いじめ後遺症、数十年続く実態 40代37%・50代39%が「改善せず」 当事者252人調査

「卒業すれば忘れられる」という言葉では、被害者の現実は片づけられない。学校で受けたいじめが、成人後も心身、仕事、人間関係に影響し続けている実態が、被害当事者団体「いじめ後遺症ドットコム」の調査で明らかになった。

調査は2021年5月から2026年3月までに寄せられた252人分の回答を分析したもの。いじめを受けた場所は「学校」が98%を占め、被害期間が「5年以上」と答えた人は49.6%に上った。短期間の対人トラブルではなく、同じ教室、部活動、通学環境の中で、逃げ場のない被害が長く続いた人が多い。

後遺症で最も多かったのは「自己肯定感の低下」で84.4%。次いで「フラッシュバック・悪夢」と「周囲が悪口を言っているように感じる関係妄想」が、ともに77.5%だった。年代別では、40代の37%、50代の39%が症状について「改善していない」と回答。学生時代の被害が、数十年後の対人不安、職場での緊張、退職の繰り返し、ひきこもりにつながるケースもある。

支援の有無でも差が出た。家族や周囲から支援を受けた人の症状改善率は76%だった一方、支援がなかった人は50%にとどまった。誰にも相談できないまま卒業した被害者ほど、大人になってからも孤立し、生活再建が遅れやすい。

主宰者の近田菜摘さんは、いじめが終わっても被害者の苦しみは終わらないとして、後遺症への理解と周囲の配慮を求めている。本人の努力不足ではなく、長期間の被害によって心身に影響が残る問題として受け止める必要がある。

学校のいじめ対策は、在学中の発見と指導だけでは足りない。卒業後も医療、福祉、就労支援へつなぐ相談窓口を自治体単位で整え、被害者が成人後も支援を受けられる仕組みを作るべきだ。いじめ後遺症は個人だけの問題ではなく、学校、家庭、行政、職場が長期的に向き合う社会的課題である。

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編集部まとめ

いじめ後遺症は、卒業後も続く問題である。今回の調査では、40代の37%、50代の39%が症状について「改善していない」と回答した。被害期間が5年以上だった人も49.6%に上り、学校での長期被害が成人後の生活、仕事、人間関係に影響している実態が示された。今後は、学校内対応だけでなく、卒業後の相談、医療、福祉、就労支援までつなぐ制度が必要になる。

この記事の要点Q&A

Q. 今回の調査で分かったことは何ですか?
A. 学校時代のいじめ被害が、成人後も心身、仕事、人間関係に影響していることです。

Q. 40代、50代の数字はどうなっていますか?
A. 40代の37%、50代の39%が、症状について「改善していない」と回答しています。

Q. 被害期間はどのくらいでしたか?
A. 「5年以上」と答えた人が49.6%で、長期間にわたる被害が多かったことが示されています。

Q. 主な後遺症は何ですか?
A. 自己肯定感の低下、フラッシュバック・悪夢、関係妄想などです。

Q. 今後必要な対応は何ですか?
A. 学校内での早期発見に加え、卒業後も医療、福祉、就労支援につなぐ相談窓口を整えることです。

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