絶滅のおそれがある野生生物として国際取引が規制されている「アオキノボリアリゲータートカゲ」9匹を韓国から密輸しようとしたとして、警視庁はメキシコ国籍のダニエル・イサック・ベラスコ・バルタサール容疑者(23)を逮捕しました。税関の検査では、スーツケース内の靴下22足から計200匹のトカゲが見つかっていて、逮捕容疑の9匹とは分けて捜査が進められています。
韓国から羽田空港へ 密輸容疑はアオキノボリアリゲータートカゲ9匹
ベラスコ・バルタサール容疑者は8日、韓国から羽田空港に到着した際、スーツケースの中にアオキノボリアリゲータートカゲ9匹を隠し、日本へ持ち込もうとした疑いが持たれています。
警視庁によると、税関職員が荷物を調べたところ、22足分の靴下の中から合わせて200匹のトカゲが見つかりました。
今回の逮捕容疑は9匹の密輸未遂で、荷物から確認されたトカゲは計200匹です。この2つの数字を分けてみることが事件を理解するうえで重要です。
靴下22足に200匹 税関職員が発見
大量のトカゲは靴下の中に入れられ、スーツケースで運ばれていました。羽田空港の税関職員による検査で発覚したということです。
警視庁は、なぜ大量の爬虫類を日本へ持ち込もうとしたのか、入手経路や持ち込み後の目的などについて詳しく調べているとみられます。
「1匹560~750円くらいで仕入れた」 容疑認める
テレビ朝日の報道によると、ベラスコ・バルタサール容疑者は取り調べに対し、「トカゲは1匹560~750円くらいで仕入れた」とする趣旨の供述をし、容疑を認めています。
一方、TBSは「1匹750円ほどで仕入れた」とする供述を報じています。報道各社で表現に若干の違いがあるため、仕入れ価格は数百円程度だったとの供述が確認されている、と整理するのが適切です。
国内では1匹およそ10万円で取引
アオキノボリアリゲータートカゲは、日本国内では1匹およそ10万円で取引されていると報じられています。仮に200匹すべてを単純に同水準で換算すれば2,000万円規模になりますが、これは実際の販売額や押収品の評価額を示すものではありません。
密輸された希少な爬虫類は、種類や個体の状態、流通経路などによって市場価格が大きく変動します。このため、「200匹=2,000万円相当」と断定するのではなく、1匹あたりの国内取引価格として報じられている数字を示すのが適切です。
ワシントン条約の附属書IIとは
アオキノボリアリゲータートカゲは、ワシントン条約(CITES)の規制対象となっている種です。CITESの公式データベースにも「Abronia graminea」として掲載されています。
附属書IIは、直ちに絶滅する危険が最も高い種だけを対象とする区分ではなく、取引を規制しなければ将来的に生存が脅かされるおそれがある動植物などを対象とします。
そのため、附属書II掲載種は国際取引そのものが全面禁止されているわけではなく、輸出許可書など所定の手続きが必要になります。今回の事件では、こうした規制対象のトカゲを適切な手続きを経ず持ち込もうとした疑いが捜査されています。
編集部まとめ
逮捕容疑となっているのはアオキノボリアリゲータートカゲ9匹の密輸未遂ですが、税関検査では靴下22足から計200匹のトカゲが見つかりました。
1匹数百円程度で仕入れたとの供述がある一方、国内では1匹約10万円で取引されているとされており、大量持ち込みの目的や国内での流通を想定していたのかが今後の捜査の焦点になります。
週刊TAKAPI編集部/一条
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