森記念財団都市戦略研究所が発表した「日本の都市特性評価2026」で、名古屋市が全国136都市のうち総合2位となった。1位は大阪市、3位は福岡市だった。
名古屋市は「研究・開発」と「生活・居住」の2分野で全国首位を獲得。産業都市としての技術力に加え、大都市としての暮らしやすさも高く評価された。
名古屋大学や企業の研究力が都市評価を押し上げ
調査は「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で、各都市の特性を分析している。
森記念財団の評価指標によると、名古屋市は大学や研究機関の集積、論文・特許などの実績で高い評価を得た。
名古屋大学をはじめとする教育・研究機関に加え、自動車や製造業を中心とした企業の技術開発基盤が強みとなっている。愛知県内に広がるトヨタ関連産業を含め、大学と企業の双方が研究開発力を支える構図が、全国首位という結果につながったとみられる。
「生活・居住」も全国1位
生活・居住分野でも、名古屋市は全国1位となった。
大都市として商業、医療、教育などの都市機能を備えながら、東京や大阪と比べて住宅や移動にかかる負担を抑えやすい点が、名古屋の特徴とされる。
外国人住民の受け入れ体制や生活環境も評価を押し上げた。都市規模と日常生活の利便性を両立していることが、客観的な指標でも示された形だ。
交通・アクセスは2位 都市外への移動で首位
交通・アクセス分野では全国2位となり、項目別の「都市外アクセス」では1位を獲得した。
名古屋駅を中心とした鉄道網に加え、高速道路や幹線道路を利用して周辺都市へ移動しやすい点が評価されたとみられる。
愛知県内では自動車移動の比重が大きい一方、名古屋は東海地方の鉄道・道路交通が集中する拠点でもある。県内外への移動のしやすさが、都市競争力の一つとして数字に表れた。
発信実績は21位から14位へ上昇
文化・交流分野では、都市の情報や魅力を外部へ届ける「発信実績」が前回の21位から14位へ上昇した。
名古屋は産業力や生活基盤に比べ、観光や都市イメージの発信力が弱いと指摘されることが多かった。今回の順位上昇は、食文化、スポーツ、イベント、エンターテインメントを通じた発信に改善の動きが出ていることを示している。
ただし、名古屋独自の文化や産業資源を国内外へどう伝えるかは、引き続き重要な課題となる。
シングル層1位、シニア層は42位
立場や生活者像ごとに都市を評価するアクター別スコアでは、名古屋市はシングル層で1位となった。
ファミリー層、経営者、従業者でも2位、観光客では4位に入り、働く世代や現役世代から幅広く評価された。
一方、シニア層は42位にとどまった。公共交通を利用した移動のしやすさや、地域コミュニティへの参加、高齢者向けの生活支援など、年齢を重ねても暮らしやすい都市環境の整備には改善の余地がある。
総合順位の高さだけでなく、世代によって生じている評価差をどう縮めるかが、今後の名古屋市政の課題となる。
編集部まとめ
名古屋市はかつて「魅力が伝わりにくい都市」と評されたこともあった。しかし今回の調査では、研究開発力、暮らしやすさ、交通利便性という実質的な強みが全国トップクラスと評価された。
次に必要なのは、研究や産業の成果を都市ブランドへつなげることと、シニア層を含むすべての世代が暮らしやすさを実感できる環境を整えることだ。全国2位という結果を、名古屋の次の成長戦略へ結び付けられるかが問われる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:森記念財団都市戦略研究所が公表した「日本の都市特性評価2026」の結果をもとに構成しています。順位や各分野の評価は、調査指標や対象都市の変更によって年度ごとに変動する場合があります。
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