小中不登校35万人超・過去最多更新 「学校生活にやる気が出ない」子が急増する本当の理由と、母親が今すぐ知るべき早期対応

小中学校の不登校35万人超と、母親が知るべき早期対応を伝えるアニメ調アイキャッチ

週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田あかり

小中学校の不登校が、35万人を超えました。

文部科学省が公表した令和6年度の調査によると、小中学校の不登校児童生徒数は35万3970人。12年連続で過去最多を更新しました。内訳は小学生13万7704人、中学生21万6266人。在籍児童生徒1000人あたり38.6人で、単純にいえば約26人に1人が不登校という状況です。

12年連続過去最多 原因1位は30.1%「学校生活にやる気が出ない」

今回の調査で、とても重く受け止めたい数字があります。

学校側が把握した不登校の背景として最も多かったのは、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」30.1%でした。続いて、「生活リズムの不調」が25.0%、「不安・抑うつ」が24.3%となっています。

不登校という言葉を聞くと、多くの人はまず「いじめ」や「友人関係のトラブル」を思い浮かべるかもしれません。もちろん、それらは今も重大な要因です。軽く見ることはできません。

けれど、今の不登校はそれだけでは説明できなくなっています。

明確な加害者がいるわけではない。大きな事件が起きたわけでもない。それでも朝になると布団から出られない。学校の準備をしようとするとお腹が痛くなる。玄関の前で足が止まる。理由を聞いても、「わからない」「なんとなく無理」としか言えない。

ここに、今の不登校の難しさがあります。

「学校生活にやる気が出ない」と聞くと、大人はつい「甘えではないか」「怠けているのではないか」と考えてしまいます。けれど、子どもの無気力は、単なる気分の問題ではありません。

生活リズムの乱れ、睡眠不足、学習への不安、友人関係の疲れ、先生との相性、家庭内の緊張、思春期の心身の変化。さらに、発達特性が見逃されたまま「みんなと同じように」を求められ続けた子どももいます。読み書きの苦手さ、音や人混みへの敏感さ、集団行動のしんどさが理解されないまま積み重なれば、学校は安心できる場所ではなくなっていきます。

学力格差のプレッシャーも無視できません。小学校の早い段階で「わからない」が増え、中学校で定期テストや内申点の重圧が重なると、子どもは「どうせ頑張っても無理」と感じやすくなります。勉強が嫌いなのではなく、失敗を見られること、比べられること、自分だけ遅れていると感じることがつらいのです。

学校は、子どもにとって小さな社会です。

毎朝決まった時間に起きる。集団のペースに合わせる。授業を受ける。宿題をこなす。休み時間も人間関係を調整する。先生の目、友達の目、成績への不安、親の期待。その一つひとつは小さく見えても、子どもにとっては毎日背負う荷物になります。

コロナ禍を経て、家庭で過ごす時間が長くなり、学校という集団環境に戻ること自体に強い負荷を感じる子も増えました。スマホ、ゲーム、動画視聴によって睡眠時間が後ろ倒しになり、朝に起きられない子もいます。低学年では、保育園や幼稚園時代の集団経験の不足が、小学校入学後に表れることもあります。

母親にとって、一番苦しいのはここだと思います。

子どもがいじめられているなら、学校に訴えることができる。明らかな病気なら、病院に連れていくことができる。でも、「やる気が出ない」「行きたくない」「なんとなく無理」と言われたとき、親はどう受け止めればいいのか分からなくなります。

「このまま休ませていいのか」

「一度休んだら戻れなくなるのでは」

「私の育て方が悪かったのか」

「甘やかしていると思われるのでは」

そうして、母親自身がどんどん追い詰められていきます。

けれど、この段階で一番避けたいのは、子どもをさらに追い込むことです。「みんな行っている」「将来どうするの」「休み癖がつく」といった言葉は、親として当然の不安から出るものかもしれません。でも、すでに限界に近い子どもにとっては、家庭まで安心できない場所になってしまいます。

不登校は、突然始まるように見えて、実際には小さなサインが先に出ていることが多くあります。

1、月曜の朝だけ頭痛や腹痛を訴える
2、日曜の夜になると機嫌が悪くなる
3、学校の話題を避ける
4、友達の名前が会話から消える
5、宿題や提出物が急に出せなくなる
6、寝る時間が遅くなり、朝に起きられなくなる
7、「学校つまらない」「行きたくない」と小さくこぼす

この時点で必要なのは、原因を問い詰めることではありません。

まずは、子どもが安心して弱音を吐ける状態をつくることです。

「どうして行けないの」と詰める前に、「今、かなりしんどいんだね」と受け止める。「学校に行けないなんてダメ」ではなく、「学校に行けない日があっても、あなたの価値は変わらない」と伝える。登校できた日だけを成功にせず、休んだ日を失敗にしない。

ここを間違えると、子どもは学校だけでなく、自分自身まで否定し始めてしまいます。

家庭でできる早期対応は、大きく3つあります。

1つ目は、生活リズムを責めずに整えることです。いきなり通常登校の時間に戻そうとしなくていいのです。まずは決まった時間に起きる。朝にカーテンを開ける。食事を取る。短い散歩をする。小さなリズムの回復から始めることが、いちばん現実的です。

2つ目は、学習の遅れを恐れすぎないことです。不登校初期の子どもに、いきなり勉強を詰め込むと逆効果になることがあります。短時間の自宅学習、読書、動画教材、得意な教科だけの再開でも構いません。学びを完全に止めないことは大切ですが、学校と同じ速度を家庭に持ち込む必要はありません。

3つ目は、母親だけで抱え込まないことです。担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センターなど、早い段階で相談先を増やすことが大切です。学校に戻すかどうかだけでなく、別室登校、保健室登校、オンライン学習、教育支援センター、フリースクールなど、選択肢は以前より広がっています。

支援の現実も、もう少し具体的に知っておく必要があります。

たとえば、自宅でICT教材に取り組む、学校の授業配信を見る、教育支援センター経由で学習記録を積み重ねるといった形で、一定の条件を満たせば出席扱いになる場合があります。すべてのケースで認められるわけではありませんが、「学校の教室に行けない=学びが止まる」ではありません。

また、こども家庭庁が関わる子育て支援窓口や、自治体のこども家庭センターに相談できる場合もあります。学校だけに相談しづらいときは、福祉側の窓口に頼ることも選択肢です。親の孤立を防ぐ場としては、全国不登校新聞のように、不登校当事者や保護者の声を発信している媒体、地域の親の会、オンライン相談などもあります。

ただし、支援制度はあるのに、家庭まで届いていない現実があります。

制度を知らない。学校が動ききれない。親が相談をためらう。子ども本人が外部支援を拒む。予約が取りづらい。地域によって支援の厚みに差がある。こうした「支援の空白」が、不登校の長期化につながることもあります。

だからこそ、母親が最初の相談窓口を1つ持つことは、とても大切です。完璧な解決策を一度で見つける必要はありません。まずは担任に話す。学校で難しければ教育支援センターに相談する。子どもの不安や抑うつが強ければ、医療や心理の専門機関につなぐ。親自身が限界なら、親の会やカウンセリングを使う。

不登校は、親の失敗ではありません。けれど、放置していいサインでもありません。

子どもが「今の学校生活の形では進めない」と、体と心で知らせている状態です。必要なのは、叱って押し戻すことではなく、何に疲れ、何に苦しみ、どんな形なら再び学びとつながれるのかを一緒に探すことです。

学校復帰は1つの道です。でも、唯一の正解ではありません。

大切なのは、子どもが再び人とつながり、自分を否定せず、学ぶ力を取り戻していくこと。その順番を間違えないことです。

35万3970人という数字は、重い数字です。けれど同時に、母親が自分だけを責めなくていい理由でもあります。これは、1つの家庭だけの問題ではありません。社会全体で向き合うべき、教育と子育ての課題です。

子どもが朝、学校に行けないと言ったとき。母親がまずできることは、怒ることではありません。原因を決めつけることでもありません。

「あなたを見捨てない」

「一緒に考える」

「助けを借りていい」

この3つを、家庭の中で確かに伝えることです。

不登校は終わりではありません。子どもが立ち止まり、別の道を探し始める入口でもあります。その入口で、母親まで孤立してはいけません。

早く気づき、早く休ませ、早くつなぐ。

そして、もう1つ。あなたが疲れたら、まず休んでいいのです。母親が壊れないことも、子どもを守る大切な支援です。

編集部まとめ

小中学校の不登校は35万3970人となり、12年連続で過去最多を更新しました。注目すべきは、いじめや友人関係だけでなく、「学校生活にやる気が出ない」「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」が大きな割合を占めている点です。背景には、コロナ禍以降の生活変化、スマホによる睡眠の乱れ、学力格差のプレッシャー、発達特性の見逃しなどが複雑に絡みます。不登校は親の失敗ではありません。母親がまずすべきことは、叱責や登校強要ではなく、子どもの状態を受け止め、学校や専門機関と早期につながることです。

Q1. 小中学校の不登校は何人ですか?
令和6年度調査では、小中学校の不登校児童生徒数は35万3970人です。小学生13万7704人、中学生21万6266人で、12年連続の過去最多となっています。

Q2. 不登校の理由で最も多いものは何ですか?
学校側が把握した内容では、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談」が30.1%で最も多くなっています。生活リズムの不調、不安・抑うつも大きな割合を占めています。

Q3. 「やる気が出ない」は甘えですか?
単なる甘えとは限りません。睡眠不足、学習不安、友人関係の疲れ、発達特性の見逃し、家庭内の緊張などが重なり、学校へ向かうエネルギーが尽きている場合があります。

Q4. 不登校でも出席扱いになる学習方法はありますか?
自宅でのICT教材、授業配信、教育支援センター経由の学習などが、一定の条件を満たせば出席扱いになる場合があります。判断は学校や自治体によって異なります。

Q5. 母親だけで抱え込まないためにはどうすればいいですか?
担任、養護教諭、スクールカウンセラー、教育支援センター、こども家庭センター、親の会、心理相談などにつながることが大切です。母親自身が疲れたら、まず休むことも必要です。

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