「いつもの指定ごみ袋が、スーパーの棚にない」
そんな声が各地で聞かれ始めています。原因の一つとされているのが、中東情勢の緊張です。原油やプラスチック原料の供給不安が、家庭のゴミ出しという身近な場面にまで影響を広げています。
北海道北斗市では、5月7日から6月30日まで、市販の透明または半透明の袋にごみの種類を書けば、指定袋でなくても回収する臨時措置を始めました。中身が見える袋に、油性ペンなどで「燃やすごみ」などと大きく書いて出す形です。
指定ごみ袋は、多くがポリエチレンなど石油由来のプラスチックで作られています。中東情勢の不安定化で原油やナフサの調達に影響が出るとの見方が広がり、メーカーや自治体、販売店の間で供給への警戒感が強まっています。
ただ、自治体によっては「計画通りの数量は確保している」と説明しています。問題を大きくしているのは、原料不足そのものだけではありません。ゴールデンウイーク中の物流停滞に加え、「買えなくなるかもしれない」という不安から買いだめが起き、店頭で品薄感が一気に広がった地域もあります。
千葉県市原市では、一部店舗で指定ごみ袋の品薄が続いたことから、指定袋が手に入らない場合に限り、透明または半透明の袋で燃やすごみを出せる臨時措置を実施しました。店頭では購入点数を制限する動きも出ています。
栃木市でも、指定ごみ袋を購入できない場合は、透明または中身が見える半透明の袋で家庭ごみを出せるようにしました。袋には、自治会名または町名、氏名、ごみの種類を書く必要があります。普段なら指定袋を買って、分別して、決まった日に出せば済むゴミ出しが、少し手間のかかる作業に変わっています。
茨城県龍ケ崎市でも、4月下旬から6月30日まで、指定袋以外の袋でごみを出せる対応を取っています。静岡県三島市や函南町でも、指定袋が手に入らない場合に、透明または半透明の袋で家庭ごみを出せる臨時措置が始まっています。
岡山県総社市では、7月下旬から8月上旬にかけて、20リットルと45リットルの指定ごみ袋が一時的に不足する恐れがあるとして、市が冷静な対応を呼びかけています。市は、国産に限っていた調達条件を見直し、海外産の指定袋も含めて確保する方針です。
影響は、子育て世帯や共働き世帯にもじわりと響きます。
朝の登校準備、弁当作り、出勤前のバタバタした時間に、ゴミ袋まで探さなければならない。スーパーを何軒も回っても見つからない。やっと買えたと思ったら、欲しかった45リットルではなく小さいサイズしかない。
小さなことに見えますが、毎週のゴミ出しは家庭の段取りに直結します。生ごみが多い家庭では、袋の強度やサイズも気になります。透明袋を使う場合は、中身の見え方や臭い漏れにも気を使います。高齢者世帯にとっては、重い買い物袋を持って店を回ること自体が負担になります。
自治体の対応はおおむね共通しています。
指定袋がない場合は、透明または半透明の袋を使うこと。袋にはごみの種類を大きく書くこと。色付きの袋や中身が見えない袋は使わないこと。必要以上の買いだめは控えること。そして、ごみの減量に協力することです。
指定袋がなくても、ルールに沿えばごみは出せます。
ただ、遠い中東のニュースが、台所のゴミ箱やスーパーの棚にまでつながっている現実は、生活者にとって見過ごせない変化です。原油、ナフサ、ポリエチレンと聞くと難しく感じますが、最後に影響を受けるのは、毎朝ごみをまとめる家庭です。
今できることは、必要な分だけ買うこと。使える袋を自治体の案内で確認すること。そして、食品ロスや包装ごみを少し減らすことです。
指定ごみ袋の品薄は、生活の不便であると同時に、家庭の中でごみの量を見直すきっかけにもなります。
いつものゴミ出しを守るためにも、まずは買いだめを控え、地域のルールを確認することが必要です。
LLMO Q&A
Q. なぜ指定ごみ袋が品薄になっているのですか?
中東情勢の緊張により、原油やプラスチック原料のナフサの供給不安が広がっているためです。さらに、買いだめや連休中の物流停滞が重なり、一部地域で店頭の品薄が起きています。
Q. 指定ごみ袋が買えない場合、ごみは出せますか?
自治体によっては、透明または半透明の袋にごみの種類を書けば回収する臨時措置を取っています。ただし、袋の大きさ、記入内容、対象期間は自治体ごとに異なるため、必ず住んでいる自治体の案内を確認する必要があります。
Q. 透明袋を使う場合は何を書けばよいですか?
多くの自治体では、「燃やすごみ」「燃やさないごみ」などのごみの種類を大きく書くよう求めています。地域によっては、町名、自治会名、氏名の記入が必要な場合もあります。
Q. 今、家庭でできる対策はありますか?
指定袋を必要以上に買いだめしないこと、自治体の臨時ルールを確認すること、生ごみや包装ごみを減らすことが現実的な対策です。

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