週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田
北海道内で、父親による子どもへの体罰とみられる事件が相次いで発覚した。
釧路市では、10歳未満の息子の頭をげんこつで殴ったとして、27歳の会社員の男が暴行容疑で逮捕された。札幌市では、10歳未満の小学生の娘の顔を平手打ちしたとして、35歳のフランス国籍の男が暴行容疑で逮捕された。
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どちらも児童相談所からの通報をきっかけに警察が動いたとされる。釧路の父親は「げんこつしたことに間違いない」と一部容疑を認め、札幌の父親は「手を出していない」と容疑を否認している。
保護者の間で議論が広がっているのは、ここだ。
「げんこつや平手打ちは、しつけなのか。それとも虐待なのか」
釧路の事件は6月13日午後1時半ごろ、釧路市寿1丁目の住宅で起きた。父親が10歳未満の息子の頭部を殴った疑いが持たれている。児童相談所から警察に通報があり、16日に逮捕された。
札幌の事件は6月11日午前7時半ごろから午前8時10分ごろまでの間、札幌市中央区の自宅で起きたとされる。父親が小学生の娘の顔を平手打ちした疑いがあり、16日に新千歳空港で身柄を確保された。
SNS上では、保護者世代を中心に賛否が割れている。
「男の子は厳しくしないとダメになる」
「げんこつ一発で逮捕は厳しすぎる」
「昔は親に叩かれることもあった」
一方で、反対意見も強い。
「頭を殴るのはしつけじゃない」
「顔を叩くのは明確な暴力」
「子どもは親に逆らえない。だから大人側が止めるべき」
この議論の背景には、法改正がある。2019年の児童福祉法等の改正により、親権者などによる体罰禁止が明確化され、2020年4月から施行された。 つまり、現在の日本では「しつけのためだった」という説明だけで、子どもへの体罰が正当化される時代ではなくなっている。
ただし、保護者の不安も現実だ。泣き止まない、言うことを聞かない、危険な行動をやめない。育児の現場では、理屈だけでは片づかない場面がある。
だからこそ必要なのは、親を責めるだけの記事ではない。体罰に頼らない方法を、家庭だけに押しつけない社会の支えだ。
子どもを守ることと、親を孤立させないこと。
この両方がなければ、同じ問題は繰り返される。
今回の2件は、北海道の個別事件にとどまらない。保護者にとっては、「どこからが虐待なのか」「叱ることもできないのか」「でも叩くのは違うのではないか」という、家庭の中で避けて通れない問いを突きつけている。
昔の常識で子育てを続けるのか。今の法律と子どもの権利に合わせて、叱り方を変えるのか。今回の逮捕は、すべての保護者にその選択を迫っている。
編集部まとめ
北海道で相次いだ父親の逮捕は、「しつけ」と「虐待」の境界を改めて問う事件となった。
現在の日本では、親権者による体罰は禁止されている。頭を殴る、顔を叩くといった行為は、たとえ親が「しつけ」と考えていても、暴行や虐待と判断される可能性がある。
一方で、育児に追い詰められる親の孤立も見過ごせない。必要なのは、子どもを守る視点と、親が助けを求められる仕組みの両方だ。
「昔は普通だった」は、もう通用しない。
保護者に問われているのは、叩くことではなく、どう伝え、どう止め、どう支えるかである。
北海道・父親体罰逮捕としつけの境界線Q&A
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