2025年6月9日、福岡地方裁判所小倉支部は、当時14歳と15歳だった女子中学生に性交し、2度の妊娠・出産に至らせたとして、不同意性交等の罪に問われた自動車工場作業員、江口優樹被告(26)に懲役6年の実刑判決を言い渡した。
裁判長は武林仁美裁判官。検察側は懲役8年を求刑していた。
裁判所は、江口被告が愛知県内に妻と3人の子どもがいる事実を隠して少女へ接近し、妻子の存在が発覚した後も少女の未熟さと被告への情につけ込んだと認定。少女の性的自由を繰り返し侵害し、身体や将来に重大な影響を生じさせたと厳しく非難した。
妻子の存在を隠し、TikTokで知り合った少女宅へ
判決によると、江口被告はTikTokを通じて、福岡県内に住む女子中学生と知り合った。
当時、被告は愛知県内に妻と3人の子どもがいたが、その事実を少女に隠し、妻子がいないかのように装って交際を始めた。
さらに少女の両親へ頼み込み、少女の自宅に居候する形で生活するようになった。
少女の母親は、少女が成人するまでは性交しないよう被告と約束していた。しかし、被告はその約束を守らなかった。
判示(1)14歳だった少女と性交、第1子を妊娠・出産
判示(1)の行為は、2023年8月中旬ごろに起きた。
江口被告は、当時14歳だった少女が16歳未満であり、自身が少女より5歳以上年長であることを知りながら、避妊措置を取らずに性交した。
この行為によって少女は第1子を妊娠し、その後、出産した。
裁判所は、江口被告が妻子の存在を隠して少女をだまし、心身ともに未熟な年齢の少女を誘惑したと指摘。少女が被告へ抱いた好意も、妻子がいないかのように装ったことで得られたものだと評価した。
妻子の発覚後も関係を継続
その後、江口被告に妻と子どもがいる事実が発覚した。
被告は少女宅から退去させられたものの、少女との関係を終わらせず、その後も接触を続けた。
裁判所は、妻子の存在が明らかになった後も少女が関係を続けたことについて、対等な判断能力を備えた成人同士の恋愛と同様には扱わなかった。
少女はなお心身ともに未熟であり、被告への情から関係を断ち切れなかったとして、被告がその情につけ込んだと認定した。
判示(2)第1子出産後も避妊せず、15歳で再び妊娠
判示(2)の行為は、2024年9月上旬ごろに起きた。
江口被告は、当時15歳だった少女と再び避妊措置を取らずに性交し、第2子を妊娠させた。
裁判所は、第1子の妊娠・出産という現実にすでに直面していたにもかかわらず、再び避妊せずに性交へ及んだ点について、特に強い非難に値すると指摘した。
さらに、少女が第2子を妊娠した後も、江口被告は医療機関を受診させることも、両親へ相談させることもしなかった。
少女は医療や周囲の十分な支援を受けないまま、自宅で第2子を一人で出産した。
裁判所は、2度の妊娠・出産を通じ、少女の身体だけでなく、その後の生活や将来に及ぶ影響を現実化させたとして、結果の重大性を量刑上重く捉えた。
「保護されるべき性的自由を繰り返し侵害」
裁判所は、判示(1)(2)のいずれについても、被害少女が16歳未満であり、江口被告が少女より5歳以上年長であることを認識していたと認定した。
判決理由では、被告が当初、妻子がいないように装って少女をだまし、関係を持つよう誘惑したと指摘。
妻子の存在が発覚した後も、少女の未熟さと被告への情につけ込み、保護されるべき性的自由を繰り返し侵害したと厳しく非難した。
特に判示(2)については、第1子の妊娠・出産を経験した後でありながら、再び避妊措置を取らずに性交したことから、判示(1)以上に強い非難が向けられた。
「違法性の意識がなかった」とする主張を退ける
弁護側は、江口被告に違法性の認識がなかったなどと主張した。
しかし裁判所は、未成年者との性交が犯罪になり得ることは社会常識であるとして、この主張を退けた。
また、少女が江口被告に好意を抱いていたことについても、その好意は被告が妻子の存在を隠した状態で得たものだと判断した。
妻子の発覚後も関係が続いた点については、少女の未熟さや被告への情が背景にあり、被告の責任を軽くする事情にはならないとした。
懲役8年の求刑に対し、懲役6年
裁判所は、2度にわたって少女の性的自由を侵害し、妊娠・出産という重大な結果を生じさせた刑事責任は重いと判断した。
一方、江口被告が起訴された事実を認めていることや、これまで前科がないことなどを有利な事情として考慮した。
裁判所は、これらの事情によって責任が大きく軽減されるわけではなく、犯行全体の悪質性も相対的に低いとまではいえないとの趣旨を示した上で、懲役6年が相当と結論づけた。
編集部まとめ
今回の判決で重く評価されたのは、単に16歳未満の少女と性交したことだけではない。
江口被告は、妻と3人の子どもがいる事実を隠して少女の好意を得た上、最初の妊娠・出産後も関係を断たず、再び避妊措置を取らないまま性交した。第2子の妊娠後も、少女に医療を受けさせたり、両親へ相談させたりしなかった。
裁判所は、少女の好意や関係継続を被告に有利な事情とは捉えず、未熟さと情につけ込んだ結果だと判断した。判示(1)から判示(2)へ至る経緯全体を通じ、被告が少女の身体と将来に及ぼす影響を軽視し続けた点が、実刑判断の中核となった。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:本記事は、2025年6月9日に福岡地方裁判所小倉支部で言い渡された判決内容として提示された情報を基に構成しています。被害少女の氏名、住所、学校名など、個人を特定できる情報は掲載していません。
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