傷も問題となった。
遺族側によると、女子児童はチャット上で悪口を書かれ、友人関係を断つような嫌がらせも受けていた。机の中からは攻撃的な言葉を書いたメモも見つかったとされる。学校は同年9月のアンケートで、女子児童が友人関係に悩んでいることを把握していた。しかし、関係児童への指導後に「解決済み」と判断し、保護者には伝えていなかった。

町田市いじめ問題調査委員会は2024年2月、複数の行為をいじめと認定した。一方で、自死の原因については「複合的」とし、いじめだけが直接の原因とは特定できないと結論づけた。だが、報告書では、学校や周囲の大人が適切に対応していれば防げた可能性にも触れている。
遺族側は、同級生全員への聞き取りが行われていないことなどを理由に、調査は不十分だとして再調査を求め続けている。しかし町田市教育委員会は、再調査を行わない方針を示した。この判断に対し、SNSでは「なぜ保護者に伝えなかったのか」「端末上のいじめをどう管理していたのか」「遺族が納得できないまま終わらせるのか」と批判が集中している。
この事案が問うているのは、1人の児童をめぐる過去の対応だけではない。学校がいじめの兆候を把握した時点で、保護者へどう伝えるのか。端末上の中傷をどう見つけ、止めるのか。第三者委員会の調査は、遺族と社会の信頼に耐えられるものだったのか。
GIGAスクール端末は、子どもたちの学びを広げるために導入された。だが、使い方を見守る体制が弱ければ、教室の外から見えにくい傷つけ合いの場にもなる。町田市の判断は、全国の学校現場に対し、子どものSOSを「解決済み」で終わらせてはならないという重い課題を突きつけている。
合わせて読みたい
編集部まとめ
第三者委員会が複数のいじめを認定したにもかかわらず、町田市教育委員会は再調査を行わない方針を示した。学校がアンケートで悩みを把握しながら保護者に伝えなかった点、タブレット上の中傷への対応、遺族が納得できる調査のあり方が問われている。子どもの命に関わる問題を、手続き上の終了で片づけてはならない。
この記事の要点Q&A
Q. 町田市小6いじめ自殺とは何ですか。
A. 2020年11月30日、東京都町田市の市立小学校に通っていた小学6年生の女子児童、当時12歳が自宅で自ら命を絶った問題です。遺書にはいじめ被害を訴える内容が残されていました。
Q. 第三者委員会は何を認定しましたか。
A. 町田市いじめ問題調査委員会は2024年2月、複数の行為をいじめと認定しました。一方で、自死の原因については複合的とし、いじめだけが直接の原因とは特定できないとしました。
Q. なぜ市教委対応が批判されていますか。
A. 学校がアンケートで女子児童の悩みを把握していたにもかかわらず、保護者に伝えていなかった点、タブレット端末上の中傷への対応、遺族が求める再調査を市教委が行わない方針を示した点が批判されています。
Q. GIGAスクール端末の何が問題になっていますか。
A. 学習用に配布されたタブレット端末のチャット機能を使った中傷が問題になりました。端末上のやり取りは教室内の目に見えるいじめより把握しづらく、学校側の管理体制が問われています。
Q. 今後問われることは何ですか。
A. 学校がいじめの兆候を把握した時点で保護者へどう伝えるのか、端末上の中傷をどう把握するのか、第三者委の調査が遺族と社会の信頼に耐えられるものだったのかが問われます。

コメント