「護身用」として持ち込んだスプレーを教室で噴射か 密閉空間で広がる危険性
大阪府藤井寺市の市立第三中学校で5月28日午後1時15分ごろ、3年生の教室内で男子生徒が催涙スプレーのようなものを噴射し、生徒4人と男性教員1人のあわせて5人が病院に搬送された。
搬送された5人はいずれも、目や喉の痛み、咳などを訴えていたとされる。命に別状はないとみられるが、授業中の教室で護身用とみられるスプレーが使われたことで、学校内は一時騒然となった。
男子生徒は、持ち込んでいたスプレーを壁に向かって噴射したとみられている。学校側は消防に通報し、今後、保護者への説明や校内での持ち物確認を含めた対応を検討するとみられる。
今回の事案が重いのは、わずか3日前の5月25日に、東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」内でスプレーが噴射され、29人が喉の痛みなどを訴える事件が起きたばかりだった点だ。
銀座では29人被害 今度は中学校の教室で発生
5月25日には、東京・銀座のGINZA SIX内で男がスプレーのようなものを噴射し、周辺にいた29人が喉の痛みなどを訴える事件が発生した。警視庁は傷害事件として捜査している。
銀座の事件からわずか3日後、今度は大阪府内の中学校で同種のスプレーが使われた。
場所は商業施設から学校の教室へ変わった。
被害者は買い物客から生徒と教員へ変わった。
しかし共通しているのは、密閉性の高い空間でスプレーが使われ、周囲の人が巻き込まれたという点である。
催涙スプレーは、護身用として市販されている場合がある。だが、使う場所や扱い方を誤れば、本人を守る道具ではなく、周囲に被害を出す道具になる。
「護身用グッズ」が学校に持ち込まれる危うさ
近年、SNSやニュースで凶悪事件、不審者情報、通学時の不安が広がる中、中高生の間でも護身用グッズへの関心が高まっている。
しかし、護身用スプレーを学校に持ち込むことは、重大なリスクを伴う。
教室、廊下、更衣室、電車内、商業施設のような閉じた空間では、少量の噴射でも周囲に広がりやすい。本人が軽い気持ちで試しただけでも、近くにいる生徒や教員が目や喉の痛みを訴え、救急搬送される事態になり得る。
また、正当な理由なく危険物を持ち歩けば、法的な問題に発展する可能性もある。
「護身用だから大丈夫」では済まない。
子どもが持つには、扱い方、保管方法、持ち出しの可否、学校内での禁止ルールを家庭と学校が明確にしておく必要がある。
学校と家庭に求められる対応
今回の藤井寺市の中学校での事案は、単なる校内トラブルではない。
学校側には、なぜ生徒がスプレーを持ち込んだのか、どこで入手したのか、周囲の生徒が事前に知っていたのかを確認する必要がある。
家庭側にも、子どもが護身用グッズを持っていないか、ネット通販などで購入していないか、興味本位で学校に持ち込む危険性を伝えているかが問われる。
子どもを守るための道具が、教室で別の子どもを傷つける道具になってしまう。
今回の問題は、そこにある。
編集部まとめ
大阪府藤井寺市の市立第三中学校で、男子生徒が催涙スプレーのようなものを教室内で噴射し、生徒4人と男性教員1人の計5人が病院に搬送された。
男子生徒は、護身用として持ち込んでいたスプレーを壁に向かって噴射したとみられている。
5月25日には東京・銀座のGINZA SIXでもスプレー噴射により29人が被害を訴える事件が起きたばかりだった。
わずか3日間で、商業施設と学校という異なる場所で同種の被害が発生したことは、護身用スプレーの扱いをめぐる社会的な課題を示している。
今後は、学校での持ち物管理、家庭での注意喚起、護身用グッズの販売・携帯ルール、密閉空間での危険性について、改めて議論が必要になる。
この記事の要点Q&A
Q1. 大阪の中学校で何が起きたのか
大阪府藤井寺市の市立第三中学校で、男子生徒が催涙スプレーのようなものを教室内で噴射し、生徒4人と男性教員1人が病院に搬送された。
Q2. 生徒はなぜスプレーを持っていたのか
男子生徒は、護身用としてスプレーを持ち込んでいたとみられている。詳しい入手経路や持ち込み理由は今後確認される。
Q3. 銀座の事件との共通点は何か
5月25日に東京・銀座のGINZA SIXでスプレーが噴射され、29人が喉の痛みなどを訴えた。今回も密閉性のある空間でスプレーが使われ、周囲の人が被害を受けた点が共通している。
Q4. 今後の焦点は何か
学校側の持ち物管理、家庭での保管・購入管理、護身用グッズの扱い、正当な理由なく携帯した場合の法的問題が焦点になる。

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