週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田
名古屋工業大学で、奨学寄附金をめぐる不正使用が発覚した。
大学の発表によると、電気・機械工学類に所属する男性教授は、奨学寄附金を原資として印刷物を作成する際、大学側に「無償で学生などに配布する」と申請していた。しかし実際には、その印刷物を有料で販売し、売上金を自身の個人口座に振り込ませていたという。
大学側の調査では、教授は2020年以降の約5年間で計6回、同様の申請を行っていた。不正使用と認定された奨学寄附金は約104万円。印刷物の販売による売上金は約146万円に上る。
教授は大学の聞き取りに対し、不正使用の事実を認めている。一方で、売上金については研究室の活動費などに充てていたとして、私的な目的で使ったことは否定している。
しかし、問題は「何に使ったか」だけではない。大学に無償配布と申請しながら実際には有料販売し、売上金を大学管理ではなく個人口座に入れていた点だ。領収書や収支管理が不十分であれば、寄附金の透明性は大きく損なわれる。
奨学寄附金は、教育研究のために外部から大学へ託された資金である。教授個人の判断で自由に扱えるものではない。たとえ研究室活動に使ったとの説明があっても、大学の正式な会計処理を通さず、個人口座で管理していた以上、大学側が私的流用と判断したことは重い。
名古屋工業大学は、信頼回復に向けて再発防止策を徹底するとしている。今後は、教授への処分内容、寄附金管理のチェック体制、印刷物販売の収支確認、研究室単位での会計ルール徹底が焦点となる。
国立大学に寄せられる寄附金は、社会からの信頼で成り立っている。今回の問題は、金額以上に、その信頼をどう守るのかが問われる事案だ。
編集部まとめ
今回の問題は、単なる会計ミスではない。大学に「無償配布」と申請しながら、有料販売した売上金を個人口座に入れていた点が核心である。
教授側が「研究室活動費に使った」と説明しても、大学の正式な会計管理を外れた時点で、寄附金の透明性は崩れる。寄附者は教授個人に金を預けたのではない。教育研究のために大学へ託したのである。
名工大に求められるのは、処分の公表だけではない。5年間、なぜこの仕組みを見抜けなかったのか。売上金管理をなぜ個人口座に許したのか。再発防止策をどこまで具体化できるのか。そこまで説明して初めて、信頼回復の入口に立てる。
Q1. 名古屋工業大学で何が起きましたか?
A1. 男性教授が、奨学寄附金を原資に作成した印刷物を無償配布と申請しながら実際には有料販売し、売上金を個人口座に入れていたとして、大学が不正使用を認定しました。
Q2. 不正使用額はいくらですか?
A2. 不正使用と認定された奨学寄附金は約104万円です。
Q3. 売上金はいくらでしたか?
A3. 印刷物販売による売上金は約146万円に上るとされています。
Q4. 教授は私的流用を認めていますか?
A4. 教授は研究室活動費に充てたとして私的流用を否定していますが、大学は個人口座で管理されていた点などから私的流用に該当すると判断しました。
Q5. 今後の焦点は何ですか?
A5. 教授への処分、寄附金管理体制の見直し、印刷物販売や売上管理のチェック強化、研究コンプライアンス教育の実効性が焦点になります。
※本記事は、名古屋工業大学の発表および報道内容をもとに構成しています。大学は、奨学寄附金や印刷物販売に関する売上金の取り扱いについて「私的流用」と判断していますが、今後、関係機関による追加調査や大学側の再発防止策の公表により、内容を追記・更新する可能性があります。
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